- Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122004542
感想・レビュー・書評
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朝日新聞で紹介された本である。能登半島地震についての説明とともに書かれたが、この小説では能登半島について書かれているかどうかがはっきりしない。
でも骨董屋が料理屋を経営してまた追い出されるというストーリーである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高校生の時、「黒い雨」を読んで何とも言えぬ衝撃を覚えました。井伏鱒二にはそんなイメージしかなかったので、そのギャップにちょっとびっくりしながら、最近の「骨董ブーム」の余韻に浸りながら読みふけってしまいました。
結局、真贋を養うには痛い目にあいながら修業を積んでいくしかないのだろうか?やられた分だけ強くなるのか?このまま、この世界に足を突っ込んでしまっても良いものだろうか?と自問自答しながら、さらに骨董について読みふけるのでした。笑 -
骨董屋好きとしては前半が面白い。後半は料理屋のくだりが多くて少しダレる。骨董をめぐる人々の生ぐさい感じが軽妙に描かれていて軽く読める。
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面白い。骨董趣味のディテールがリアル。
つげ義春の骨董屋よりずっと俗物だけど、こちらもやはり破滅型である。 -
★2.5かな、井伏鱒二にしてはちょっと焦点がぼけてる気がする。
この作家は暢気なキャラクターを設定しているようで、実のところ闇深い奥行きがあるんだけれども、この作品はちょっとどうかな?文章の美味さとかは改めて触れるまでもないけれども。 -
骨董。『洋子さんの本棚』にて。
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お寺に生まれの元教育者が趣味で始めた骨董にどっぷりはまって抜けられない。騙し合いや駆け引きや、どうしても手放せないもの愛してやまないものなんかがあってどうも人間くさい。掘り出しものと出会えないスランプに始めた高級料亭もどうなることやら。
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骨董屋の主人「珍品堂」の骨董収集と、料亭経営の話
掘り出し物を売ったり売られたり、時に口を拭って安く買い取ったりと、狐と狸の化かし合いのごときあれこれ。通人の「騙された方が悪い」は、後味も悪くないし、子供の喧嘩のようで微笑ましい。ところが後半の、経営していた料亭の顛末は、なぁ。なんとも意地の悪い現実だった。まぁ本人は持ち直したので良いか。
そもそもはタイトルにひかれて手に取った。「教科書に出てくる『井伏鱒二』の小説!」と思って身構えてはいたけれど、そんな必要の全くなかった、楽しい一作でした。 -
タイトルが面白いので買ったみたが、井伏文学の真骨頂ともいれるリズミカルな文体と予想外の展開に引き込まれ、アッと言う間に一気読み。最高です。終わり方がまたいい。