東京の昔 (中公文庫 A 50-2)

著者 : 吉田健一

• 中央公論新社 (1976年5月10日発売)

感想・レビュー・書評

[isutabiさんの感想 · 2011年5月15日]

はるか昔に読んだ本でほとんどなにも覚えていないのだけど「これだけ上手くないと書く資格がないとしたらたいへんだなあ」という感想を抱いた記憶だけが残っている。
こういう作品の存在は他の作家にとってプレッシャーになりそうだと。

[ヤバラッコさんの感想 · 2006年5月17日]

これまた再読。近代日本について本を漁ってますが、すでに戦前日本像について脳内に固定観念ができており、その像の元がここに描かれている戦前風景でした。ここには国家装置の暴力的圧迫も農村の貧困も軍人の横暴もありません。でも戦後ではなくあきらかに失われた戦前の良き姿です。歴史を学んで、こんな生活がありえたかもしれないけどフィクションでしかありえない姿だとわかりました。

著者プロフィール

1950年生まれ
出生地　和歌山県東牟婁郡串本町大島
大阪芸術大学卒業
投稿詩誌等：大学同人誌「尖峰」「詩芸術」「PANDORA」
　　　　　　わかやま詩人会議「青い風」

「2022年 『砂宇宙』 で使われていた紹介文から引用しています。」