- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121600547
感想・レビュー・書評
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キルケゴール。高校の倫理の時間に軽く学んで以来とっても興味があったけど、なかなか手を出せずにいました。このたびいよいよその著作に目を通しとても感銘を受けました。あらゆるシチュエーションでの『絶望』というところから、神と出会うことの重要性を説きます。明らかな教化的著作だけども、哲学書としても一流だと感じました。巻頭にキルケゴールの生涯を簡単にまとめたものがついています。その中で「キルケゴールほど、その人生と思想とが肉薄している人物も珍しい」とありましたが、まさにその魂の哲学だったのだと感じます。更に読み進めていきたいです。
09/5/17 -
死にいたる病とは絶望なんだー!絶望先生ーー!!!!
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個人心理学としても有名なアドラー心理学と「個人」の指す意味は違えど趣旨はかなり近いように思う。
結局は「未来を諦めず、過去に固執せず、自分の限界を見抜きながら今を生きる」という趣旨と解釈した(信仰云々に関して除けば)。 -
情熱のない時代に生まれてきた現代人たちへ
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教化的な文体からは私たちの脳髄にじわりじわりとメッセージを刷り込む意図が感じられる。絶望とは祝福でありつまずきでもある。絶望なくして人間の生を高めることはできないし、それを避けることはすなわちキリストから逃れることを意味する。そしてやがて死に至るのである。ここでの問題は人間が神を信じているのかどうかではない。絶望をうまく乗り越えるための精神を持ち合わせているかどうかである。ここで言う絶望は私たちが思っているほど狭いものではない。絶望は人を矛盾のスパイラルに陥れ苦しめるものでもあるし、一方で神に対して敬虔であるが故により苦しむ種類のものもある。
問題はこれからの時代に合わせて私たちの信仰の形態が変化しているということである。ソクラテスは無知の知を説いたが現代ではそれだけでは不十分である。無知の知は決して無知である状態から脱出しようとはしていない。それはある意味では七つの大罪である怠惰にあたる。もちろん人間である以上は如何なる博識でも無知は免れないのである。しかし、ソクラテスは「人は知識を持っておりながら不正を行い、正しいことについての知識を持ちながら不正を行う」という事実を隠している。そのように、私たちは理解しなければならないのだ。決して立ち止まってはならない。その瞬間につまずきは訪れるのだから。 -
一言で言うなら、「自分病」か?
現代社会の大衆的平均的な人間の在り方については、百年経った今でもそれは顕著だと感じる次第。 -
哲学は、時代や場所・人種の区別を超えて、言葉のみを用いて「死」を解き明かそうとする試み。そう定義するのなら、キルケゴールは間違いなく哲学をしている。見た目は、気弱な文学青年のような容姿と雰囲気だが、この著書で書いたものには、それとは真逆の力強さと潔癖さがあった。
保証や予測もつかない未来に、自分の全てを放り投げろ。そうしなければ、熟慮と反省の檻から抜け出すことができず、絶望のうちにとどまり続ける。祈りは、己を放下する境地でこそ意味をなす行いだ。それ以外は、全て冒涜でしかない。
見返すたびに、そこから何かを持ち帰れるような、良書です。 -
挫折…した
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すげーむずかった
なんだか脳と目の筋肉がついた気がする
そういう意味でお勧め