発想法 改版 - 創造性開発のために (中公新書 136)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121801364

感想・レビュー・書評

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  •  発想のお勉強。

     …実験科学は仮説を検証するところに重要な性格があるのに対して、野外科学はむしろその仮説をどうして思いつけばよいのかという、仮説を発想させる方法と結びついているのである。

     …問題に関係ありそうな情報を集めるときに、最初に働く人間の能力は決して理性的ではない。なんとなくその情報が必要な気がするという感情のようなものが、理性よりもはるかに先を進んで探索活動をしているのである。それよりもずっと遅れて、「たしかにこの情報は問題に関係があると思う」という理性的な判断が、そのあとに従ってくる。さらにその理性的判断のなかでも、「どういう意味で、この情報は問題に関係があるのか」という理屈は、もう一歩遅れてやってくるのである。発想法の予備段階としての探索過程は、人間が元来備えているらしい、このような探索能力の順番を正直に認めて、その人間らしい自然な能力を十分に発揮させようとするものである。

     …どんな観察事項も次の四つの条件を備えていなければならない。それは(1)とき、(2)ところ、(3)出所、(4)採集記録者についてである。

    ■人間行動の観察についての着眼点
    ①類型的行動
    ②状況
    ③主体
    ④対象
    ⑤手段方法
    ⑥目的
    ⑦結果

     …図解のように空間的にものごとの関係認知能力を発達させる場所と、話すとか文章をつくるなどの読み書きのように、ものごとを鎖状に論理でつないで理解する認知能力は、別の場所で行われているのである。

     私の体験内のおおまかな感じでは、反対といわれている声の八、九割までの原因は、じつは提案の内容がわからないところからきている。

  • 発想法を学ぶための本、KJ法は聞いたことはあったが具体的な方法はよく知らなかったが、それについて学べる本であるということ。しかし、全体を読んでもいまいち内容が理解しきれていない。
    また改めて読む必要があると感じる。

    学びメモ
    ・まずブレーンストーミング式の情報やアイデアの集積をやり、第二に、その結果をKJ法で構造計画に作り上げ、さらに、パート法によって、その構造計画を手順の計画に展開する。複数人で行う場合の計画の技法として、この3つのものを順番に使うのが1番有効な方法。
    ブレーンストーミングでアイディアを吐き出した情報は組み立てられなければならない。その組み立てにあたって統合を見出していくのに使うのがKJ法である。構造作りをやっていくと、単独では馬鹿げていると思ったアイディアが大切なものであると言うことが見出される。つまり、構造の中に位置づけた時にある単独のアイディアがどれぐらい良いか悪いかが単独の場合とは別の意味を持ってくることがある。KJ法で計画が構造的に作られたら、それをどういう手順で進めていけば良いか、手順の計画が必要である。それに必要なのがパート法である。
    ・KJ法はしっかりと訓練をして使いこなさなければならない。簡単ではあるものの、その使い方を誤らないように訓練する必要がある。

  • KJ法は哲学の一種だと初めて知りました。
    そして論文で姓+名となっているのでKJ法。

  • KJ法という整理法は発想法に結びつく。
    断片的な情報をグループ化して、新たな情報を生み出す。

    というイメージだと思うんだが、自分の発想能力が枯れているからかあまりよく理解できなかった。

  • 「なんか上手く行ったな」「アイデアが良い具合に形になったな」の裏にはこう言うフレームワークが高確率であるのかもしれません。情報を紙に書いて記録してそこから統合していく方法など、やりそうでやらない事が沢山書いてあります。読んだだけではよく分からなかったので、研修を楽しみに待ちます。この方法を習得する事で少しでも寄り道を減らし、アイデアが大事な時代に埋もれぬよう、アウトプットの質が上げられるようになりたいです。

  • 実際にやってみないとその喜びは分からないのだろう。頭の中での理解にとどまっている。質的研究の扉を開けるか?

  • 論理分析の古典であるKJ法の解説本。KJ法は何かの折に軽く触れたことがあっただけで、ちゃんと勉強したことがなかった。この一冊だけでKJ法の要点は網羅できる。

    序盤から中盤あたりにかけては、KJ法に限らず様々な現場での調査や分析に必要な情報が書かれていて、なかなか有意義。例えば38ページ「人間行動の観察における7つの着眼点」などは、社会調査手法にも通じるところがある。

    後半はKJ法の応用編のような内容になっているので、分析手法を学ぶためというより、KJ法の一つのエピソードとして読むのが良いかもしれない。分析手法だけ学びたいなら4章あたりまででも充分。

  • 流読。
    これまで聞きかじり、試したことはあるが、KJ法の初心がわかる。

    あくまで実践による自らの方法を身につける必要があるが、ひとつの型として。

著者プロフィール

1920年(大正9年),三重県生まれ.1943年,京都大学文学部地理学科卒業.大阪市立大学助教授,中部大学教授などを経て,KJ法本部川喜田研究所理事長,元社団法人日本ネパール協会会長,ヒマラヤ保全協会会長.理学博士.昭和53年度秩父宮記念学術賞,マグサイサイ賞,経営技術開発賞,福岡アジア文化賞受賞.著書に『続・発想法』『野外科学の方法』『KJ法』ほか

「2019年 『まんがでわかる 発想法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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