大衆の反逆 (中公クラシックス)

  • 238人登録
  • 3.69評価
    • (19)
    • (21)
    • (43)
    • (1)
    • (0)
  • 19レビュー
著者 : オルテガ
制作 : Jos´e Ortega y Gasset  寺田 和夫 
  • 中央公論新社 (2002年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121600240

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ウィトゲンシュタ...
ドストエフスキー
エーリッヒ・フロ...
三島 由紀夫
有効な右矢印 無効な右矢印

大衆の反逆 (中公クラシックス)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • タイトルから受け取るイメージとは裏腹に大衆というものがいかに無責任で無知であるか、そしてその大衆が今国の中心になってしまっていることの恐ろしさを指摘した書。1930年に書かれた作品なのですが、驚くほど現代そのものだと思った。

    権利や自由があらかじめ用意された世代に生まれたわれわれはそれが空気と同等であるかのように扱い、感謝するということをせず(自然物であるかのような扱い)、義務も遂行せずに、ただひたすらに権利権利を叫びたてる。

    現時の特徴は「凡庸な精神が、自己が凡庸であることを承知の上で、大胆にもその凡庸なるものの権利を主張し、これをあらゆる場所に押し付けようとする点にある」とオルテガは主張する。

    その延長線上に、「サンディカリスムとファシズムの相の下に、はじめてヨーロッパに、理由を述べて人を説得しようともしないし、自分の考えを正当化しようともしないで、ひたすら自分の意見を押し付けるタイプの人間がでてきたのである」

    この二点だけとってもオルテガが主張する「大衆」というもののおろかさが分かると思う。

    なんだか最近のニュースを見ているととってもうなずける。

    更に、現代のほうが前世紀よりも技術も環境も整備されているのに幸福感が少ないのは、「時代は他の時代より上だが、自分自身よりは下だ」と書かれている「時代の高さ」という章に大きくうなずいた。

  • 内田樹先生が度々引用されている御本なのでいつかは読んでみなくてはと本棚に用意してあった一冊。立憲主義の破壊に扉を開いた参院選前に読んだというのも何かのお導きなのだろう。いや、俺が求めていたのか?
    国家って様々な形があって、生き物みたいにうごめいているもんなんだなぁ~と思った。立憲主義や民主主義って言っても、ある政治形態に名前をつけただけで、実際に営まれている政治過程は複雑怪奇でよくわからない。
    僕らが国家の構成要素だということは、否定しがたい事実だけれども、階層性の論理から言うと階層下位にある国民は、階層上位にある国家の活動を制御しようがないのだろうな、とふと思った。
    それは、決してあきらめとか自棄とかではなくて、だからこそ、精一杯生きていきたいなぁ~という希望を含んだ気持ちです。

  • 大衆の中にいると、大多数のうちの1人という安心感から、自分を疑わなくなる。

    議論から逃げ、暴力やクーデターに走ろうとする。

    自分の中の知性を磨くことこそが重要。

    ってことかな?

    難解でした。

  • 未読

  • ここ最近ライトな本に逃げている自分がいたので、久しぶりに難しい本を読んでみた。

    タイトル的に今までの独裁主義、封建制度が崩れて大衆の時代が来たのだあああああ新世界の夜明けやあああああ

    みたいな話かと思ったらまったくもって真逆だったwww俺の乏しい読解力の中で理解したのは以下のとおり。

    今まで国、大衆を支配していたのは優れた才能、能力がある、もしくは優れた才能、能力を得ようと努力している人間だったのに、民主主義の名のもとにいまやなんの才能もなければ努力もしてない、むしろ積極的に凡庸な大衆という立場に甘んじてる無能が支配的な立場にあることに対して警鐘を鳴らしていて面白い。そもそも優れた文化、芸術、学問、技術は常に一部の才能豊かな人間によって作り上げられてきて、大衆という名の凡人共はその恩恵を受けているだけだったのにいつの間にお前らそんなに偉くなったと勘違いしてるの?なんなの?そもそもお前らなんで生きてんの?お前らの生きる意味ってなに?っと大衆に対する警鐘から大衆の「生」に話が展開されていく・・・はず。

    ただしこの「生」については残念ながら俺の国語力ではよくわかんなかったwwww

    しかし、今から100年くらい前に書かれている本なのに既にこの時代に今で言う欧州連合が将来できることを予想しているオルテガちゃんはなかなか賢い。

  • 密集という事実

  • 自分が大衆人だということは分かった。

  • 向上心が湧く本。
    自分に高い課題を課せる者だけが、エリートになれる。

  • 19世紀のヨーロッパが、まさにいまの、21世紀の日本の状況に酷似しているという衝撃。僕たちはこれから、どんな未来を選択してゆけばいいのだろう…。

  •  本書の内容がはじめて発表されたのは1926年、マドリードのある新聞だ。80年以上前に書かれたものであるにもかかわらず、(あるいはそれ故に)これは現在の日本にぴたりと当てはまる分析ではないかと思ってしまう箇所が少なからずあったことに驚きの念を禁じえないとともに、ヨーロッパではじまっていたことが遅れて日本で起こっているのかもしれないとも思った。

    (以下引用) 

     要するにわれわれの時代の高さとはいかなるものだろうか?

     現代は、あらゆる時代の絶頂ではないが、しかし、自分があらゆる過去の時代よりも上にあり、知られている限りの頂よりもなお高いところにあると感じている。われわれの時代が自分自身について抱いている感じをまとめるのは容易ではない。つまり、われわれの時代は他のあらゆる時代よりもまさっていると信じながらも、それと同時に自分が新しい時代の始まりだと感じていて、しかもそれが末期の苦悩でないことに自信が持てずにいるのだ。以上をどういうふうに表現したらいいものか?たぶんこんなものになるだろう。すなわち他のあらゆる時代にまさりながら、自分自身には劣っている時代、非常に強いが、それを同時に自分の運命には確信がもていない時代。自分の力を自慢しているが、それと同時にその力におびえている時代。それがわれわれの時代である(p79)

全19件中 1 - 10件を表示

大衆の反逆 (中公クラシックス)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

大衆の反逆 (中公クラシックス)の単行本

大衆の反逆 (中公クラシックス)の単行本

大衆の反逆 (中公クラシックス)のKindle版

ツイートする