ボートの三人男 (中公文庫)

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制作 : 丸谷 才一 
  • 中央公論新社 (1976年7月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122003514

ボートの三人男 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 英国紳士3人のテムズ河ぶらり途中下船の旅(犬はさておき)。

    1889年に出版されベストセラーになったイギリスのユーモア小説。小説といってもストーリーらしきものがあるわけでなく、ただただ3人の男と犬1匹が水門(ロック)から水門(ロック)へ、テムズ河を船で下ってゆくというだけの長閑な話。にもかかわらず、船に縁がなく、ましてや紳士でもないぼくが読んでこうも面白いのはどうしたわけか。それはきっと、いかにもイギリス流の笑いにコーティングされてはいるが、万国共通の人間の《本性》が描かれているからにちがいない。いわば、「あるある」ネタ。

    「自然に帰れ」とばかりに船旅に出たはいいが、ボートを漕ぐのに疲れたといっては不平をもらし、隙あらばサボろうとし、都合の悪いことが起これば他人のせいにする。そんな「いい大人」の「大人げない」七転八倒ぶりがおかしくてたまらない。そしてまさかのエンディング。晴れた休日の午後のんびり読むのにふさわしい、楽しい本と出会った。

  • タイトル通り、三人の男による他愛もない出来事が綴られる物語。

    ユーモア小説として世界的に有名ですが、それをあらかじめ知っていたとしても十分に楽しめる小説です。

    お国柄というのはどこでもあるものだと思いますが、イギリス人のユーモアというはまた独特で、余裕のある抜き方というか、こういう伝統が脈々と受け継がれているのを見ると、少しうらやましくなります。

    川下りと犬に興味があれば、野田知佑さんの本もぜひ。

  • 三人の男と一匹の犬がふらりと小さなボートに乗って旅をする。
    イギリスでは、舟遊びというのは、なんだか特別らしい。

    のんきな旅で、こっちまで休暇気分。
    しかも、こいつらは「けったいな」連中で、珍道中を見ているだけで楽しい。

    春先、いい天気の芝生で、うつらうつら寝っ転がってるイメージ。

    盛衰の激しい文庫の世界でいまだに発行されつづけているみたい(2003年現在)。それだけでも、ファンが多いんだろうなあと思わせる。

    ------------------

    この本はずいぶん昔、旅行中に買った。
    小諸のホテルに滞在中だった。
    数日そこにいてヒマを持て余していた。
    散歩にでかけ千曲川の見える場所でとろとろ読んでいた。
    気分にとってもそぐって楽しかった。
    読むたびにそのときの気分を思い出す。

  • 気鬱に悩む3人の英国男(紳士?)たちが、自分たちには休息と気分転換が必要と、河へボートで漕ぎたした。一匹の犬とともに。テムズ河沿いの町や村の歴史を感じつつ、優雅な舟旅…となるはずが、3人と1匹の微妙で奇妙な個性と友情とのおかげで、ボート上では珍事が続く。彼らは無事2週間の旅を終えられるのか…。英国独特の滑稽、皮肉、ユーモアがたっぷり味わえる昔から大好きな本(本棚に眠るお気に入り本から発掘してきて感想再登録)。登場人物は主人公の「ぼく」と、友人のジョージとハリス、ぼくの飼い犬モンモランシー(フォックステリア)…ということで上記タイトルと副題「犬は勘定に入れません」がついた模様(原題にこの副題がついているのかこの版の記載の限りでは不明)。彼らの自虐的ですらある皮肉な面白さは言葉で表すのは難しいが、例えば最初のページから彼らのダメ男ぶりが発揮されている。無気力な体調不良の原因を調べるため大英博物館にでかけ「自分は致命的な百七の病気にかかっている」と思いこみ、かかりつけの医者の診察を受ける。有効な処方箋には「ビフテキ1ポンド、ビール1パイント(6時間ごとに服用)、散歩10マイル(毎朝)、就寝正十一時(毎晩)。小難しいことはいっさい頭に詰め込むな」。そして実践した結果、体調はすこぶる良好になったり(呆)。これに続く怠け者っぷりも可笑しいのだが、例をあげるときりがない。ボートに乗るまでも荷造りでドタバタし、船上ではささいな喧嘩をし、いちいちひと騒動を巻き起こさずにはいられない男たちの滑稽なユーモアが最初に好きになった一面だが、それだけではない複雑な側面も、この作品には存在する。こうした3人+1匹のドタバタ珍道中の合間に、テムズ河沿いの地理的、歴史的な興味を引き起こすような記述が多く表れ、ときどき大げさな美文が登場したりと、単なる滑稽小説に収まらない魅力があると思う(と同時にもっと英国の歴史を知りたいとも思う)。なんだか、やる気が起きないなぁとか、気が張って疲れた時、ゆっくり紅茶でも(あるいはお酒でも)飲みながら、まったり読んで楽しみたい、そんな本。それにしても何度読んでも笑える…。

  • 「がらくたは投げ捨ててしまえ
     ただ 必要なものだけを積み込んで
     生活の舟を軽やかにしたまえ。
     簡素な家庭 素朴な楽しみ
     一人か二人の心の友
     愛する者と愛してくれる者
     一匹の猫 一匹の犬
     一本か二本の愛用のパイプ
     必要なだけの衣料と食料
     それに必要より少し多めの
     酒があればそれでよいのだ」

  • こんな面白い小説、本当に久々に読みました。

    面白いです。多分ここに書かれていることは誰もが経験しそうなことだからでしょうか。特に叔父さんが額縁を掛ける逸話は秀逸です。うちだったらこれは誰、と容易に想像しながら読み進めましたよ。

    解説にもありましたがこの小説は速読するのはもったいないですね。ゆっくり、それこそ時間を贅沢に使ってちょっとページをめくるのが似合う本です。
    いやあ、面白かった!

  • 『ボートの三人男』読了。なんとも上品な滑稽小説。やはり英国のユーモアは私には上品過ぎるw
    しかし、同時代、切り裂きジャック事件で震撼しているロンドン!のイメージがいっぺんで吹き飛びましたw

  • さすがに古いか、訳。

  • コニー・ウィリスを読む為の予習

  • 犬は勘定に入れません」に書いたURLで紹介されてた本。1889年出版のユーモア小説

  • なんかすごく面白かった記憶がある。
    逆に言うと、その記憶しかない。

    とほほ。

  • ひたすらにアホウな話。先に『犬は勘定に入れません』を読んで、こちらが元になっていると聞いて読んだのだが、たしかに同系統のアホな文章と言える。アホと表現してしまったけれど、本人真剣なんだと思うけど、傍から冷静に見たら明らかにアホという楽しいもの。
    楽しいです。

  • 気鬱に悩む英国紳士3人と犬1匹がボートで漕ぎ出す。英国的ユーモア小説 …なんだろうなあ。紳士たちには乾布摩擦でもしろと云いたくなりますが

  • 再読。久しぶりに読んでもやっぱり笑える。愛すべき三人組のグダグダな河上リ紀行。本筋からどんどんと脱線して語られる小ネタや馬鹿話がたまらない。

  • 人生の捉え方なんてその時々の気分で決めちゃったらいいじゃない。そんな風に思えてくる、なんともお気楽な(でも本人達は真剣)三人の紳士のお話。

    愉快な気分になりました。

  • 佐々木敦が選ぶ 小説のことを考え始めるための10冊:文藝(2009冬)より

  •  コニー・ウィリスの「犬は勘定に入れません」を読んで、その後買った。原書も買っちゃった。なかなか読み進めないけど。

  • シュールな小話とキャラのイカレ方が素敵。すごい馬鹿。

  • ご紹介した「犬は勘定に入れません」と「絞首台までご一緒に」の元ネタとなっているので、読んでみました。
    英国式ユーモア炸裂というのか〜
    1889年に発表されて以来、長年愛されてきたのもよくわかります。
    主人公Jの一人称で、イギリス紳士らしく品良くとぼけた語り口で、川下りの錯綜とした成り行きが面白おかしく綴られていきます。
    時には美文調を交え、時にはチャップリンの映画のよう、時には面白いことに落語のようでもありました。
    医学書を読んでは、どの病気にもかかっているという確信を持つ主人公は、肝臓病の特徴「総じて仕事がしたくなくなる」を読んで、子供の頃からの持病と深く納得する始末。
    同じような悩みを抱える友達のジョージとハリスと共に、休養と気分転換のために旅行に出かけます。
    もちろん犬のモンモランシーも一緒に。
    何を持って行くかで意見が分かれてものすごい大荷物になって村人が見物に集まってきたり、景色に見とれて他の船に激突したり、降りて食事に行って夜中に戻ったら船をどこに着けたかわからなくなったりという珍道中ぶり。モンモランシーの湯沸かしとの戦いも忘れられない(^^)
    子供の頃からの筏やボートの思い出も色々出てきて、楽しい失敗談が多いんですけど、イギリス人て本当に船が好きな人が多いんだな…と感嘆しました。
    テムズ川流域の名所旧跡案内ともなっていて、綺麗な風景を描写した所や危険な区域の説明もあり、変化に富んでいます。
    丸谷才一の訳で、井上ひさしの後書きですから〜読んで損はないですよ。
    ちょっと調べたら、テムズ川は驚くほど変わっていないということでした。

  • まず犬の名前がいい。つい口に出して言ってみたくなる。モンモランシー!

  • 君らバカだろう!と笑いながら肩を叩きたくなる。
    コニー・ウィリスありがとう。

  • 2009年1月19日(月)、読了。

  • 19世紀に書かれたイギリスの古典的ユーモア小説です。<br>
    男三人+犬一匹が気分転換にテムズ河をロンドンからオックスフォードまでボートで遡るという小説ですが。なにせ、バカバカしい脱線だらけ。およそ100年前のお話しながら、人物観察など十分今にも通じることが多く、つい声を立てて笑ってしまうような個所もしばしば。<br>
    バカバカしくナンセンスで、爆笑というよりは、くすくす笑ってしまうような、いかにもイギリス〜なユーモア小説です。 <br>
    丸谷才一の訳も秀逸です。 <br>
    実はずいぶん前に一度読んでいるのだけれども、再読。(2008/Oct)

  • この小説を初めて読んだのは小学生の頃で、英国文学の児童用のモノでした。たしかドイルやディケンズと一緒に読んだような気がします。シャーロックホームズを読むついでに読んだのだと思います。それまでホームズやジュブナイルSFばかり読んでいたのでユーモア小説というものを初めて読んだのだと思います。あまりの面白さに何度も読み返したのを覚えています。マンガ以外にこんな面白い笑える物語があることを初めて教えてくれた小説です。それから数十年を経て最近久しぶりに読んでみました。児童用とは違い19世紀の英国の世相や3人の個性など細かい描写が多くあることに気づきました。読んでいると幾つかの場面はハッキリと覚えていました。意外に忘れないモノですね。懐かしさ&変わらぬ面白さで満足しました。

  • もし、原書と翻訳本の両方を読んだ場合、うまくいくと2度、あるいは2倍は楽しめることになります。たまには、名訳者の優れた手腕によって、翻訳が原作をしのぐ!?なんてこともなきにしもあらず…。というわけで、そういわれている本の一つがこちらとか。勿論、これは、本家イギリスのユーモア小説の大傑作。しかし、まあ、丸谷才一氏が、それにふさわしい文体を駆使して見事に訳しあげられているからこそ、こんなに面白い…。たまには、古風な妙味たっぷりの、テムズ河ボートの旅を笑いと共に、のんきに楽しむのもいいものです。

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