生命を捉えなおす―生きている状態とは何か (中公新書)

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著者 : 清水博
  • 中央公論社 (1990年10月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121905031

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生命を捉えなおす―生きている状態とは何か (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 1990(一部1978)年刊。本書の眼目は、科学的方法論として要素還元主義的見方を離れ、当該要素の関係に注目すべきで、生命はその典型、ということだろう。今風に言えば、複雑系論の嚆矢と評しうる。例として社会事象が挙げられているのはまさにそれ。と、ここまでは理解可能だが、本書列挙の具体例は個人的には難しいものが多い。特に六章「生体運動と動的協力性」、七章「リズムと形態形成」は…。またエントロピー崩壊を化学的な文脈で説明されても…。忸怩たる思いだが、再度アタックしたい。あと78年の本書刊行には脱帽である。

  • (2007/5/2)
    西垣先生著のデジタルナルシスの中からリファーされてたので,これを機会に読んでみた.

    リファーのジャンプの動機は清水博流の「情報の意味論」を知りたかったからなんです,清水博の生命理論を学ぶこととなりました.

    なんといっても,この生命論は僕が他の経路から間接的に他の先生,他の著書から学んできたこととの公約数で覆えるようなことだった.

    つまりは,その他の先生や,他の著書に強い影響を与えていたのが,この清水博先生と言うわけですね.

    計測自動制御学会の創発コミュでお世話になってる,東北大のY野先生のお名前が本書の中で結構出てきていて,知らなかったオシゴトを拝見いたしました.

    前半は非常にまとまっていて,綺麗な理論でしたが,増補でたされていた分はさすがに,
    細かな議論では到達できない領域に触手を伸ばした様子がでており,前半とはカナリ色合いの違う書になっておりました.

    意味論の世界を相手にしている私としてはその後半的な清水理論をもう少し読んでみようかとおもったり.
    (読んで納得いくんは前半なんですけどね.)

    しかし,なんだか東大な臭いがぷんぷんするのは私だけでしょうか?なんか,最近,東大と京大の学風の違いが理論・
    議論から,感じが違うんですよね.なんなんだろう,この感触・・・.

  • 得意先の人に勧められて購入するも数年積読。ようやく乗ってきて読了。すごく刺激的な本であった…!名著。難しいところもあるが、大枠の主張は文系頭でも読み取り可能だと思われる。生命は分けてもわからなくって、「生きている」というのはグローバルな性質、「相」なのである、と。目から鱗というのはこういうことですね。なんとなく感じてはいても、それを科学的な手法で確かめたり表現していくということができるんだ!と。感動ものです。そしてここにもセイゴオさんがいる…。この人すごいな。

  • 生きているとはどういう状態か。そんな素朴な疑問から出発し、出発点がそれだから知らないうちに分野を横断し、生物学、数学、物理学、果てには哲学の国境をなきものにする。その一個の精神のゆらぎを追体験できることこそ、本書の醍醐味だと思った。

  • 読みたいけど、新書は苦手なので
    これから読む!という気合いのために
    あえてレヴューを。

    「わたしの1冊日本の100冊」というNHKの番組で
    元SONYの出井さんが紹介されていて
    すごく印象に残りました。


    「いったいどこまでが自分で、どこからがちがうのか」
    「自分の勤めている会社が生命体だと思っている人は少ない」
    「難しくて簡単にわかる本じゃない」
    「一生付き合う本」
    など、これだけ短い番組でこんなに印象に残る言葉を言える出井さん、引き出すことができるインタビュアーに感服です。


    この中でも、もっとも印象に残っているのが
    「自分の勤めている会社が生命体だと思っている人は少ない」。

    言われてみれば、なるほど、そうですね。
    流動的で、諸行無常な世の中。
    会社を生命体として捉えるのは、一理ありますね。

    会社が生命体であれば、不老不死でいたいと思うのが
    経営陣でしょう。

  • 現代でも動的な生命の捉え方は新鮮だが、出版当時は衝撃だったのだろう。

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    文庫&新書百冊(立花隆選)178
    サイエンス

  • 頭を使いながらものすごく集中して読んだ覚えがある。

    生⇔死
    「死ぬ」ということは「相転移」を起こすことなのだという示唆を与えてくれた本。

  • おそろしい本。
    生命という現象を、システム科学的に追求しているのかと思いきや、動的秩序の自己形成や動的協力性、形態形成、リズム、情報の創造と意味論、そして関係子。どこへ向かってるのか正直分からなくなるほど、多角的に捉えなおしている。
    頭がくらくらしてしまうような本だ。

  •  生物学、物理学、組織論、多様な分野の知識を横断的に組み合わせ「生きている状態」を捉えなおす、といったところ。知的好奇心への刺激の塊。

  • ソニー元会長の出井伸之推薦の書ということでトライ。正直、専門的な言説は歯が立たなかったけど、人の集団(組織・会社)の動きに例えを置き換えたエントロピー/フィードバック/フィードフォワード/セマンティック・ボーダーの概念は面白かったです。要するに、放っておけばエントロピーが増大して安定する(“死んだ状態”こそ実はエネルギー的には最も安定している)方向に進む物理の法則に反し、“生きている”状態を作り出す生命とは、自らが自立して情報を作り出し、過去を振り返り未来を予測する動的な体内器官の関係反応だと。なるほど、体の器官を人や組織に置き換えれば、会社・組織論にも応用できます。難(むず)面白い科学本でした。

  • 生命の本質とは何か?
    この本を読んで、納得。
    組織や社会のあり方にヒント。アドミニストレーションにも通ずる?
    多少こむずかしい本ですが…

    【熊本県立大学】ペンネーム:1+1=3

  • 生命の不思議を色々な分野から見た考察となっている。この手の書籍は専門用語が多くて読みにくいのが多いが、この本は背景にある原理や研究成果を分かりやすく解説しており、さらに興味を増す。フィードバック戦略とフィードフォワード戦略の区別はマーケティングでも重要。フィードバックは過去の経験や記憶を元に組み立てられるが、フィードフォワードは未来を作ることを考える。

  • [ 内容 ]
    分子の世界へと微視化を進めるだけでは生命の本質は捉えきれない。
    著者は筋肉収縮の分子機構についての独創的研究で得た「動的秩序を自律的に形成する関係子」を出発点に、生命システムの普遍的な性質を「自ら情報を創り出す能力」という観点から捉える。
    そこから複雑で多義的な大脳や、環境の知的な働きの底に存在する法則性を動的に追求していく。

    [ 目次 ]
    背景となること
    生きている状態
    マクロな状態とエントロピー
    静的秩序と生命
    動的秩序の自己形成
    生体運動と動的協力性
    リズムと形態形成
    秩序の自己形成系と情報
    新しい自然像新しい人間像
    生命的調和の世界
    関係子とは何か
    脳の働きと関係子

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 読書には時機というものがある。タイミングだ。長ずるにつれ、知識の枝は天を目指して複雑に枝分かれしてゆく。そして生の現実が地中に根を張り巡らす。

    http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20110202/p7

  • 生命を"もの"としてではなく、"こと"として捉え直す。
    動的平衡としての生命に、科学がその足を踏み入れようとしている。

  • 生命とは何か?
    たまに哲学的な気分になると考えるテーマですね。昔から考えつくされてるテーマだと思いますが、正しい答えなんてないんじゃないかと思います。

    この本は細胞や生体分子が持つ秩序を自己生成するという機能を化学的に解説しています。そして社会的な組織や環境にも同じ性質があることを述べ、そういった系もある意味では生命と考えられるということを示唆します。

    ちゃんと理解しようと思ったら結構専門的です。難しいです。でも高校レベルの物理化学が分かってれば雰囲気は味わえると思います。
    僕はエントロピーとか全然知らなったんですが良くわかった気がしました。

    とても面白かったです。

  • 冒頭に著者が述べるように「人間とそれ以外の生物、そして細胞の
    もう一つ下のレベルの生命現象から人間の社会や生物圏に
    現れる生命現象までが同列に話の対象になっている」。
    自然科学の話、難しい数式や記号にこれ以上読み進めることの
    限界を感じるあたりで身に覚えのある興味深い現象や事例があげ
    られるのでなんとか最後まで読めました。
    東洋と西洋、仏教とキリスト教、フィードバックとフィード
    フォワードのこと、(これまでの生き方にフィードフォワードの
    概念があまりにも欠けていたことをまざまざと知ることになり
    ました)均質閉鎖的な日本人のDNAを持っていることに
    思い当たる節もあり、もう一度読み直したい一冊になりました。

  • 「生きている状態とは何か」

    内容はとにかくおもしろい。絶対に読んだ方がよい。特に分量的に大半を占める第一部は、ずいぶんと前に書かれたものなのに、なんかこうけっして古くないというか。少なくとも自分に大してはいろんな示唆に富む内容。

    それ以上に、清水博という人の魅力を感じたなぁ。時代を先駆けた人だったんだろうなって思った。

    これの第一部が書かれたのは、分子生物学が大手を振って生命科学研究の世界を席巻し始めた頃。しかし、清水博は、ダイナミックなシステムとしての生命を追い求めた!

    第一部の前半は、エントロピーやエネルギー、静的な秩序(結晶などの自由エネルギーの低い状態)の解説から始まり、散逸系の動的秩序の説明として、レーザーを用いてハーケンのシナジェティックスの話をしたり、BZ反応を用いてプリゴジンの散逸構造の話をしている。

    しかし、おもしろいのはやはり清水博らの独自の成果に関する言及があるその後から。清水博は、筋肉の研究において、「動的協力性」を実験において示した。それはプリゴジンの散逸構造でもあったし、ハーケンのシナジェティックな理論とも共通するものがあった。それらの理論の具体的な例として示した。(ちなみに津田一郎はこれに対してをマックスウェルデーモンとの関係で興味を持っているそうだ)。「動的協力性」の概念は筋肉にとどまるものではない。細胞内のレベルから、細胞群、組織、大脳皮質のハイパーコラム、人間のコミュニティ、社会、文化、生態系、全宇宙まで広げられる概念である。

    さらに、後半では情報の観点から生命に関する考察が重ねられている。印象に残ったのは、「シャノンの情報理論では、意味の荷い手(アルファベットだとかデジタル信号だとか)としての情報が扱われるが、生命にとって重要なのは、生物にとっての『意味』であり、それを扱わなければいけない」ということ。うーん、なるほど!

    そして、科学、科学技術、社会、哲学、西洋・東洋などの歴史と未来についての考察。

    第二部は、かなり時間がたってから書き加えられた部分。その後発展した非線形力学の概念であるカオスに言及してあったりする。また、清水博の興味は大脳へと向かっており、それに関する考察もある。

  • レーザーの励起、情報。
    キーワード満載。

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