世界の歴史 (6) 宋と元 (中公文庫)

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  • 中央公論新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (499ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122001794

感想・レビュー・書評

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  • 「宮崎さんは日本の中国史研究をリードしてきた京都大学の教員であり、中国の古代から現代まで、すべての時代にわたって論文を書き、本を出版している。しかもそれがいずれも抜群に面白い!!そして本当にすごいのは、難しいことを素人でもわかるような文章で書いていること。若い人にぜひ「ホンモノ」の歴史家の文章に触れてほしい。」(『世界史読書案内』津野田興一著 の紹介より)
    津野田さんは宮崎市定さんの本のファン^^

  • 唐代は貴族社会であったが、科挙によって登用された官吏が士大夫層を作り上げた。文化にも大きな影響を与え、形式にこだわる余りマンネリ化していた芸術様式に新風を吹き込んだ。宋にとって大きな脅威となったのは、北方の遊牧民族国家である。歴史上、遼や金ほど定住国家を圧迫した国はなかった。しかし、それを上回ってユーラシアに空前の帝国を築いたのがモンゴル民族であった。彼らの強い武力は、鉄の利用から来ている。宋代になると鉄が遍く広まったが、宋では主に貨幣として使われるにとどまった。モンゴル民族はこれを再び鉄に戻して武器を作ることで、強力な軍事力を得たと述べられている。
    異民族が国を支配するときは、在地民族の利益の保護者となることが大事だが、まさにモンゴル人はそれを成し遂げた。南宋を滅ぼした元は、その継承者の性質を帯びてきたほどである。しかしながら、洪水の発生に起因する公共事業の扱いのまずさが民衆の反感を買い、滅亡へとむかっていく。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ−

    [感想]
    少し前に明清の歴史に関する本を読んだけど、そこで語られた異民族による中国支配の萌芽が見て取れる内容だった。
    特に中華地域と中華外地域で皇帝が支配方法を使い分けているのは後の清が同じことを行い支配していたことを考えると一般的な方法だったのだと感じた。
    しかし、中国の凄いと感じるところは異民族に何度支配されようとも支配には官僚の存在が絶対に必要となり、最終的には中華化してしまうことだな。
    また、中国が周辺社会に与える影響というのは大きいのだと改めて感じた。

  • (1993.08.07読了)(1993.07.01購入)
    *解説目録より*
    唐滅亡後四百年の東アジアは、貴族社会から市民社会に移ろうとしていた。宋は伝統的な中国に市民文化を生み、モンゴル民族の元には西方人が活躍する。

    ☆世界の歴史・中央公論社(既読)
    「世界の歴史(1) 古代文明の発見」貝塚茂樹著、中公文庫、1974.11.10
    「世界の歴史(2) ギリシアとローマ」村川堅太郎著、中公文庫、1974.11.10
    「世界の歴史(3) 中世ヨーロッパ」堀米庸三著、中公文庫、1974.12.10
    「世界の歴史(4) 唐とインド」塚本善隆著、中公文庫、1974.12.10
    「世界の歴史(5) 西域とイスラム」岩村忍著、中公文庫、1975.01.10
    「世界の歴史(7) 近代への序曲」松田智雄著、中公文庫、1975.02.10

  • 水滸伝の歴史的背景を知りたくて、宋と元について述べたこの本を読んでみた。人間の歴史は、権力闘争と殺し合いの歴史だと再認識する。大きな歴史の流れの中でみてみると、水滸伝では実に大きな存在である蔡京や童貫が、とても小さな遠景としてみえる。

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著者プロフィール

1901-95年。長野県生まれ。京都帝国大学文学部史学科卒業。京都大学名誉教授。文学博士(京都大学)。文化功労者。専門は,東洋史学。主な著書に『東洋に於ける素朴主義の民族と文明主義の社会』(1940年)、『アジア史概説』全2巻(1947-48年)、『雍正帝』(1950年)、『九品官人法の研究』(1956年、日本学士院賞)、『科挙』(1963年)、『水滸伝』(1972年)、『論語の新研究』(1974年)、『中国史』全2巻(1983年)ほか多数。『宮崎市定全集』全24巻+別巻1(1991-94年)がある。

「2021年 『素朴と文明の歴史学 精選・東洋史論集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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