日本人が知らない安全保障学 (中公新書ラクレ 490)

著者 :
  • 中央公論新社
3.20
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121504906

作品紹介・あらすじ

尖閣諸島・竹島の領土問題、北朝鮮のミサイル発射と核実験などアジアの軍事的緊張は高まる一方。逆に、化学兵器使用のシリア・アサド政権への武力行使を断念するなどアメリカの影響力には翳りが見え始めている。日本を取り囲む安全保障環境が激変している現状を伝え、対応策を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 【由来】
    ・図書館の新書アラート?

    【期待したもの】
    ・「安全保障学」なるものについての基礎知識を得たい。

    【ノート】
    ・「安全保障学」というものについての説明って、どこにあったっけ?単に著者の思うところを、少しは軍事学的な知識も織りまぜながら放言しているだけという印象。この著者は明確に平和憲法では日本は一方的にやられるだけ、という立ち位置で、何かと「世界の常識はこう」というのを持ち出しているが、この手の論法には胡散臭さがつきまつことが多いというのが最近の自分の感覚。シリアへの軍事介入に関する記述でも、アサド政権による毒ガス使用を当然の前提として使っており、その論理の展開が自分的には首肯できかねる。
     「『高貴な』安全保障を」と掲げ、「自国を攻撃された際に個別的自衛権を行使するだけなら『畜生とどこが違う』のか(P163)」とのたまう辺りで、読む価値ナシと判断した。時間のムダだった。

  • 元空自三佐による、保守の立場からの安全保障学。
    この手の本は、どちらかの思想に凝り固まって、読めたものじゃない本も多いなかで、自分の考え方の立ち位置を認識した上で、いろんな有名な本からも情報などを引きながら「私は◯◯だから、こう考える」というふうに、比較的冷静に書かれてるので、考え方が違う人でも「読める」本になっている。前著が「わしズム」とかいう、読んだことないけど怪しげな(たぶん右派の)雑誌の連載をまとめたものだそうで、これもどうかなーとは思ってたけど、確かに保守の論調ではあるけどなかなか勉強になった。タイトルに「日本人が知らない」とか付けちゃうところがちょっと胡散臭いけど。
    「高貴な安全保障」というのは自分なりに考えてみたい考え方ではあるなと思った。
    安全保障の語源にさかのぼって考えたりっていうのも面白かった。
    安全保障について考えるにあたって参考になりそうな著作が多く引かれているので、自分で安全保障について考えてみたいという人にも参考になります。
    この著者の所属する岡崎研究所って、自分がよく読んでるネットのニュースサイトにも寄稿してるけど、保守系で、防衛についての民間対話とかもやってるんだな。政府間対話の前段階として結構大きな役割をになってるそうで、特に、海上連絡メカニズムなんかの話にも関わってたというのは興味がある。以前読んだ「日本の空をだれが守るのか」の著者は元空将で、その人も岡崎研究所の研究員だったと思うけど、こっちの方が冷静な書き方で内容的にも勉強になった感じがする。当たり前だけど、階級高い人の書いた本の方が出来が良いということでもないんだな。

  • security se(without)+curita(care)
    securitas = freedom from care

    1943 ラインホルト・ニーバー
    神よ 変えることができるものについて、それを変えられるだけの勇気をわれらに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。そして、変えることがのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与え給え

    ジョセフ・ナイ ジュニア 国際紛争ー理論と歴史、スマートパワー 21世紀を支配する新しい力

    大使とは、自国の利益のため、外国で嘘をつくために派遣される誠実な人をいう

    ナポレオン 外交とは華麗な衣装を纏った軍事に他ならない

    つきあい方の科学 ミネルバ書房

    危機管理の要諦 悲観的に準備し、楽観的に対処する

    危機を危機と思わないことが最大の危機である

  • 「たとえば、中国は、台湾問題を解決し、中国統一を実現することにはいかなる外国勢力の干渉も受けないとしており、中国が、四海に囲まれた台湾への外国からの介入を実力で阻止することを企図すれば、海洋における軍事作戦能力を充実させる必要がある。」(防衛白書)。その際に邪魔になる米空母機動部隊などの接近(アクセス)を阻止し、米軍の行動の自由を制限する(AD)。それが「A2/AD」。こうした中国などの「A2/AD」能力に対抗して、戦域へのアクセスを確保する米軍の新戦略が「JOAC」と命名された「統合作戦アクセス構想」である。

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著者プロフィール

昭和35年3月生まれ。早稲田大学法学部卒。同大学院法学研究科博士前期課程修了。旧防衛庁・航空自衛隊に入隊。教育隊区隊長、航空団小隊長、飛行隊付幹部、総隊司令部幕僚、長官官房勤務等を経て3等空佐で退官。出版社勤務、シンクタンク研究員、聖学院大学専任講師、防衛庁広報誌編集長、帝京大学准教授、参議院議員政策担当秘書、拓殖大学客員教授、東海大学講師等を歴任。アゴラ研究所フェロー。公益財団法人「国家基本問題研究所」客員研究員。『安全保障は感情で動く』(文春新書)、『誰も知らない憲法9条』(新潮新書)ほか著書多数。人気コミック『空母いぶき』(かわぐちかいじ作・連載誌『ビッグコミック』小学館)に協力中。

「2022年 『ウクライナの教訓 反戦平和主義(パシフィズム)が日本を滅ぼす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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