陰翳礼讃 東京をおもう (中公クラシックス (J5))

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著者 : 谷崎潤一郎
  • 中央公論新社 (2002年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121600233

陰翳礼讃 東京をおもう (中公クラシックス (J5))の感想・レビュー・書評

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  • 谷崎潤一郎というと『春琴抄』や『細雪』が有名であるが、この『陰翳礼賛』は建築家を志すものにとっては 必読書らしい。日本のみならず外国の大学生にも読まれているとの事。時代を経ても今尚支持されている点は本書の中にある『日本人は陰翳の秘密を理解し、光と翳との使い分けが巧妙で、それが特別にしつらえている訳でない点にある・・・』と言っているところではないか。普段何気なく見ている床の間の床や障子越しに入ってくるやわらかい光は 日本ならではの情景で、あまり気にかけてはいないが、このような場面に日本の美というものが存在するのだと改めて気づかせてくれる。序文はむつかしそうなのかと思いながら、読み始めてみると文豪の日本文化の美の洞察力の深さに感動しつつ読み終える事が出来るエッセイである。

  • 収録されている『陰翳礼讃』他、一編のみ読了。
    江戸が東京に移り変わる時に生まれ、育った人なのね……。

    日本の建築について論じているかと思ったが、全く違った。 

  • 「返す返すも東京は消費者の都、享楽主義者の都であって、覇気に富む男子の志を伸ばす土地柄ではない」 ー 407ページ

    現在の東京が果たして依然としてこの通りであるのか、あるいは東京のどの部分がそうで、どの部分がそうではないのか、ちょっと考えてみる必要はあるとはいえ、確かに色々なものが埋め込まれすぎていて、自分が埋もれてしまうという感覚はこの時代にもあると思う。

    アウトプットに大事なのがインプットというのは勿論そうで、人という意味でも場所という意味でも情報という意味でも、東京に良質なインプットがあるというのはおそらく正しい。僕がまともにちゃんと1年以上住んだのはせいぜい東京と横浜、それから留学してたニューヨーク(の田舎)くらいだが、その中では明らかに東京の情報量は高い。

    ただ、アウトプットをするためにはそれとは別に仕組みをつくる必要があるのは必然で、いい意味での孤独を、精神的に疲労していない状態で――ここがおそらく重要なのだ――、確保しておく必要がある。その時、情報量の多寡が精神的疲労につながってしまっているのだとしたら、それは宝の持ち腐れだし、おそらく宿主たるその人までをも腐らせてしまうことになるのだと思う。

  • 審美眼とは良いものに触れる時間を増やすだけでなく、その背景、知識や経験に裏打ちされるということを感じた。また、土地がわれわれに及ぼす影響についても知らず識らず受けているのだということを実感させられた。
    この本では、芸術に対する視座だけでなく、日本、関西、東京の地域性、について、その当時だけでなく現代にも引き継がれているあまりにも当たり前すぎて疑問にも思わなかった思い込みを明らかにしている。女性についての芸術での取り上げられ方についての考察は目からウロコだった。
    また、人はその土地からの影響を必ず受けるということを改めて思い知った。ネットが広まったことでグローバル化が進んだということも言われるが、以前としてその土地からの影響も大きい。それはその人の価値観を変える力をも持ち得る。
    この本を読んで感じたのは、思い込みの恐ろしさである。そしてありのままを見るココロと常に対話できる謙虚さが必要だと思った。

  • 恩師からオススメされたので

  • 陰翳礼讃のみ読了。日本文化に根ざす影、陰、暗、闇、の重要性を説く。衣食住と生活の隅々にある小さな輝き、これはすっかり照らしてしまっては見えなくなってしまう類のものであって、周囲の陰翳を強調することで逆に輝きを増す。いや、輝きを強くしては台無しで、その仄かで果敢ない覚束ない一縷の灯りこそが我々の心を落ち着かせる本当の美である、と。なるほど強く明るく輝く光はトゲトゲしくて眼にも心にも刺激が強い。

  • 文豪による日本建築/文化の考察と、それが去りゆこうとするのを辛く評した一冊。
    谷崎おじいちゃん、きっと今生きていらしたら大変。雨音や木の葉が落ちるのに耳を澄ます、心地の良い静寂を体験できる機会はそうそう無くなっているし、陰翳を楽しむこともなかなかありません。
    光より陰。白より生成り。新しいものより古いもの。日本人の美意識を美しい文章で読み解ける内容です。

  • 「光から陰へのグラデーション」ーーガイアの夜明けにて外国人デザイナーが教科書として読んだとのことで登場。
    上の言葉は彼がこの本から受け取った『日本の美しさ』。

  • 文章は美しい。
    内容はありがちな日本文化論。

  • 谷崎潤一郎の後期の作品をまとめた本です。

    今の時代なら妄想型ブロガーっぽい作品ばかりだけど、どの作品も現代において色あせていません。
    読み応え十分です。

    - 陰翳礼讃 -
    日本独自の文化に目覚め、消え行く意匠にどれだけ価値があるかを熱っぽく語っています。
    思い込みが激しい右傾化したオッサンの寒い発言にも読めますが、時代背景を確認しながら読むと面白さが増します。 

    それから、この本には谷崎潤一郎の解説もついているので、彼のバックグラウンドと対比しながら読み進めるのも乙です。

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