真砂屋お峰 (中公文庫)

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著者 : 有吉佐和子
  • 中央公論新社 (1976年9月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122003668

真砂屋お峰 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 期待を裏切らない面白さ。着物がとても素敵。満開の桜の下で衣装競べなんて一度でいいからやってみたい。江戸で都の桜が舞う場面も素敵だった。うっとり。

  • 題名にもある峰。

    有吉作品には珍しく、大人しく従順なヒロインだと思いきや、中盤からだんだんぶっとんでいって、有吉佐和子的な女性になるさまになぜか安心感。

    終着点は粗方想像できたけど、それでも峰の行動にはらはらさせられた。
    後半は確かに強引で無茶があるが、破茶目茶な幕引きもたまにはよいかなと。

    ただ途中から真砂屋そのものをどうするのか?というテーマに移っていくのだが、個人的には初めのほうの真砂屋の仕事っぷりにワクワクしたのでそこをもっとメインで読みたかったという気はする。

  • この本の裏表紙に「作者のことばより」としてこう書かれてありました。
    『江戸期にたとえるなら、現代には元禄時代の健康さが失われていて、経済的にも精神的にも人々は病んでいる。それはむしろ文化・文政の頃と似ている。・・・私は真砂屋お峰を、病める時代に挑戦した健康な精神の持ち主として書いた。私にとって例外的に楽しい仕事だった。』

    これを読んでこのタイトルを見たら、自然と真砂屋とは屋号であり、お峰とは商売を切り盛りする気風のいい女性だろうと想像できます。
    所が、所が、見事に裏切ってくれた。
    真砂屋は確かに江戸有数の大きな材木問屋で、お峰というのはその真砂屋の跡取り娘ですが、商売の事は何も知らないし、商売にタッチする気配もない。
    最初はおとなしく純情な娘さん。
    そして結婚してからも豪気な所はあるものの、世間知らずであぶなっかしい女性。
    あ~、ここからどうやってこの女性が作者が書いたような女性に成長するのやら・・・。
    と見ていくも、ちっともその気配もなく・・・。
    そして残りページは少なくなっていく。
    何なんだろう?これ?
    有吉佐和子さんはこの女性が健康な精神な持ち主だというのか・・・。
    そう思っていたら・・・。
    やられました!
    後半も後半に彼女の行動の意味が分かって・・・。
    自分の読解力と想像力のなさにガックリ。
    そして、やはり有吉佐和子さんはすごい!と思いました。
    またこの本では、当時の風潮や、商売というものの真髄を教えてもらった気になりました。
    真砂屋は大店でありながら食べるものも着るものも質素。
    商売はなるべく目立たないようにを心がけ商売相手は大名でなく庶民。
    扱う商品は本当にいい物を仕入れて良心的な値段で取引する。
    材木問屋なので火事で家が焼けると儲かる商売でありながら、それを口にした妻を即離縁するというきっぱりした精神をもち、焼け出された人々の面倒をみる。
    いい加減な商売をしていると、調子のいい時はいいけれど、何か思いがけない禍や災難があった時に、そのツケは自分に返るだけでなく、社会にも大きな影響を与えてしまう。
    客の側も本物を見る目と評価する心が必要なんだろうな~と関係のない感想をもちました。

  • 初有吉先生。もっと着物がたくさんでてくると思ってました。残念。映像で観たいです。

  • 江戸の材木商の一人娘が婿取りして、切り盛りしていく話
    時代劇でも江戸の下町の話などはありますが、火事がこんなに生活に影響していたのは知りませんでした。
    当時の風俗などもよくわかります。
    歌舞伎の役者買いなんて全然知らず。。。
    当時は役者の子もいっぱいいたんでしょうか。

    最後の衣装比べも華やかで、とても戦時中に書かれたとは思えない作品です。

  • 初の有吉佐和子作品。
    江戸時代に生きた材木問屋の夫婦の物語。
    石屋の三男坊の甚三郎と材木問屋の一人娘お峰の純愛を中心に江戸時代のの閉塞感を描きながら、たくましく生きる町人を描き切った長編。
    ひとつひとつのディティールが非常に素晴らしく、江戸の空気感を非常に濃く感じる。
    特にセリフ回しは素晴らしく、耳からテンポのイイ江戸弁が聞こえてくる感じが心地よい。

    ただ・・・・
    物語としては破綻している。
    前半は甚三郎・お峰をとりまく江戸の日常だが、後半からはサスペンス調の展開に。
    お峰の描き方も前半の少女を思わせる透き通った感じが、後半では男っぷりを感じる江戸女に。

    お峰の変化について、原因・心理的変化の描写が少ないため、読者側が非常に混乱する。
    なぜ?のままラストへ一気にスパートをかけるが、謎は謎のまま、よさげな雰囲気で物語は終結。
    う〜ん残念。

    この一点だけでもクリアされていたら、間違いなく
    後世に残る傑作になったのにな。

    余談だが、物語の重要人物のひとりである七兵衛は圧倒的な存在感!
    生き方・思想共に学ぶことが多かった。
    デフレの今こそ、七兵衛の生き方が見直されるかも。

  • 有吉作品にこれから入りました。江戸時代の羽振りのいい大店の若夫婦の話。ちゃっきちゃきの江戸の粋が感じられます。また昔の本?江戸時代?と敬遠することなくすんなり話に入り込めます。最後までひきこまれ、また最後がふるってる。とにかく面白い。着物好きさんも楽しめる作品。

  • 江戸時代に生きる御新造、お峰と婿入りの甚三郎が様々な困難を乗り越え本当の幸せをつかむストーリー。

    人物描写においてはどの登場人物も語るに奥深く、現代社会と重ねてみるな中で、人間の変わらぬ本質を垣間見れます。

    激動する時代の中、賢くブレない彼らが今この時代に生まれていたら、どんな生き方をしたのだろうと想像してしまいます。

  • 2010/08/01

    読書会の課題本のため読了。

    はじめは、お米のような女性は
    極めて特殊な人間なのかと思っていましたが、
    湯山さんの話を聞いて納得。

    この時代、女性が社会で活躍する場も
    ストレスを発散する方法も少なく、
    抑圧された状況の中で感情が捻じ曲げられてしまったのだと。
    そして、現代の女性にもお米に通ずるものは必ずあって、
    上記の場が取り除かれた場合、
    お米のようになる可能性が誰にでもあるとのこと。

    このことからも、近年、女性の社会進出が進んだことは、
    確実に女性にとってプラスに働いているのですね。

  • 堅実な商法で財を築いてきた、江戸に200年続く材木屋
    お峰と甚三郎の夫婦は若くしてその大店を継ぐのだけど
    世の中は変化して、今までどおりの商いができなくなり、
    財産をねらう親族には苦しめられる。
    壁にぶつかったふたりが出した答えは
    なんと真砂屋を「潰す」こと。

    途中どうなるのかわかんなくてハラハラするけど
    読み終わったあとはとてつもなく爽快で
    お峰と甚三郎の夫婦仲のよさもほほえましい。
    火事と喧嘩は江戸の華、の意味もやっとわかった

    そして何より、出てくるきものがとにかく美しい。
    贅に贅を尽くして織り、染め、仕立てた豪華絢爛な着物たち
    有吉作品に出てくる着物にはほんとにあこがれる。

    読み進めるのがもったいないような美しい文章なのに
    続きを読みたいからどんどん読んでしまう、という
    幸せなジレンマに陥らせてくれる
    すばらしい小説。

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