ベスト珍書 - このヘンな本がすごい! (中公新書ラクレ 507)
- 中央公論新社 (2014年9月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121505071
作品紹介・あらすじ
年に数万の新刊が出版される日本。何とその全てをチェックしているのがハマザキカク氏だ。その氏が「ヤバい」「すごい」と感じた百冊を厳選。著者すら意図しない魅力を再発見していく。怪書、エログロ、発禁本。共通するのは「珍」ということだけ。さあ、『珍書』の雄叫びを聞け!
感想・レビュー・書評
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著者は日常的に新刊図書情報(月刊6000冊あるらしい)を確認しているそうだが、本書を書くために100万冊の書誌情報を確認したという。
本の世界の奥深さを感じざるを得ない。
読書家の世界も上には上がいるものだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルの通り、珍書の紹介本。著者は日々出版される書籍の新刊情報を定点観測しており、その中から面白いものを紹介している。
紹介されているものは、ちょっと趣味と違うなというものも多かったが、この本をきっかけに読んだor読みたいと思った本もある。
・『jp0205』松江泰治
・『九相図資料修正 - 死体の美術と文学』山本聡美、西山美香
・『音と意味が類似した英語と日本語』石金勇雄
・『可逆語を探す』酒井芳徳
・『不動産取引における心理的瑕疵の裁判例と評価』宮崎裕二
・『Encyclopedia of Flowers 植物図鑑』東信、椎木俊介
本の紹介だけでなく、著者がどのように珍書を探しているのかをコラムで説明しており、これも面白い。「図書館流通センター」なんてものは初めて知った。
あとは中野ブロードウェイの書店「タコシェ」にも行ってみた。 -
奇書珍本に関する本はいろいろあるけど、この本はトンデモ本やサブカル系、フィクションや稀覯本を外した上でのチョイスというのが良い。「怪書・エログロ・発禁本」という帯のアオリはちょっとミスリードのような気がしていて、むしろイグ・ノーベル賞のノリで読むのが吉。至って真面目に作られているけど、そこはかとない珍奇さが何とも良い。
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興味を惹かれる珍書の数々の紹介。
だが読むことのできないものも多い。だから書評として読んだ感じ。結構読み応えあり。
読了50分 -
小説などの文芸書以外の「珍書」を紹介した本。ショッキングなものから、情熱が詰まったもの、脱力感漂うものまで、気になる本がたくさん。
『写真と童話で訪れる 高尿酸血症と奇岩・奇石』(槇野博史/メディカルレビュー社/2013年)というタイトルには笑った。 -
日本で発売された珍書を著者独自の視点で解説する本です。この本の良い点は様々なジャンルがきちんと整理されて紹介されている点です。またふざけすぎず、堅くなりすぎず丁度良いバランスの文章で読みやすい点です。
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全ての新刊書をチェックしている著者の見つけた珍書の紹介
ニッチを通り過ぎて意味不明なものが大半
病気や遺体などグロテスクなものも多い -
本の情報の集め方が参考になった。
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自らも「珍書プロデューサー」として知られる編集者が、2000年以降に刊行された本(一部90年代のものもあり)から極めつけの「珍書」100冊を厳選紹介したブックガイド。1冊につき2ページないし1ページで紹介されている。
……というと、と学会による一連の「トンデモ本」シリーズを連想する向きもあるだろう。じっさい、本書に紹介された「珍書」の中には、トンデモ本に分類してよいものもある。
ただ、「トンデモ本」シリーズが対象書籍を笑い飛ばし、馬鹿にすることを基本としている(その中に屈折したリスペクトが隠されていることもあるが)のに対し、本書は取り上げた珍書に対するリスペクトが基本となっている。著者自身が「ヘンな本」をこよなく愛しており、だからこそ副題が「このヘンな本がすごい!」なのだ。
《『ベスト珍書』では、私が珍書編集者として、企画のアイデアがヘンとかスゴイと思ったり、コンセプトがバカげていると感じたり、テーマが前代未聞だと思った珍書を選び抜いた。(「まえがき」)》
「ヘン」で「バカげている」本が数多く紹介されてはいるが、著者はその“突き抜けたバカっぷり”をむしろ賞賛してやまないのである。なにしろ、著者自身が珍書を数多く手がけてきた編集者なのだから……。
「珍写真集」「珍図鑑」「珍医学書」「珍人文書」「珍エロ本」「珍語学書」などに章分けされた内容は、「よくもまあこんな本が出版されたものだ」と仰天する珍書揃い。
取り上げられた珍書のタイトルを拾ってみると――。
『動物うんこ図鑑』、『写真集 手押しポンプ探訪録』、『逆立ちしても読める本』、『童貞が教える妹とお風呂に入る方法』、『誰にでもできる職務質問――職質道を極める』、『こじき大百科』、『背脂番付』、『ドリル大全』などなど……。
まあ、読んでもなんの役にも立たない本ではあるが、本好きなら楽しめる1冊。ある意味、本書自体が珍書だ。 -
トリビアの泉