レイテ戦記 中 (中公文庫 A 33-3)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122001411

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  • 「レイテ戦記(中)」大岡昇平著、中公文庫、1974.10.10
    474p ¥900 C1193 (2019.09.22読了)(2018.11.16購入)(2006.10.10/26刷)
    (9月23日)
    中巻を読み終わりました。
    なかなかはかどらず、読み始めてから読み終わるまで、2週間ほどかかりました。
    日本軍は、爆弾を抱えてアメリカ軍の戦車に飛び込むとか、戦闘もこれまでと判断すると斬り込み突撃を敢行するとか、必死の抵抗を試みています。航空戦力が不足しているので、人も武器も食糧も補給が思うようにできません。
    アメリカ軍も日本軍が特攻隊での攻撃などを敢行しますので補給が十分でなく、空から武器や食料の投下を行っていますが、日本軍のいるところにも落下してきたりします。弾薬などは、型が合わないので使えませんが、食糧は喜んで頂いています。
    日本の部隊で、ほとんど戦果もなしに壊滅したと思われていたものについて、アメリカ軍の記録からそうではなく、かなりの抵抗を試みた部隊の記録も紹介しています。日本軍の最後は近づいています。

    【目次】
    十四 軍旗
    十五 第二十六師団 昭和19年11月11日~15日
    十六 多号作戦
    十七 脊梁(せきりょう)山脈
    十八 死の谷 11月16日~12月7日
    十九 和号作戦
    二十 ダムラアンの戦い 11月23日~12月7日
    二十一 ブラウエンの戦い 12月6日~7日
    二十二 オルモック湾の戦い 11月27日~12月7日
    二十三 オルモックの戦い 12月8日~15日
    二十四 壊滅 12月13日~18日
    二十五 第六十八旅団 12月7日~21日

    ☆関連図書(既読)
    「レイテ戦記(上)」大岡昇平著、中公文庫、1974.09.10
    「太平洋戦争 日本の敗因(5)レイテに沈んだ大東亜共栄圏」NHK取材班、角川文庫、1995.08.10
    「レイテ沖海戦」半藤一利著、PHP文庫、2001.09.17
    「野火」大岡昇平著、新潮文庫、1954.04.30
    「俘虜記」大岡昇平著、講談社文庫、1971.07.01
    「ながい旅」大岡昇平著、新潮文庫、1986.07.25
    「大岡昇平『野火』」島田雅彦著、NHK出版、2017.08.01
    (2019年10月15日・記)
    (表紙カバーより)
    太平洋戦争の〝天王山〟レイテ島に展開された日米両軍の死闘を、厖大な資料を駆使して精細かつ巨視的に活写し、戦争と人間、環境と個の問題を、鎮魂の祈りをこめて鋭く追及した戦記文学の金字塔。毎日芸術賞受賞作。
    中央公論新社HPより(amazon)
    レイテ島での日米両軍の死闘を、厖大な資料を駆使し精細に活写した戦記文学の金字塔。本巻では「十四 軍旗」より「二十五 第六十八旅団」までを収録

  • 1974年(底本1971年)刊。全三巻中の第二巻で、叙述される時期は昭和19年11月~12月。

     レイテ戦という一個別戦域の、細かすぎる戦史が個人的に必要かは兎も角、人によってはかかる書も有益とされる場合はあるかもしれない。


     個人的備忘録。
    ① 日本軍の中にも、例えば、軍医・衛生兵の中には戦争自体の敗けを自覚し、それに沿った行動をとっている者がいる。
    ② 米軍も、場合によってはジャングル戦を積極的に行っている点(補給線遮断目的)。
    ③ 米軍の準備不足もあるだろうが、とりあえず戦いになっている点。がっぷり四つとは言えないが…。
    ④ 軍隊は数ではなく、機械力・砲撃力である。これは日露戦からも実は明快な結論だったが、偶々勝ってしまった(勝ったと喧伝した)ので、少数包囲等偶発事象に左右される戦法・戦術を維持してしまった。
     著者曰く、日本陸軍の師匠たるドイツですら時代遅れとされそうな戦法をそのまま導入し、かつそこに太平洋戦争時まで固執してしまった。
    ⑤ 小さい事象はあったとしても、結局のところ島嶼戦は制空権=空軍力。
     ただし、負けない戦い、持久戦、ゲリラ戦は多少の別儀があるかもしれない。

  • 4122001412  474p 1995・8・25 15版

  • 上巻に同じ

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著者プロフィール

大岡昇平

明治四十二年(一九〇九)東京牛込に生まれる。成城高校を経て京大文学部仏文科に入学。成城時代、東大生の小林秀雄にフランス語の個人指導を受け、中原中也、河上徹太郎らを知る。昭和七年京大卒業後、スタンダールの翻訳、文芸批評を試みる。昭和十九年三月召集の後、フィリピン、ミンドロ島に派遣され、二十年一月米軍の俘虜となり、十二月復員。昭和二十三年『俘虜記』を「文学界」に発表。以後『武蔵野夫人』『野火』(読売文学賞)『花影』(新潮社文学賞)『将門記』『中原中也』(野間文芸賞)『歴史小説の問題』『事件』(日本推理作家協会賞)『雲の肖像』等を発表、この間、昭和四十七年『レイテ戦記』により毎日芸術賞を受賞した。昭和六十三年(一九八八)死去。

「2019年 『成城だよりⅢ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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