教えて! 校長先生 - 渋谷教育学園はなぜ共学トップになれたのか (中公新書ラクレ)

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著者 : 田村哲夫
  • 中央公論新社 (2015年11月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121505439

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教えて! 校長先生 - 渋谷教育学園はなぜ共学トップになれたのか (中公新書ラクレ)の感想・レビュー・書評

  • 自調自考、
    この学校は全くそれに尽きるのだけれども、自調自考を問われるのは生徒だけではない。
    教師も自調自考。
    そして、保護者も自調自考。
    そのことが、7章と8章に提示されている。

    シラバスは今や当たり前のものになってきているが、渋幕では早くから取り入れられている。
    面白いのは、学年によって構成がずいぶん違うこと。
    学年の担任団の自調自考が端的に表れる。
    「そりゃそうでしょう、入試選抜を経ても毎年違う生徒たちが入ってくるのだから。教える担任団だって個性がある。違って当然」と言う。

    そんな先生達をどう採用するかについても書かれているが、それ以前に、この学校 先生の数が多い。
    いわゆるレシオが高い学校ではなかろうか。
    例えば、帰国生対象の取り出し授業は全部外国人教師。もちろん彼らも一般生のクラスの授業も持つが、週に6時間全学年で取り出しを実施できるだけの人数を確保しているのだ。
    多様性をキープするには、数もまた重要な要素。

    5章、6章は親としても考えさせられる内容。
    武士道、茶の本、代表的日本人、必読ですね。

    田村先生はキホン的に昔話をされない。
    尋ねられれば答えてくれるが、昔のことは、昔のことを知る先生方から聞くことの方が多い。
    珍しく、4章では生い立ちを語られていて、田村先生なりの教育思想がどのように形成されたかを感じ取ることができる。

    40代で渋幕を新しく立ち上げたのだ。
    悔しい思いもたくさんしたことであろう。
    とにかくよく動かれる。
    孫の年代の生徒達を前に、各学年 年に6回だかの校長講話を両校で行う。
    学外での仕事も多い中、渋谷と幕張の両校で続けているのは凄い。
    生徒だけではない。
    保護者相手にも必ず出てくる。
    年に二回の地区懇談会。
    若くて時間があった頃は、町内会単位といってもいいくらいの規模で実施していたらしい。
    校長講話の中身に共感できない生徒でも、卒業するまでに、その姿勢からは何かを学び取っていくのだろう。

    あ、そうだ、
    学校は男女比1対1にしたい、と書かれていてホッとした。世の中、男女はほぼ1対1だもの。

    どうぞお元気で、まだまだご活躍ください。

  • ・Liberty の訳の語源が「自由自在」となったことから本来の持つ意味が誤って理解されるようになった。Libertyとはもとは自己決定、自分で決めることができる、自己選択が本来の意味。

    ・修学旅行は生徒の自主性を養うため、「現地集合、現地解散」を実施。

    ・公立校は水道の水、私立校は井戸の水。公立校は国と地方自治体が運営しているので、その誠実上、どの学校も均質・均等でなければならない。一方私立校は井戸の水のように、甘い水もあれば、苦い水もある。その人の口に合えば、それ以上おいしい水はない。口にあわないときは、これ以上ない悲劇といえる。ですから私立校の場合、その子の個性に合った学校に通うことができたら、目覚ましい成長を見せてくれることが多い。逆にそうでない場合は、生徒にとって重苦しいばかりの中学・高校生活になってしまう。保護者に「我が子にあう私立校をぜひ探してあげてください」と口を酸っぱくして言うのはそう背景があるため。進学実績にとらわれず、わが子にあった学校選びをぜひ実践していたたきたい。

    ・歴史を日本史と世界史に分けて、教科としている国は先進国では日本だけ。グローバリズム=国際化と訳すのはどうか。国際化というのは、国境があることが前提だが、グローバリズムというのは国境がない、あるいはあいまいであることが前提となっている。グローバリズムというのはこれから世の中で生きていくうえでの基本的な考え方であり、人間はこの中で生きていくことを余儀なくされている。これからの教育において、「国境がない時代に人間がどう生きていくべきか」を最優先課題とすべきだが、まだ日本はその対応がとれていないのが残念。

    ・父親として生徒に対する心構えとさして挙げていたのが「大きな耳、小さな口、優しい目」。子どもに接するときに話をよく聞き、あまり口を出さず、それに加えて優しい目で見守ってあげることが大事。とはいえ、やむを得ず口を出さないといけないときは最後の最後。将来の進路の話になると、自分の達成できなかったことを子どもに求めたり、自分の夢を子どもに託したりする父親・母親がいるが、思い通りにいかないと覚悟しておくといい。親として社会で生きているから、思うことは言うべきだが、子どもがどう受け止めるかは保証の限りではない。子どもには子どもの人生がある。

    ・家庭において子どもたちの日常生活、生活習慣がきちっと行われているかどうかが、その子の成長に大きな影響を及ぼす。それを取り仕切るのは母親だが、父親の協力がうまくいくための条件の一つであることは間違いない。

    ・子どもの学力と家計の収入に相関関係があると研究結果が話題になったが非常に説明が不適切だった。問題の本質は家庭の収入ではなく、「子どもが小さいころ、絵本の読み聞かせをした」「毎日子どもに朝食を食べさせている」「ニュースや新聞記事について子どもと話す」「家には、本がたくさんある」「親が言わなくても子どもは自分から勉強している」「子どもが英語や外国の文化に触れるよう意識している」「子どもが英語や外国の文化に触れるよう意識している」「パソコンでメールする」「美術館や美術の展覧会へ行く」「テレビゲームで遊ぶ時間は限定している」これらの項目についてYesの答えと学力は正の相関があった。家庭の収入が関係なくこれらをきちんとやっていれば学力が高いだけ。「携帯電話でゲームをする」「テレビのワイドショーやバラエティ番組をよく見る」「パチンコ・競馬・競輪に行く」「カラオケに行く」「スポーツ新聞や女性週刊誌を読む」の項目でYesの答えと子どもの学力は逆の相関関係がある。前者の家庭の収入が後者の家庭の収入より高かったのでセンセーショナルに取り上げられただけ。これらの項目はほとんどが生活習慣。この点は父親ととしてしっかり意識しておく必要がある。

    ・学力の基になる6〜7割は意欲。人間の能力にそう違いはないので、勉強に対して意欲的な人が結果を出すのは自明のこと。やる気とは広い意味での人間関係(友人・読書)から生み出されるもの。

    ・自分で考え自分で行動し、その結果に責任を持つ。それが自立であり、自立しているのが大人。

  • 千葉県に住んでいれば、「渋幕」の意味がわからない人はいないでしょう。
    「進んだ」高校がどうして実績を伸ばしていけたのかがよくわかります。

    そしてそれは同時に、「いままでに成功したやり方」であることも事実です。

    今日から先も、「これからの教育のありかた」を真剣に考えてリスクをとり、理解者を殖やしながら信念をもって進めていくことができる学校が、次の「進んだ学校」になれるのだと感じます。

    学校は、教員だけで作るものではなく、そこで学ぶもの、そしてそこに通わせる保護者、それぞれみんなのものであることが感じられるでしょう。

  • 新設校から全国屈指の進学校へと急成長した「渋幕」。女子校を共学化する学校改革に成功した「渋渋」。東大合格者数を急増させた両校のメソッドを校長が明かす。他方、受験勉強だけに特化せず、海外大学進学など、いち早くグローバル化に対応した学校運営や、自由な校風の下で個性を開花させる在校生・出身者たちの素顔を紹介する。

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