オックスフォードからの警鐘 - グローバル化時代の大学論 (中公新書ラクレ)

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著者 : 苅谷剛彦
  • 中央公論新社 (2017年7月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121505873

オックスフォードからの警鐘 - グローバル化時代の大学論 (中公新書ラクレ)の感想・レビュー・書評

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  • 大学ランキングというものの本質が、
    著者が言うように欧米の一部の有名大学による「外貨獲得」を目的にした、
    留学生獲得(主に中国、韓国、東南アジアの裕福な学生)にあるのなら、
    いったい、日本の大学が行っているグローバル化とは何なのだろうか。
    世界の有名大学と肩を並べる大学になる必要性があるのか?
    ランキングのルールや評価基準を制定しているのがイギリスなら、
    圧倒的にイギリスの大学や英語が母国語に所属している国の大学が有利だろう。

    そのランキングの上位に入りたいがために、行う改革とは、
    果たして、有効なのだろうか?日本の大学のグローバル化は、
    ①国際ランキング(欧米の価値基準で)100位以内に10校をランクインさせる。
    ②英語による授業、卒業までに半数の学生を留学させる。
    ③外国人留学生を2割上限にする。

    これって、グローバル化なんだろうか。
    日本人の英語力のなさは、折り紙つきだし、
    今更、英語力つけようとすることに何か意味があるのだろうか。

    世界大学ランキングを上げることが非常に重要と思い、
    様々な改革を行うが、ランキング自体に公平性はない。
    初めから、欧米の大学が勝つように仕組まれているゲームだと思う。

    あるのは、絶対的不利。
    関係者は、そのことを薄々知っているが、改革を断行するしか道はないと思う。
    まさに「なんとなく、そういう空気がある」で決めている。
    本当に馬鹿げていると思う。結果は予想するより明らかであろう。
    ランキングも上がらないし、さらなる大学の教育の荒廃を招くだけである。
    教職員はさらに疲弊し、学生はさらに、学習を拒否するようになるだろう。

    今の大学のグローバル化は、ほぼ確実に負けるとわかっているのに、
    わざわざ莫大なコストをかけて行っている。
    本当に理解不能である。

    最後に、著者は、非常に丁寧な警告をしているが(本当のエリート的行為だと思う)、
    元東大教授で、日本での生活が約束され、それでもイギリスの名門大に渡ってまで(競争がもっと激しい場所)、
    日本の大学へ警鐘を鳴らさなければならないほど、日本の状態は危機的なのだろう。
    日本は大学のみならず、急速に社会全体が衰退していっている。
    その中で猫も杓子も「グローバル化」に活路を見出すのは、安易すぎる。
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  • 本書は既出の原稿をとりまとめたものだった。無理に各章のつながりを求めなくてもよい気がする。表題ありきの書籍編集側の商業的アイディアだろうか。とはいえ、読み手側で重要な知見と考えられるエッセンスは十分に抽出可能である。いかにいくつか引用した。それらは著者にしか指摘できない点が多い。また、SGUという和製英語の奇妙さを指摘した解説はやや赤面ものだった。ただより重要なのは、大学のランキング評価の結果から、大学の社活動の国際的な「遅れ」を導出し、一般の産業と同様に「追いつき型近代化」(p.202)を主たる問題解決の方法にしてしまっているという指摘である。

  • 日本語という特殊言語に守られている日本の労働市場、大学。日本にしかできない付加価値研究を、のくだりでニッサン現代日本研究所が名前だけ出てきた。もう少しその辺を知りたいと思ったので、次はこの研究所や近大とかについての本を読むぞ。
    企業やOBの寄付をもっと募って産官学で頑張るのが良さそう。

  • アメリカやイギリスの大学ランキングには日本の大学がほとんど入っていないので、頑張らない世界から取り残される、という話から始まるが、最後は、ランキングに振り回されずきちんと将来を見据えて改革していって欲しい、という話で終わる。
    グローバル化や多様性は必要なのか?4年生が行わなければならない就職活動、横並びの就職、そして企業の側の意識など、様々な視点から、日本の大学のあり方に警鐘を鳴らしている。

  • スーパーグローバル大学を切り口にした大学改革政策の批判と、イギリスにおける高等教育政策の対比が描かれる。最終的にはグローバル化ではなく、内部の参照点を重視した地道な大学の改善政策が望ましいとの指摘。 それこそ、中教審の将来構想部会とか苅谷先生にメンバーとして参画してもらいたいところ。

  •  日本の大学のグローバル化が叫ばれ、英語による授業などが叫ばれているが、オックスフォードや欧米の主要大学は、そもそも外国人の優秀な学生が多く集まり、今ではそれが院ではなく、学部に及んできているという。オックスブリッジ、米国の主要大学が国家の成立前から存在し、国家人材を育ててきたという歴史の前に、明治から国策で大学を作ってきた日本との歴史の違いを感じる。英国の大学でなんと1.4兆円の外貨を毎年稼いでいる。それが、EU離脱によりどのように展開していくのか、英国の衝撃の大きさが分かる。本当の意味でのグローバル化は、外国から優秀者を集めるべく、世界の有名大学と競い合うことなのだけど!を痛感する。世界大学ランキングは欧米(特に英国)の外貨稼ぎのマーケティング戦略によるところが大きく、それに振り回される日本の愚。それが、「日本の欠如理論」によるものとの指摘は極めて説得性があった。

  • 東2法経図・開架 B1/5A/587/K

  • 本の内容に統一感がないと感じていたが、末尾を読んで納得した。書き下ろしではなく、これまでの寄稿を再編集したものである。最終章の欠如理論のみ参考になった。

  • 苅谷先生らしく、データを駆使して、この国の高等教育改革の「中身の薄さ」について警鐘を鳴らしている。アクティブラーニングはよいけれど、受講すべき授業が多すぎるとのご指摘はそのとおりです。

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オックスフォードからの警鐘 - グローバル化時代の大学論 (中公新書ラクレ)の作品紹介

ワールドクラスの大学は「ヒト・モノ・カネ」をグローバルに調達する競争と評価を繰り広げている。水をあけられた日本は、国をあげて世界大学ランキングの上位をめざし始めた。だが、イギリスの内部事情を知る著者によれば、ランキングの目的は英米が外貨を獲得するためであり、日本はまんまとその「罠」にはまっているのだという-日本の大学改革は正しいのか?真にめざすべき道は何か?彼我の違いを探り、我らの強みを分析する。

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