珍品堂主人 (中公文庫)

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著者 : 井伏鱒二
  • 中央公論新社 (1977年7月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122004542

珍品堂主人 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 骨董屋好きとしては前半が面白い。後半は料理屋のくだりが多くて少しダレる。骨董をめぐる人々の生ぐさい感じが軽妙に描かれていて軽く読める。

  • 面白い。骨董趣味のディテールがリアル。
    つげ義春の骨董屋よりずっと俗物だけど、こちらもやはり破滅型である。

  • ★2.5かな、井伏鱒二にしてはちょっと焦点がぼけてる気がする。
    この作家は暢気なキャラクターを設定しているようで、実のところ闇深い奥行きがあるんだけれども、この作品はちょっとどうかな?文章の美味さとかは改めて触れるまでもないけれども。

  • 骨董。『洋子さんの本棚』にて。

  • お寺に生まれの元教育者が趣味で始めた骨董にどっぷりはまって抜けられない。騙し合いや駆け引きや、どうしても手放せないもの愛してやまないものなんかがあってどうも人間くさい。掘り出しものと出会えないスランプに始めた高級料亭もどうなることやら。

  • 骨董が趣味だった加納夏麿は、50歳を過ぎて教師を辞めて骨董屋になり「珍品堂主人」と呼ばれます。
    <夏麿>、<珍品堂>、いずれも浮世離れした感じです。

    ようやく世間に知られるようになった頃、金が必要になり、スポンサーを得て高級料理屋「途上園」を開業します。

    途上園の経営も安定してきた頃、仲居の教育に力を借りた女性、蘭々女が、徐々に幅を利かせはじめます。

    金を喰う趣味にハマった者の取り憑かれた様子や気持ちには、あきれ気味ながらも、見守るような寛容さのある文章。

    骨董屋として生き抜くための駆け引きの見栄と小狡さや、生業が順調な時の思い上がりなど、現代でも陥りがちな情景です。

    珍品堂主人の虚無か、諦観か、達観か、惑わされる終盤。

    小説としての統一感を崩してまでも描いた、ユーモア、善意・悪意、策略、皮肉、体温、精神性といった混然な様こそ、昭和34年(1959年)という時代の匂いです。

  • 骨董屋の主人「珍品堂」の骨董収集と、料亭経営の話

    掘り出し物を売ったり売られたり、時に口を拭って安く買い取ったりと、狐と狸の化かし合いのごときあれこれ。通人の「騙された方が悪い」は、後味も悪くないし、子供の喧嘩のようで微笑ましい。ところが後半の、経営していた料亭の顛末は、なぁ。なんとも意地の悪い現実だった。まぁ本人は持ち直したので良いか。
    そもそもはタイトルにひかれて手に取った。「教科書に出てくる『井伏鱒二』の小説!」と思って身構えてはいたけれど、そんな必要の全くなかった、楽しい一作でした。

  • この本の主人公の骨董好き「珍品堂」にはモデルがあります。

    モデルとなったのは、料亭の主で、骨董商であった秦秀雄氏。
    号は珍堂と言われたかと思います。北大路魯山人に見込まれ、
    星岡茶寮のあるじとなりますが、職を退き、目黒茶寮・梅茶屋などの
    料亭を経営。ことに梅茶屋は、青山二郎・小林秀雄らが出入りする店
    だったそうです。

    白洲正子さんのご著書「遊鬼」にそのことが記されてあり
    興味を持って読みました。

    骨董好きの、骨の髄までの駆け引きや、料亭のあるじに
    なってからの珍品堂の数奇者・凝り性ぶりが面白く書かれて
    けっこう悪いところやなさけないところもあるのに、読者は
    彼を嫌いになることが出来ません。

    彼の足を掬う茶の師匠「蘭々女」のただならなさや
    したたかさも、二人の対決も泥臭くなく、どこか
    ほのぼのと、温かい味わいがあって、井伏さん自身が
    この主人公を深く愛していたんだなということがじわりと
    沁みてくる佳編です。

    大人のための小説だなぁと、しみじみ楽しかった。

    人生は、ままならなくても、終わりまでは生きなくてはならない。
    その物悲しさやおかしさ、愛おしさがぐっときます。

    人に小説を書かせ、あるいは読ませているのは、
    その約束故なのかも知れません。

  • タイトルが面白いので買ったみたが、井伏文学の真骨頂ともいれるリズミカルな文体と予想外の展開に引き込まれ、アッと言う間に一気読み。最高です。終わり方がまたいい。

  • 話としてはどうということもないんだけど。とにかく文章が秀逸。スイスイ読めて楽しい。

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