ビジネスでいちばん大事な「心理学の教養」 - 脱「サラリーマン的思考」のキーワード (中公新書ラクレ 462)
- 中央公論新社 (2013年7月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121504623
作品紹介・あらすじ
心理学は、もはや人材育成からマーケティングにいたるまで、強力なパワーを持ったツールである。とりわけ将来不安が高まる今、ポジティブに生き残るための知恵でもある。自己効力感、ハロー効果、新奇恐怖、ビッグ・ファイブ…「人事戦略家」が、実務家目線で厳選した全60語を解説。
感想・レビュー・書評
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与えられたことを決められた通りに上手にこなすだけでは世の流れについていけなくなるという話だった。厳しい世の中だと思う。せめてトライ&エラーを自分に課して、努力は叶うと思いたい。機械にはない人間の心、好きとか面白いとかいった感性を大事にしたいと思った。
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ビジネスだけでなく日常生活で人と関わるときに出会う様々なシーンで役立つキーワードがたくさんあった。各キーワードについて簡潔に書かれているので時折振り返って読み直しやすい。
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2022/01/12_Sさん紹介
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再読。
★双曲割引
「今すぐできること」の価値を非常に過大評価する傾向があり、「ちょっと待つ」ことでより大きな利益を得る行動がとても苦手。
Cf. 15分の集中後に得られる快感より、15秒後の快感を選んでしまう
→逆に言うと「今すぐ手に入る」ことをあえて作ることの方が、アクションが起こりやすい。ふむ。
★ファティックー意味のない言葉の重要性
コミュニケーションのきっかけ作り
★ストレスの対処法ーコーピング(原因解決・発散・回避)
状況に応じて適切な対処が変わる
その他メモ:
カタルシス
返報性の原理
没個性化ー匿名性
自己奉仕バイアス
ピグマリオン効果ーみんなを平等に贔屓する
抽象化スキルは経験の再利用性を高める -
60の心理学用語の解説書。この網羅性はすばらしい。著者酒井さんの著書を読むのは2冊目だけど、体系立って説明するのが非常にうまいです。
<目次>
はじめに
第1章 モチベーション(動機づけ)
マズローの欲求段階説
XY理論
社会的比較
分人主義
フロー
自己効力感
学習性無力感
プラシーボ効果
コラム1 動機づけとは、教育の手段ではなく、目的である
第2章 営業・マーケティング
新奇恐怖
ゲイン・ロス効果
多数派同調バイアス(集団同調性バイアス)
代償行動
カリギュラ効果
返報性の原理
没個性化
協調フィルタリング
コラム2 マーケティング手法、FUDの存在を知る
第3章 イノベーション
パラダイム
アハ体験
チェス盤の法則
カラーバス効果
スキーマ
コラム3 ダブル・ループ学習と破壊的イノベーション
第4章 コミュニケーション
メラビアンの法則
ストローク
対話
視線交錯行動(アイ・コンタクト)
行為者・観察者バイアス
カクテルパーティー効果
インテーク
ファティック
ツァイガルニック効果
ピーク・エンドの法則
コラム4 コミュニケーション効率を高める、重要なアプローチ
第5章 人材育成
固定的知能観、拡張的知能観
レミニッセンス
自己奉仕バイアス
シャドウ
代理強化
最近接発達領域
ピグマリオン効果
イマージョン・プログラム
メタ認知
双曲割引
アフォーダンス
オペラント条件づけ
コラム5 だれかに、複雑なことを、わかりやすく説明する必要性
第6章 採用・評価 に関するキーワード
ハロー効果
寛大効果
鏡に映った自己
正統的周辺参加
脱中心化
ビッグ・ファイブ
サピア・ホワーフ仮説
潜在学習
イニシエーション
コラム6 抽象化スキルが、生死を分ける時代に
第7章 リスク管理
能動的惰性
カタルシス
コーピング
正常性バイアス
スリーパー効果
スティグマ
ハイパー・リアリティー
分化的接触理論
コラム7 動物園のライオン、サバンナのネズミ
おわりに
2014.11.05 著者のブログを見ていて見つける。
2014.11.14 読書開始
2014.11.25 読了 -
【由来】
・図書館の新書アラート
【ノート】
・マズローやミハイの「フロー」、「影響力の武器」なども参考図書に挙げられており「心理学の教養」というタイトルに偽りはない。キーワードを挙げて、その概要や現実社会への応用方法をコンパクトにまとめている構成も読みやすい。ただし、現実社会への応用方法が、紙数の制限もあるのだろうが、あまりにも表面的なのがちょっと惜しい。あくまでも「教養」ということなので、この分野の著名な作品に馴染んでいる人なら、重複が多い印象を受けるだろう。
・流し読みしていたが、いくつか知らない情報や新しい発見があった。「ツァイガルニク効果」、組織内で好ましくない行動と取っている者への視点、抽象化スキルについて。
・「ツァイガルニク効果」はプレゼンの時などに自分が最近感じ始めていたことと同期した。組み立てられすぎたプレゼンでは、拍手はもらえても、聴衆との一体感はあまり形成されない。適度な隙があった方がいい。そのことに対する自分の考えを補強してくれる考え方だった。
・「抽象化スキル」で語られていることは「人間の叡智」で佐藤優さんが語っていたエリートの条件と共通する。「自分のいる場所を客観的に認識してそれをきちんと言語で説明できるのがエリートの条件です。 『人間の叡智』(P157)」
・最後に書かれている著者の危機意識がダニエル・ピンクの「ハイ・コンセプト」と通底するものだったり、これからの世界の動きについての構想が佐々木俊尚の「レイヤー化する世界」と似通っているのが意外でもあり興味深かった。 -
いつも、理論や法則を学んでも実際にはどのように今の仕事にいきるかが、わかららないことが多いのですが、この本は仕事ではこう考えればよい、というガイドが付いているためわかりやすかったです。
視点を変えて毎日を見られるようなキッカケになる本でした。 -
次にどんな心理学の本をよんだらよいかの指南書であった。
分人主義
グループに於いてキャラが違う場合でも、それはきゃらを演じているのではなく、それも自分だということ。
ファティック
それ自体は意味が無いけれど、人間関係には重要な言葉 -
仕事でよく聞く用語が結構載っていたので為になった。
しかし、必要最低限の意味しかわからないし、それ以上知りたければこの本をどうぞ的な索引的印象が強い。
読み物というより、辞書としての使い方が良いのでは。 -
動物園のライオンよりサバンナのネズミとなれ!!