■自己宣伝は逆効果
自分の評価を上げたい、優秀な人間だと思われたいという思いはどんな人であれ持っているはず。しかし、当たり前の話だが、自分の評価が上がる時というのは「自分以外の誰か」が自分をほめたり、手柄を称えてくれた時であって、自分で自分の手柄話や自慢話をしても逆効果だ。
特に男性は女性よりも自分をより大きく見せたいという願望が強いとされ、つい自慢話に走りがちだ。そんなことをするくらいなら、他の人に自分のいい評判を流してくれるようこっそりお願いする方がまだマシなのだ。
■「正義の味方」は同性にモテない?
誰かが法律に反することをしていたのであれば、黙認せずにしかるべき対処をしないといけないが、私たちの社会のルールは法律だけではない。職場のルールであったり、コミュニティのなかだけで通用する「暗黙の了解」があったりする。正義感の強い人ほどこれらのルールを守ろうとして、守らない人に注意をしたりするが、あまりやりすぎると周囲から反発されてしまうかもしれない。
ルールを杓子定規に捉えて、人を批判したり責める人間を好きになる人間はいない。それよりも、誰にも害を及ぼさない小さなルール違反なら「お目こぼし」できる人の方が、同性にはモテるのだ。
■「むやみに明るい人」はモテるか
明るい人柄は基本的には周囲に好まれる。しかし、それは「明るくしていい時」と「そうでない時」で声の使い分けができている場合だ。
仕事で大きなミスをして落ち込んでいる人に対して、「気にすんなよ!アハハ!」と明るく声をかけたら、相手は腹立たしいだけだろう。これでは「単に明るいだけの人」である。
心理学に「同質効果」というものがあり、落ち込んでいる人に対しては沈んだ声で、明るい人には明るい声で対応した方が相手からの印象はいい。たとえ同性相手であっても、明るいだけではダメなのだ。
■雑談時は「反論しない」
「自分の意見をしっかり言える」ということはいいことだが、いつでもどこでも自分の考えを主張すればいいというわけではない。コミュニケーションにおいて、相手と意見が合わないことは珍しくないが、そんな時に毎回反論していては不必要に敵を増やすだけだ。コミュニケーションには、自己主張をしていい場とそうでない場があるのである。
前者の例は商談の時だろう。自分や自社の考えを主張できないと不利な条件を飲まされることがあるため、この場では自己主張は必要だ。
しかし、ビジネスの場であっても雑談やおしゃべりの時まで自分の考えを主張しすぎるのはどうだろうか?どんなに相手の話が自分の考えと相容れないものであっても「あ、それね。よくわかる!」「うん、確かにね」と否定せずに受けながすことができずに「いや、俺はこう思うよ」と言わずにいられないとすると、これは周囲から煙たがられてしまうにちがいない。
「何の努力もしないのに、それでいてモテたい、というのは虫がよすぎる。やはり、何かしらの努力は必要」(本書より)という内藤さん。では具体的に、どのような努力をすれば良いのでしょうか。
たとえば、相手と会話をする際に気をつけたいこととして、まずは話す相手に向かって自身の「ヘソ」を向けてみましょう。顔だけを相手に向けるのではなく、身体全体をその人に向けて話すことにより、好感をもたれやすくなるとのこと。実際にアメリカのクリントン元大統領なども実践していたそうです。
そのうえで、話す際には、身振り・手振りは大きく。「会話をしているときに手振りを交えて、大げさなアクションをしている人は、聞き手にも注目されやすく、話にも興味・関心を持ってもらいやすくなる」のだと、内藤さんは本書の中で指摘します。
そして重要なのは、会話において反論をしないこと。アドバイスや指導を受けたときには、「だって」などと口答えはせず、「はい」と元気に返事をして相手から言われたことを素直に受け入れる方が、人間関係は円満なものになるといいます。
それでも人と口論になりそうな、険悪な空気になったならば、勝負の土俵から降りてしまい、冷静になって「こんなバカバカしいことで、その人との関係が壊れてもいいのか」と自分に問うてみることをすすめます。
さて最後に、こうした人間関係を結んでいくためにも、まずは人脈を増やすことが必須となってきますが、それにはこの4月、5月が頑張り時。大量の新人社員が会社に入り、異動も多いこの時期に、積極的に初対面の相手に話しかけたり、飲みや遊びに誘い、多少体調が悪くとも、お金の持ち合わせが少なくとも、とりあえず飲み会やイベントに参加して顔を売ることが大切だといいます。