マグレブ紀行 (中公新書)

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著者 : 川田順造
  • 中央公論新社 (1999年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121702463

マグレブ紀行 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 日ごろ政治的な視点でばかり見ているので人類学的視点が自分には新鮮だった。加えての歴史的視点に著者の博学ぶりがいかんなく発揮されている。やや古い文体だけど北アフリカの街や村の雰囲気が伝わってくるような不思議な筆致。読みながら頭の中でずっと映画「アルジェの戦い」のあの不思議なドラムを叩き続けるような音楽が流れ続けていた。復刻・再版が重ねられているのも納得の一冊(2007年復刻版再版にて読了)。

  • 内容が古いので、旅した部分の
    情景はもはや古い、というのは
    仕方のないことでしょう。

    ただし、宗教のところは
    参考になるように思えます。
    どうして、同じ人間なのに関わらず
    無益な敵対心を燃やすのか。

    確かに文化の違いもあるのですが、
    きっとそれらはある種の優越感が
    あるからのように思えてなりません。

    他にも、マグレブの子供たちのところも
    興味深かったです。
    どこか、違うんですよね。

  • サハラ以南のアフリカ研究の第一人者である川田氏ならではの、ブラックアフリカから見た、文化人類学者から見たマグレブ。実際の紀行と著作は1969年(紀行)〜1971年(連載)だから、今とはタイムラグがあり、そこがまた貴重な証言にもなる(冒頭のアルジェリア解放戦争直後の様子とか)。この本読むと、マグレブと西アフリカって同根の文化で後にサハラの乾燥とともに異なる発展をしたのではないかと、少し思う。第1章はアルジェリアのオアシス、第2章はチュニジア、第3章はモロッコ、第4章はモロッコの続きとポルトガル・サグレス岬(この章は他より多く紀行とは離れた記述が多い)。

    コミュニケーションの発達や技術文明の一様化と進展の加速とは、同時に、かつての共同意識や合意の崩壊、上位集団からの下位集団の、集団からの個人の離脱や世代間の断絶をおしすすめ、うわべの画一化の流れの底に、無数の渦巻きをつくり出しはじめている。
    近代的な意味での国家を忠誠の単位として、敵味方のはっきり分れる戦争の時代は終り、なしくずしの亀裂と反乱の中で、人類は新しい共同体を模索しつづけるだろう。しかも、社会の統合の規模が大きくなるにつれて、抑圧や疎外に対する部分社会の反乱が、ますます根を深くし、拡がってゆくことは、まちがいない。(p109〜110)

    ちょいと長めの引用だけど・・・なんだか2011年の今の自分の気分として持っていて、しかも自分が言葉になかなかできなかったことを40年も前に書き記していたことに驚く。渦巻きを認めようとしないごく一部の人と、渦巻きの直中にある人、そして渦巻きの上に乗っかっている人・・・(日本にはなんだか最初のタイプの人がまだかなり多いような気もするけど)・・・自分が考えるに、この全体的流れは人間の歴史が始まって以来、連綿として継続中なものなのだろう。

    この本持って、マグレブ3カ国を歩いてみたいねえ。うむ。
    (2011 08/07)

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