さよならインターネット - まもなく消えるその「輪郭」について (中公新書ラクレ 560)

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著者 : 家入一真
  • 中央公論新社 (2016年8月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121505606

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さよならインターネット - まもなく消えるその「輪郭」について (中公新書ラクレ 560)の感想・レビュー・書評

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  • 前半は古き良きインターネットの話。作り手視点でのネット創世記の話ってあまり多くないので、懐かしさと共に楽しく読めた。
    「ネットは広大」であるはずだったけど、実は閉塞しているという話しは自分自身の体験としても思い当たることがあるし、後半に書かれていた閉塞感を打開する具体的な方法もそれぞれが自分なりの方法で実践しているのだと思う。

    自分のことでいうと、大量の情報から、意識的に入ってくる量を調整して、考える時間を増やしたいという課題があるので、紹介されていた「孤独な時間を作る」という方法を実践してみようと思いました。

    ぴーひょろろ、ばいんばいん、ざー

  • インターネットがどう発展し、その結果一人ひとりの中にある世界がどうなったのか。
    インターネットが拡げるはずだった世界は、今インターネットによって狭められている。
    インターネットが狭めた世界からいかに飛び出して、インターネットがまだ秘めているポジティブな可能性をどう掘り当てるか。

    ネットの流行を後追いしてきた自分にとって、ネットの最先端を進んだ家入さんの視点や指摘は新鮮で、かつ自分にとっては説得力を持っている。

    そして、やはり家入さんの優しさがにじみ出る一冊だった。

  • ずいぶんとインターネットのお世話になっています。
    ネットのない生活なんて、もはや考えられません。
    私がよく利用したり見たりしているのは、フェイスブック、ライン、ブログ、本のレビューサイト、ニュースサイト、好きな作家のコラム、ゲームアプリ、ユーチューブ、深夜に見る××といったあたりでしょうか。
    ただ、ふと、こんなに長時間、ネットと関わっていていいのかな、と疑問に思うこともあります。
    自覚があるだけ、まだマシかも、などと自分を慰撫しています。
    それは42歳の自分の人生の前半生がまだ「アナログ社会」だったからかもしれません。
    そんなことをつらつら考えていたら、たまたま新聞の書評で本書のことを知りました。
    家入さんはネットサービスを利用した実業家で、その道の草分けと言ってもいい方。
    2年前の東京都知事選にも出馬しているので、ご存知の方も多いかもしれません。
    私なんかとは比べ物にならないほどインターネットの草創期からどっぷりとネットに浸かって来た著者は、ネットがかつてのような自由さや大らかさを失ったと主張します。
    その要因は常時接続、無線接続、IoT。
    もっとも、今の若い人に常時接続や無線接続といっても、「え? それって当たり前じゃないの?」という答えが返って来るのが関の山かもしれません。
    そう、おじさんが学生だった20年前は、電話回線を通じてインターネットにつながっており、ダイヤルアップで自らネットに接続しなければならなかったのだよ。
    ピーヒョロロ…なんていってね。
    もちろん、パソコンでの話で、当時の学生の間ではPHSさえ持っている人が珍しく(私は持ってました。えっへん)、まして携帯電話なんて高嶺の花、スマホなんて見る影もない時代でした。
    著者も本書で懐かしく当時を振り返っています。
    「当時ネットを使うときは、有線でつながったパソコンの前に座り、『インターネットをこれから見るぞ』という意識を持ったうえで、接続していました」
    本当にそうです。
    当時の私にとってインターネットは「非日常」、画面の向こうに私の知らない世界が広がっていると思うとワクワクしたものです。
    ちなみに卒業旅行のために貯めていたお金で、マッキントッシュのデスクトップパソコンを買いました。
    今振り返れば、卒業旅行に行けば良かったかも。
    というのはどーでもいい話です。
    翻って今のインターネット環境はどうでしょうか。
    著者は常時接続が当たり前になった結果、インターネットの「輪郭」が解けてしまったと指摘します。
    つまり、日常と非日常の境目がなくなったというわけですね。
    不用意なネット上での発言で炎上するだけならまだしも、ネット上の「警備員」と化したネット民から個人情報が暴露され、実際の生活にまで支障をきたすなんて例も枚挙にいとまがありません。
    本書を読んで、私が怖いなと思ったのは、パーソナライズ化という流れです。
    SNSやニュースキュレーションアプリなどを使い続けると、パーソナライズされて自分の趣味、嗜好に合った書き込みや情報ばかりが流れるようになるそうです。
    つまり、別の見方や批判的な意見があっても、インターネット上では目に入らなくなってしまうのです。
    ヘイトな言動が横行するのも、こうした現在のネット環境と無縁でないかもしれません。
    著者は、「今のインターネットを俯瞰すれば、誰もが顔なじみの田舎者のような感覚を覚えます」といいます。
    かつてのようにインターネットは開かれた世界ではなく、閉じられた世界だというのですね。
    「かつて『インターネット的』と定義されたあらゆるものは、もはや『エクスターネット的』と同義だと思うのです」という指摘は、示唆に富んでいます。
    著者は、ですから、敢えてインターネットの外に出ようと呼び掛けます。
    寺山修二が「書を捨てよ、町へ出よう」と呼び掛けるのと同じ文脈でしょう。
    たとえば、ふらっと一人で居酒屋へ行く、電車の中で周りを観察して観察日記を書いてみる、書店へ行く、何より孤独に浸る。
    私は週末、天気が良ければキャンプに行く予定です。
    スマホを家に置いて出掛けたいと思います。

  • まさにブクログが著者発信のサービス!読んでびっくり!お世話になっています。
    自分も家入さんと同じインターネットに救われたクチ。
    こうやって家入さんに言われないと、昔当たり前だったことをすぐ忘れて自分も時代に同化してしまう。非常に懐かしい気持ちで読んだ。
    この本の収穫は当時を鮮やかに思い出せたこと。JUGEMとか使ってたー!なつかしー!あの頃交流してたらいむや砂影さんは元気でいらっしゃるだろうか。あの頃、ひきこもりがちだった私と交流してくれた名前もしらない人たち・場所に改めて感謝。

  • 家入さんって、文章は上手くないね。でも、ところどころとても共感できるところはあった。

  • インターネットがワクワクするものではなくなってきている、むしろ人と繋がることが面倒になってきている、といったSNSの負の側面などを指摘。

    輪郭がなくなっている→輪郭を取りもどすには?という独特の観点からとらえたもの。

  • それは、私たちの生活を変え、仕事の仕方を変え、恋愛を変え、つながり方すら変えて、もはや日常に溶け込んだ。失われつつあるのは「インターネットの輪郭」だけでなく、「私たちの自信の輪郭」でもあるのかも。様々なものとの付き合い方を考えるのに、いい機会をくれた一冊。インターネットの変革を見つめてきま世代の人はもちろん、インターネットが苦手な世代の人も、インターネットとともに歩んでいる若者たちも、ぜひ読んでみて欲しい。読み終えてみれば、叙情的なタイトルもしっくりくる。

  • これだけインターネットは普及したのに、パソコン用のものはほんとになくなってしまうのでしょうか。疑問です。

  • インターネットサービスで一世を風靡した著者が、そのインターネットによって救われた一方で、近年は息苦しさを感じてることを記した一冊。

    著者自体、常にIT業界の最前線に立っているだけあって、説得力があった。

  • 「さよならインターネット」という叙情的なタイトルが付けられた本作は、日本のインターネット黎明期に青年時代を過ごした一人の”山師”(敬意を込めながてこの呼称を付けさせていただく)が、日本におけるインターネットの変質とそれを超えて我々がどのようにインターネットと接するべきか、もしくは接しないべきかという点をまとめた論考である。

    著者と僕は5歳違いであるが、自宅のPCから常時接続のインターネットに触れたとき(僕の場合は高校3年生のときだった)の興奮や感動の体験は共通している。そこでは、ブラウザを通じて能動的にアクセスすることで、自分の知らない世界に触れることができたわけだが、現代のインターネットはむしろ当たり前にそこにあるものであり、能動的にアクセスするという世界ではない。そうした変質と同時に、そのように明確な輪郭が失われたインターネットは、炎上やプライバシーの問題など、必ずしも僕ら世代がインターネットに触れたときのような純粋な感動のみを与えてくれる存在ではなくなってきているのも事実である。

    こうした現代において、著者が主張するのは、「エクスターネット」的とも呼べる、インターネットの外や、インターネットの中にいながらもレコメンデーションロジックやSix degreesの関係性を超えたところへアクセスすることの重要性である。そして、インターネットの中でも外でも可能な生き方として、情報や人のハブとなり、新たな価値を生み出す場として、自らを「プラットフォーム」化させることの楽しさが説かれる。

    これまで触れてきたインターネットの意味合いが自分にとって何なのか、そしてこれからどのような存在であったほしいのか、ということを自分なりに考えさせてくれる機会を与えてくれた一冊であった。

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