- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121600516
感想・レビュー・書評
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一回目に読んだときはちんぷんかんぷんで何が面白いのかさっぱり分からなかった。今回再読して、やっぱりさっぱり分からないのだけど、これがものすごく面白いということだけは分かった。フッサール、ヤスパース、レヴィナス、カント、ヘーゲルとぐるぐる回って再びハイデガー。存在とは何かをぐるぐる考えさせる。次は第二巻。
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存在の意味への問いが、いかにギリシャ哲学から現在的・事物的に捉われ、適切に問われなかったか。カント図式論で限りなく迫ったそのあらゆる学問の基礎的な問いを、現存在から現象学的に分析する。
事物的・道具的存在の配慮的気遣いによる適所性から、現存在の世界と空間性を捉え、デカルトの科学的主体と世界観がいかに人間を数的に扱い、その把握に限界があるかを批判する。
また、日常的な在り方において、常に既に無責任で流される世人である共現存在が、固有の現存在として暴露されるために、顧慮的気遣いによって、世界と関係づけられた本来性を取り戻すことが示唆される。
プラトン・アリストテレスのギリシャ哲学はもちろんのこと、デカルト・カントを批判的に乗り越え、キリスト教神学を匂わせつつ、人間の基礎的な問いに挑戦していて非常におもしろい。人間やハンマーなどの日常的な具体例を挙げ、抽象度を高めて現存在・道具的存在などと言い換えており学問的な術語になっているが、語り口は丁寧で、重要なことは繰り返し換言し説明されるので、何が言いたいのかは捉えやすい。言い回しは難解だが、自己≒現存在から始めることからもわかるとおり、問いそのものはとてもシンプルで、「人間はどのように生きるべきか」を真正面から問うたものと読むことができ、現在でも全く色褪せない書物となっている。 -
読むのに1ヶ月半かかったが、全く理解出来ず、記憶にも残らず。
途中、あまりの分からなさに機嫌を損ねたほどである。
さらに再読するとますます分からないところが増える。
でもちょっと面白くなってきてるから、もう少し頑張ろうと思う。 -
哲学
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原書を読むときには、指示代名詞を明らかにしてくれていますので大変参考になります。しかし、翻訳の日本語を単独で読むには辛いように思います。この本の元になった中央公論社の「世界の名著」では、ほとんど意味不明でした。この翻訳だけ読んで理解できた方の日本語読解力は素晴らしいレベルだと思います。ようやく第1巻が終わって第2巻に入ったところ。
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tst
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[ 内容 ]
[ 目次 ]
序論 存在の意味への問いの開陳(存在問題の必然性、構造、および優位;存在問題を仕上げるときの二重の課題―根本的探究の方法とその構図)
第1部 時間性をめがける現存在の学的解釈と、存在への問いの超越論的地平としての時間の究明(現存在の予備的な基礎的分析(現存在の予備的分析の課題の開陳;現存在の根本機構としての世界内存在一般;世界の世界性;共存在および自己存在としての世界内存在―「世人」))
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[ 参考となる書評 ] -
すでにいくつかの種類の翻訳を持ってたけど、買ってしまった。世界の名著を改訳し、さらに注も新しく付けてあるというので購入。2巻と3巻も同時に。どうせ一気に読むことはないので三巻本というのはありがたい。