ルワンダ中央銀行総裁日記 (中公新書)

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著者 : 服部正也
  • 中央公論新社 (2009年11月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121902900

ルワンダ中央銀行総裁日記 (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 1965年。IMFからの要請で中央銀行総裁としてルワンダに派遣された日銀マン・服部正也の経済改革奮闘記。こんな日本人がいるとは知らなかった。

    アフリカの中央に位置する小国ルワンダは、コーヒーが主要な輸出品だが財政と国際収支の赤字が累積し、国内では外資系企業と外国人が大手を振るベルギーの旧植民地だ。ここで服部は次々と改革していく。通貨改革と平価切下げと輸入の部分自由化。歳入と歳出のバランスを大蔵大臣と協議し、国債を発行する。国債引き受けを外国銀行に頼み込む。外国人に軽く、ルワンダ人に重い税制の歪みを正し、中小企業を育成するため開発銀行を作る。もうとにかく動き回る。とても中央銀行総裁に思えないほど。おまけに鉄道もタクシーも発達していない国だから、せめてバス交通を充実させようと日産ディーゼルと交渉してバスを輸入しバス公社を作ったりと、そんなことまで?と驚く。

    総裁の奮闘とルワンダ人たちの努力でルワンダ経済は上向きとなる。服部は6年に渡って総裁を務め、ルワンダの経済発展に貢献した。こうした改革の裏には服部のルワンダ人に対する公平な目と観察力があったと思う。ルワンダ政府の外国人顧問団や技術支援員たちは「ルワンダ人に経済発展は無理だ、彼らは怠け者だからだ」。と口をそろえていう。果たしてそうか?と、服部はルワンダ人商人や国民に話を聞き、彼らの生活のなかに入っていき、真摯に向き合い、国民性を掴み取ろうと観察する。そこで得た知見(決してルワンダ人は怠け者ではないし、能力がないわけではない)に基いて様々な経済改革と政策を立案していく。この本を読んで感動するのが、服部のこの観察力と話を訊く真摯な姿勢である。かっこいいな、いいな、と思った。突然、アフリカの小国の中央銀行総裁になるドラマ性もさることながら、服部の奮闘の数々は一遍の小説より奇で面白く感動する。

  • 1965年、アフリカはルワンダの中央銀行総裁に着任した服部さんの回顧録。服部さんの剛胆なハートと大局を掴む頭脳にしびれ、金融のおもしろさを実感した。バンカーの仕事のよろこびってこういうことなんだな、と。

    服部さんが、私心無く先入観にとらわれず、原則に従って仕事に邁進して着実に成果を上げていくさまが痛快。中学高校でこの本を読んで、頑張って勉強して大きな仕事をする人が増えたらいい。この本には、なんのために勉強するのかの答えのひとつがあるように思う。

  • 重要な改革の重要な内容は耳を抜けていってしまったんですが、通勤時間を利用してなんとか読了。特に印象的なのは、服部正也さんの人を見る目、その判断力。他人が悪評をたてる人物であっても、服部さんはその仕事ぶりから相手の価値観・その立場を考える。悪評からもその発信者の立場からその理由を読み解き、決して惑わされない。生意気と評判だが確実に仕事をこなす有能なクンラツ氏、経済に疎くてもルワンダの山々の民を心から思うカイバンダ大統領、コテンパンに服部さんにやられてしまう商業銀行のデヴィルシャン氏(あまりのピエロぶりに可哀想なほど)・商魂たくましいインド商人。その他もまるで物語のように人々は多彩。確かな力と目、熱い心が胸に迫る傑作でした。

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    経済本
    内容(「BOOK」データベースより)
    一九六五年、経済的に繁栄する日本からアフリカ中央の一小国ルワンダの中央銀行総裁として着任した著者を待つものは、財政と国際収支の恒常的赤字であった―。本書は物理的条件の不利に屈せず、様々の驚きや発見の連続のなかで、あくまで民情に即した経済改革を遂行した日本人総裁の記録である。今回、九四年のルワンダ動乱をめぐる一文を増補し、著者の業績をその後のアフリカ経済の推移のなかに位置づける。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    服部/正也
    1918(大正7)年、三重県生まれ。東京帝国大学法学部卒業後海軍予備学生となる。終戦を海軍大尉としてラバウルで迎え、引き続きラバウル戦犯裁判弁護人となる。47年に復員し、日本銀行入行。65年、ルワンダ中央銀行総裁としてIMF技術援助計画に出向し、71年帰国。翌年世界銀行に転出、80年に副総裁となり、83年退任。ケーヨーリゾート開発社長、同会長を歴任するほか、アフリカ開発銀行、国際農業開発基金などの委員を務めた。99年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • マジメな総裁日記なんだけどもRPG感があって人気、というTwitterのお勧めで読んでみました。ロマンあふれつつ、戦前戦後の日銀マン(著者は戦後の人ですよ)の実力と矜持をぐっと感じることが出来る良書。現在ミャンマービジネスに熱心な先輩社員が良くお話しされているようなことがこの時代のルワンダにも共通することがたくさん記されていてそういうとこでも興味深い!

  • #fb やっぱり何にしても、ファイナンスの裏付けなんですよ。でも、人はそこがあやふやなままに、贅沢を求めるものなのです。そして、殺し合いに疲れ切っていないうちは、なんだか血なまぐさくなる....というね。

  • 1965年から6年にわたって、IMFからの派遣でルワンダ中央銀行総裁として任務した日本人の記録。
    明治期のお雇い外国人に似ているが、長年の植民地支配でぐだぐだになっている分、条件が悪い。
    ベルギーから独立したばかりの途上国で、中央銀行の立ち上げから、旧宗主国系の外国人政治顧問や商業銀行との戦い、中央銀行も所掌を超えて経済再建計画の立案など、いくらでもやることがある。本人の記録なので割り引かなければならないにしても、英雄的な働きである。実際、ルワンダは70年代にはかなりの経済成長を遂げたらしい。

    その後、90年代のルワンダ動乱についての論考も収録されている。せっかくの経済成長を灰燼に帰すような打撃である。ただ、80年代には所得格差の拡大や長期政権の腐敗が進んでいたというから、健全な持続は難しいようである。一抹のむなしさあり。

  • ルワンダ再建のセキララ本。ルワンダ人が読めないことをいいことに、言いたいことを何でも書いていて面白い。しかし一人でここまで経済再建できたというのはこの人は本当に有能なのだろう。平価切り下げによる影響、輸入物価の制定、、金融の複雑そうなあれこれを、単純明快に解釈、実行して、成功を収めている。自分の目でルワンダ実情を確かめる姿勢、人々を納得させる手腕も素晴らしい。自分の政策に自信を持って一人で進める度胸もこの人でないとできなかったことであろう。この後ルワンダは内乱が激しく大統領も爆死、経済も再び混乱に陥ったとのことだが、残念なことである。

  • 派閥に対して、反抗や協調をすることなく、末端職員との直接対話、人事制度から 組織を作り直したことが 成功要因と思った


    「戦に勝つのは兵の強さ、戦に負けるのは将の弱さ」


    「途上国な発展を阻む最大の障害は 人であるが、その発展の最大の要素も 人である」

  • 1965-71年までタイトル通りそれ以上の仕事をした人の日記。
    内容の色あせなさにびっくりした。
    そしてすごく面白かった。
    自分のそれまでの経験に裏付けられた知識に自負がある人、先を見通せる人、現地での常識を疑ってみる人、そして仕事の能力のある人が組み合わさるとこんなことになるのかと。
    人も育てられているし。

    途中途中で挟まれるちょっと難しい数字とかは飛ばしたけど、経済の仕組みの話が最初は苦戦するけど最終的にはちゃんと読めるようになるほど面白かった。

    こういう人が裏方に存在するとその国は発展するんだろうなって見本のような人。
    うん、でもカイバンダ大統領の信頼と丸投げっぷりは紙一重だと思った。人を見る目はあったけどね。

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一九六五年、経済的に繁栄する日本からアフリカ中央の一小国ルワンダの中央銀行総裁として着任した著者を待つものは、財政と国際収支の恒常的赤字であった-。本書は物理的条件の不利に屈せず、様々の驚きや発見の連続のなかで、あくまで民情に即した経済改革を遂行した日本人総裁の記録である。今回、九四年のルワンダ動乱をめぐる一文を増補し、著者の業績をその後のアフリカ経済の推移のなかに位置づける。

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