韓国はなぜ危機か (中公新書ラクレ)

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制作 : 豊浦 潤一 
  • 中央公論新社 (2016年6月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121505569

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韓国はなぜ危機か (中公新書ラクレ)の感想・レビュー・書評

  • 現地の新聞社が出版した物の翻訳版だったので手に取ってみました。
    最近の嫌韓本(読んだこと無いけど)とは、一線を画する物と思われます。
    韓国国内の知識人から見た現状なので、安心して読み進めて行くことが出来ました。
    自分は知らないのですが、韓国経済新聞って、日本でいう日経みたいな位置づけなんでしょうか。

    韓国を見ていると2年〜3年先の日本が見えると良く言われますが、具体的にどういう所がどんな風に見えるかが、この本を読み進めていくと想像しやすいと思いました。

    どちらの国も、一定の世界的な成功を収めた後からの失速感が、半端ない所が似ています。
    社会構造的には、どことなく社会を覆う窮屈な空気もそっくり。擬似監視社会的な閉塞感がある国からは、イノベーティブなアイディアなんて生まれてこないよな。とつくづく感じました。

    「こんなにオレは努力しているのに、なぜ報われないんだ」という思いは両国の庶民くらいの人に結構蔓延している思いなのかな。

    この本でも指摘されているけれど、「機会の平等」ばかりを重視して競争を敬遠する社会という部分も両国とも似ています。
    後は、「減点主義」と事実上の敗者復活戦が無い社会。一度のミスが人生を左右してしまう。例えば、新卒で正社員になれないと、そのまま非正規の労働者として市場に出るしか無いところや、役所の前例主義などそっくり過ぎて言葉がありません。

    数年前に初めてソウルに行った時に感じたことは、日本も韓国もまだまだ世界的には競争力がある分野や人材も多いんだから、もっと未来性を高く持てるようになると、先が明るくなるのではと思いました。
    その考えは、今も変わりません。

    信頼が足りていない社会は、希望の芽を摘む。日本も韓国もこの本を読んでしきりにそう感じました。

  • 「韓国経済、韓国社会が抱えている病は、政治、教育、労働など構造的な問題である」。韓国経済新聞は経済情報に定評のあるクオリティペーパー。そんな有力メディアが自国の「膿」をえぐり出し、警鐘を鳴らした話題作、待望の翻訳。一般市民5000人、識者400人へのアンケート、生の声も豊富。未婚、少子高齢化など、日本と共通の課題も参考になる。

  •  韓国本は玉石混合だが、中公なので大外れはないだろうと手に取った。韓国経済紙発行本の翻訳なので、そもそも日本の読者を一義的には想定していないようでもあり、読んでいて新鮮。ありがちな社会・政治評論のみならず、制度(人事聴聞会や国会先進化法)や構造的問題まで触れているので知らないことも多く、新たな知識が得られた。
     日本と共通する点・異なる点がそれぞれある。政治面では、閣僚の短期間での交代が少なくないのは日本と同じだが、閣僚以外の政府高官も連動して短期で異動するのは大統領制ならではか、大統領制5年単任制により政策が安定性を欠くというのも韓国特有の制度による。教育面では、創造的な人材を生む教育になっていないという指摘は日本と共通だろう。
     経済面はそもそも自分に予備知識があまりなかったが、三星に代表される韓国大企業の勢いがもてはやされたのは2008年頃の話、本書刊行の2015年現在では中国企業に追い上げられ、一方で最も革新的な部分では他の先進国に後れを取っているとのこと。また日本の報道では特に若年失業者・非正規労働者の悲惨な状況が取り上げられることが少なくないと感じるが、労組に守られた正規労働者への過保護の裏返しでもあるようだ。

  • 新聞の記者さんたちの書いた文章を日本語に翻訳したものだからなのか、私の理解力の問題なのか、さらっと読めるというよりは何回も読んでやっと「もしかしてこういうことかな?」と思えるような話が多かったけど、どのページを開いても常に話題と知識が豊富に詰め込まれていて興味深かった。個人の見解や意見ではなくしっかりとしたデータが並べられているので読んでいて信頼もできて安心して読み進められる。
    やっぱり言葉選びも新聞的で小題目もいちいちキャッチーで惹きつけられてしまう。いちいち「そのことについて知りたかったんです!」という気持ちになる。そしてその疑問がみるみる解消していく事に高揚した。
    2017年度版だしてくれ!

  • テレビでパククネ辞任求めるデモに圧倒されたが、
    ・ポピュリズムに走る国会
    ・大企業の労組(組合員は少ないが権力強い)
    ・成功を目指すより減点を恐れるシステム
    ・不信感が募りすぎて何でも抽選
    など問題は多いのだとよくわかった。でも若者の閉塞感は他人事ではない。「活躍できる世代に仕事が与えられていない」とは日本の30代40代にも言える。

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