福井県の学力・体力がトップクラスの秘密 (中公新書ラクレ 508)

著者 :
制作 : 前馬 優策 編著 
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 93
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121505088

作品紹介・あらすじ

注目が高まる全国学力テスト。秋田と福井がツートップだ。体力テストの結果も合わせると、福井の強さはきわだつ。その秘訣を探るべく、(学力下位の)大阪の教育学者が教師、親、生徒を徹底取材。「鍛える文化」「群れる力」「あたりまえのことをやる」環境など、学ぶべき点は多い。

感想・レビュー・書評

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  • 今まで当たり前にやってたことが他県では当たり前ではなく、凄いことだったことに気づいた。
    教師の頑張りが大きいと思う。感謝したいです。

  • 福井県って何処にあるの?あまり知られていない県ですが一人仲の良い方がいます。その方にもっと聴いてみます。(関西TVの方です。)

  • 小学校3年生から6年生まで福井県福井市に住んでいた縁で、近所の図書館で目に留まり何気なく借りた。

    学力だけでなく、スポーツテストのような体力面でも全国トップクラスで、いわゆる文武両道。その秘密を現場への調査から明らかにするというもの。

    福井の先生は当たり前のことを当たり前のようにやる、という真面目さがあるという。児童生徒も素直に頑張るという。

    遠泳、無言清掃、昼休みのフォークダンス、地域の支え、三世代同居などの事例が続く。

    福井での勉強面での特段の印象は残っていないが、今でもはっきり言えるのは、小学生ながら字がものすごくきれいだったこと。書道教室に通う子どもの数が圧倒的に多かったと思う。本書では触れられていないが、字を丁寧にきれいに堂々と書くという文化は誇るべきものだと思う。

    本書で紹介されている秘密は、あまり驚くべきものではないけれど、もたげてくる疑問は、福井県への視察ツアーが組まれているにも関わらず、なぜ他に地域が真似できないのか、追いつけないのか、ということ。県境という人為的な架空の線引きは、現実的には大きな意味を持たないはず。にもかかわらず、福井を超えることができないのははぜか。

    人口などの規模やや文化などの環境要因も大きいのではと思われる。フィンランドをはじめとした北欧諸国の教育とちょうど同じような構図。

    本書の中で最も読んでよかったと思った部分は、実は福井の教育の秘密ではなく、ミュージカルRENTのSeasons of Loveのくだり。1年を秒で数えると何秒かという英語の問題から、あなたは1年をどのように数える?という問い掛けにもできるとあって、これはぜひ使いたい、と思った。

  • 福井の地域柄の良さが支えていたのですね。

  • まじめにコツコツと当たり前のようにやっている。部活もほとんど全員がしている。それを継続して実行することが他の都道府県では難しいのかも。秋田もそうだけど家庭学習ノートというのが特徴的なのかな。
    内容はそんなに濃くない。研究室の記念出版のような感じか。福井県を語るのに対照群との比較がないのが物足りなさかな。

  • レポートの域を出ないが、非常に興味深い内容であった。但し組合加盟数の割合が、横の繋がりを生むという浅薄な考察は少し残念であった。

  • 福井県の強さの理由が納得できる本でした。
    学力向上について考えるのであれば、一読の価値はある良書です。
    実際に福井に宿泊して、学校を視察して、生徒・教師・保護者・地域の人と視点を変えてインタビューをしている分だけリアルです。

  • 福井の学校現場にはその場に一心になる、一心に今一時をやり遂げる心意気がある。子供たち自身が一時一心を身につけようとしているし、教師も熱心にそれを支えている。教師の教えを子供が素直に吸収して強くなっている。一時一心にそれぞれの活動をこなし、家庭や地域は学校の応援団に回る。しなければならないものはしなければならないという精神が子供たちの中に自然に育まれることとなる。当たり前のことを当たり前にできる精神性を地域・家庭ぐるみで養っているのが福井の教育の最大の強み。福井の先生の多くが教育養成系大学の出身者で占められており、先生方ご自身が勤勉で真面目で教育熱心というのも特筆すべき点ではあるが、おじいちゃんがおり、おばあちゃんがおり安定した家庭環境、地域の中で子供が守られているのがタイトルの最大の理由である。

  • 面白かった!
    ただ、秘密が明かされたかといえばそうでないし、これを他府県でやれるかといえばできないだろうという秘密が多かった。

    でも、やっぱり知っているところが出てくるのはいいなあ。知っているところだからこそ面白かったんだろうなあ。
    教育って、奥が深い。

    2015.03.27

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著者プロフィール

大阪大学大学院人間科学研究科教授。専門は教育社会学、学校臨床学。日本学術会議会員。主な著書は『マインド・ザ・ギャップ』(大阪大学出版会、2016)、『日本の外国人学校』(明石書店、2015)、『学校にできること』(角川選書、2010)など。

「2022年 『外国人の子ども白書【第2版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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