他人の不幸を願う人 (中公新書ラクレ)

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著者 : 片田珠美
  • 中央公論新社 (2015年6月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121505286

他人の不幸を願う人 (中公新書ラクレ)の感想・レビュー・書評

  • この方面を研究している人にとっては当たり前なのかもしれないが、現在起こっている事例を基に分析しているのは素人には分かりよい。

  •  「口を開けば批判ばかり」、「悪いニュースが大好物」、「過剰すぎる好奇心」といった特徴を持つ「他人の不幸を願う人」とは、具体的にどういう人を言うのか、なぜこういう人は増えているのか、自分がこういう人にならないためにどういう風に物事を考えればよいか、といったことについて述べた本。
     とにかく、読むと暗い気持ちになる本。「17世紀のフランスの名門貴族」である「ラ・ロシェフコー」という人のことばが何度も引用されるが、その中でも「親友が逆境に陥ったとき、我々はきまって、不愉快でないなにかをそこに見出す」(p.64)という言葉が最も印象に残った。(ドイツの詩人、シラーの「友情は喜びを二倍にし、悲しみを半分にする」(p.68)ということばとあまりにも対照的。)人間が本来的に持つ羨望に由来する、人間の「イヤらしい」部分をこれでもかというくらいに突き付けられる本。
     こういう攻撃的な羨望にまみれた人の特徴がいくつか挙げられているが、その「見分け方」の1つとして「何かの計画を話してみるといい。すぐさま、それを実現するにはどれほど多くの困難が伴うかを延々と話すだろう」(p.88)とあり、しかも「かなり強い『感染力』がある」(同)ということらしく、この辺は納得できてしまう。本当にイヤだなあ、と思いながら、おれはどの程度なんだ、と自問自答してみることになり、「さすがにここまでではないから、良かった~、世の中こんな酷い人いるんだ~、やだやだ」と思って安心してしまう時点で、既に自分よりも酷い人を見て安心する心理、というのが働いていると思うと、やっぱり嫌気がさしてしまう。おれも社会人になってから特にネガティブ思考で愚痴も多くて、周りの人を不快にさせたことも多い気がする。最近になって、ある種の諦めというか、年下の人であってもすごい有能で、この人おれよりも周囲に必要とされている人なんだなと多々思っても、おれはおれだし仕方ないか、とか、それ以外の部分で勝っているところもあるから大丈夫、とか自分で慰めて防衛規制できているように思う。それでもやっぱりネガティブ思考で人を羨むという気持ちは押さえられない時もあって、じゃあどうすればいいんだという「処方箋」を読んでみるが、そんなに説得力があるものでもなく、とにかく羨望がいかに厄介なものであるかということだけが強調されている。せいぜい、色んな事例に出てくるイヤな人を反面教師にすることくらいが本当の処方箋じゃないのか、と思えてくる。とにかく、「フレネミー」(「表面上はいかにも友達のようにふるまいながら、裏では敵のように行動する人」(p.182))にはならないようにしよう。(15/10/01)

  • 先日「幸せそうだから」という理由だけで家族を車で轢き、暴行を加えた男が逮捕された。人の不幸は蜜の味。しかし今では他人の不幸「だけ」を求める人があふれかえる。芸能人や権威者がトラブルを起こせば、その不幸を醜悪なまでに追及。犯罪があれば加害者だけでなく被害者まで晒す。不幸が「蜜」ではなく「主食」になったのはなぜ? 不幸を求める欲望の向かう先で何が起きるのか? 『他人を攻撃せずにはいられない人』の著者、精神科医の片田氏が迫る!

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他人の不幸を願う人 (中公新書ラクレ)の作品紹介

著名人の不幸は醜悪なまでに追求。犯罪があれば加害者どころか被害者までネットに晒す。なぜ不幸を求める欲望はこれほど増大したのか?他人の不幸が「蜜」から「主食」となった理由を人気精神科医が分析。隣の誰かも、あなたの不幸を願っている!?

他人の不幸を願う人 (中公新書ラクレ)はこんな本です

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