南ア共和国の内幕―アパルトヘイトの終焉まで (中公新書)

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著者 : 伊藤正孝
  • 中央公論社 (1992年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121902436

南ア共和国の内幕―アパルトヘイトの終焉まで (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 古い本なので現状の話にはならない。
    ただ、それでも読むに値する。

    どのように差別が起こって
    どのように維持されていくのかのひとつのケーススタディ。

    差別は制度と社会的規範によるところが大きいだろうが
    個別の差別構造は歴史的なものと分かち難くある。
    このレポートは十分とは言えないまでも
    そうした視点も持ちながら当地の人々の声を集めている。

    しかし、何よりも自分の動揺までさらけ出して
    より誠実なレポートであろうとした点が評価できると思う。

    日本人が所詮有色人種で、
    差別される側であったことをこんなに
    強く感じさせられたことも久しぶりである。

  • 1992年(初版1971年)刊。著者は朝日新聞編集委員(元カイロ特派員)。◆アパルトヘイト下の南アフリカ共和国に潜入取材した体験録たる初版に、20年後の後日談を加筆した改訂版。なお、同国の形成史や奴隷流入経緯にも筆が及ぶ。◆中でも最もショッキングなのはアパルトヘイト(建前上は過去事象だが)の実情。◇名誉白人と看做された日本人でも、非開示時の白人の差別的対応、警官の目、各種差別法規(白人と非白人の性交未満の通交に刑事罰を科す「背徳法」には吃驚)の適用等、凄まじき差別実態と、現実と建前の乖離には言葉もない。
    取材規制も厳格で、カメラを三台持って黒人居住地にいただけで黒人警官に職質されたり、取材活動の密告を恐れたり、また、有色人種たる著者らが物乞い風の白人から「逮捕するぞ」と威迫を受けるなど緊迫感が紙面から伝わってくる。◇黒と語り合うのを見ただけで、翌日、白の対応が冷酷に変貌するのを体験し「日によって黒から白に変えるという無邪気な選択は不可能」なことを痛感、金産出の隆盛は黒人の異様な薄給に支えられている等、リアルな事実と数値が印象的な作品である。◆人種・民族差別の極地を体感するのに相応しい書。
    ◇また、両親とも白人登録されるも、外見上非白人の子は、通学小学校の他の父兄から排斥を求められ、結果、子だけが他国の修道院に移住とのケースは、家系や純潔性でなく、外見で白黒差別するという特異な差別実態を炙り出す。これは、南ア白人の先祖1/6位は非白人の血が混ざっているため(歴史的に女性少数の南アでは、非白人奴隷女性を妻・妾としたケースが多)。◆黒人労働者の率を一定とする職業確保制(白人労働者保護法制)に反対するユダヤ人ダイヤモンド王が黒人支援に乗り出す等、一筋縄でいかない実情を垣間見させる。

  • 1992年増補改定版。

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南ア共和国の内幕―アパルトヘイトの終焉まで (中公新書)の作品紹介

黒人の不屈の闘争が人種差別政策を葬ったが、人種共存国家は産みの苦しみのなかにある。本書は秘密警察の砦だった時代の南アフリカ共和国のルポルタージュに、20年後の現状を追加取材して改訂を加えたもの。人類最大の愚行アパルトヘイトはなにゆえに必要とされ、どんな非人間的社会をつくり上げたのか。解放の希望と暴力の絶望が明滅する南アに、どんな未来があるのか。アパルトヘイトの誕生から死までを語りつくした1冊。

南ア共和国の内幕―アパルトヘイトの終焉まで (中公新書)はこんな本です

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