新・地政学 - 「第三次世界大戦」を読み解く (中公新書ラクレ 549)
- 中央公論新社 (2016年3月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121505491
感想・レビュー・書評
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混沌とした国際情勢に通暁した山内、佐藤両氏の「中央公論」の2015.8~2016.1に連載された対談をまとめた書。地政学的なものの見方の重要性を再認識。また、イデオロギーに隠されていたナショナリズムの台頭、ドイツをはじめとする欧州諸国やロシア、イラン等の狡猾さ、先の展望が見えない日韓関係など、国際情勢を考える際に参考となる点が多々あった。
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山内昌之氏と佐藤優氏の現代政治情勢対談シリーズの1冊。
地政学といえば地政学だが、紛争・問題点などを1章ごとに対談している形で、時期の旬を過ぎるとあまり意味がないのではと思った。
1章 ISと中東情勢 ロシアやアメリカやトルコなどの主要各国、中東各国の思惑が説明されている。
2章 ナショナリズムの深層(スコットランド、ウクライナ、沖縄)この後にイギリスのEU離脱も決まったが、世の中はグローバル化ともにナショナリズムが復権していることも視野に入れたほうがよいと思う。
3章 難民危機 シリア難民の受け入れ対応などによって、各国の思惑が見え隠れする。
4章 シリアのヨーロッパの対応、ロシアのリアリズム ロシアのリアリズム路線が存在感を増していることを書いている。
5章 中東の重視は石油の重視ということでもある。各国のエネルギー戦略が根底にあることの検証。
6章 対中、対韓、対露、「安倍談話」を巡る国としての歴史観についてなど
7章 世界史のリーダーシップ リーダーが必要な時代に必要な資質や能力とは。
ざっと読むのが良い本で、一つずつ検証するという本ではないような気がした。対談だといつものように読みやすい本だったとは思う。 -
安倍70年談話を再考したい
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素人としては何のことやら?という部分もあるが、地政学の話はなぜか引き込まれる。佐藤優さんならなおさら。最近頻発するテロの背景も少しは理解できた。
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地理、歴史の大切さがよく分かった。それとリーダーに大局観こわないといかに不幸かも。
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佐藤優先生と山内先生の対談。
佐藤優先生の言葉を借りると、日本が誇る最高レベルの知性が、圧倒的なコンテキストの知識を元に世界の流れを解説していく。
理屈が通っていて、そう考えていくのかと感心させられる。ISやロシアの外交政策が今の自分の世界に影響を及ぼしたとしても、自分にできることはないのだが、物事に大事な考え方や臨み方はとても参考になる。
ウイグルと中国におけるISの影響や、シーレーンにおける日本の海峡の重要性などは刺激的だった。また、沖縄における民族のテンションは我々本土の人間の皮膚感覚でははかりきれていない問題が潜在化していた。
最後の日韓問題、日中問題については、このれべるの知性を持ってしてもそう評価するのかと、面白かった。
なお、安部談話への評価や解説、各国からの評価は勉強になった。
ラストのリーダーに対する考え方は、ビジネスマンも重要視した上で修練しなければならなず、勉強になる。
流石佐藤優先生。