花々と星々と (中公文庫 M 7)

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著者 : 犬養道子
  • 中央公論新社 (1974年6月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122001077

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花々と星々と (中公文庫 M 7)の感想・レビュー・書評

  • 東中野、熱海、鎌倉、四谷、そして首相官邸の横の秘書官邸に住んだ頃の記憶と白樺派の小説家だった父親の交流関係や大好きなお祖父ちゃまの友人、政治家達が綺羅星のごとく登場する。志賀直哉、武者小路実篤、芥川龍之介、岸田劉生、川端康成、古島一雄、戴天仇等。また、「ほんもの」の音楽や絵画、書物、会話といった花々や星々に囲まれた幸せな暮らし。しかし、周りに軍靴の足音が近く聞こえ始める中、大好きなお祖父ちゃま、号木堂、犬養毅首相が昭和7年5月15日に暗殺されるまでを描いた幼女から少女へと成長する過程を綴った著者の自叙伝。

  • 女子なら一度は読め、的一冊。

  • 犬養毅の孫であり犬養健の娘であった道子氏が描く幼少時代。まさにきら星のように魅力溢れる人々と道子氏の交流が描かれています。中でも道子氏を溺愛していた祖父犬養毅が道子氏に託した物と言葉のエピソードが印象的でした。

  • あの五・一五事件で暗殺された犬養毅首相の孫、犬飼道子の自伝小説。はじめの方は軽いなぁと思って読んでいた。というのも、生まれてきた環境が一般家庭とはかけ離れすぎている。彼女の周りにでてくる人物は日本の歴史をつくった偉人達。それを見ているだけでも興味深いものはあったが。後半はあの暗殺劇の裏側か。白樺派であった犬飼健の妻、仲子夫人の人間像に感嘆を覚える。どのような偉大な政治家(健氏は最初は作家であったが・・・。)にも内助の功があると言われるが、それもこの本を通じて納得させられた。もちろん、仲子夫人は犬養毅の夫人ではなく、息子である健の夫人なのだが、彼女が家族の精神的支柱となって凛としているのは昭和を代表する淑女の典型的例ではないだろうか。著者で、物語の中では少女である道子氏と歴史上の有名人達のやり取りも見物だ。とにかく、歴史を紐とく小説として、この本は大変興味深い一冊と言える。

  • 五・一五事件で暗殺された犬養毅の孫娘である犬養道子氏の自伝的小説。
    秘められた昭和史を期待して手に取った。

    読んでみると、これは少女道子がいかにして成長を遂げていくかを描いたとても愉快な物語だった。彼女が花々や星々と喩えた白樺派の同人や芸術家、時の政治家や中国の革命家などが身近な人物として次から次へと登場する。彼女の育った環境は本当に凄い。

    そしてまた、これは娘の視点で母仲子を描いた物語でもある。父である健に比べて仲子は力強く、そして魅力的に描写されている。著者自身も言っているが、母系からの遺伝や影響という物がどれだけ大きいかを伝えてくる。
    主義者や壮士を毅然と追い払った彼女の豪胆さと冷静さは、五・一五の際に銃口を突きつけられても尚八方の数を数えたというエピソードに凝縮されている。そして、少女道子にセキをさせその胸の音を聞くシーンで彼女の愛の深さを見る。

    少女道子はとても聡明だ。時が戻らないという事を知り、悲しみを知り、孤独を知り、感傷を知る。そんな彼女の姿を見るのはそれだけでもとても楽しい。このような成長過程を遂げた彼女が今現在どんな女性になっているのか、他の著書も読んでみたくなる。そして、自分の娘のこれからの成長がとても楽しみで仕方が無くなった。幼い子とはこれほどまでに世界を新鮮に見るのかと。

    最後の二章は当初の期待の通り、犬養毅が首相になってから五・一五発生までを孫の視点から描いている。少女道子の祖父の死とともに日本の政党政治も死んだ。その事は胸を締め付ける。
    そして、諸説あるがやはり犬養毅は「話をしよう」と言ったのだ。彼は政治家としての自分の生き方を銃口を前にしても貫いた、そう信じられた。

    少女を主人公にした小説としても、昭和秘史を紐解いた物としても非常に魅力的な一冊。

  • 犬養道子お嬢様のお嬢様たるゆえんについて延々と書かれた本。出てくる登場人物がほとんど歴史の教科書に出てくる人。その人たちの美しさが克明に書かれてて、その克明さが好きです。

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