セーヌ左岸で (中公文庫 M 7-4)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122004894

感想・レビュー・書評

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  •  犬養首相の孫娘が作者。
     エッセイというのは往々にして作者の人間性を教えてくれる物であるのだけれど、10代の少女じみた頑なさが、ちょっとビックリするくらい強烈に感じられる。
     外国生活が長いからなのか、外国と比べて日本を痛烈に批判する箇所も見受けられてなかなか面白い。
     出てくる知り合いが片っぱしから歴史上の大人物ってあたりに作者の究極のお嬢様像が垣間見れる。
     ひょっとしたらこの人は本当に日本で最後の『お嬢さん』だったんじゃないかと思う。
     あまりにも有名過ぎる人間たちに囲まれてしまったが故の、辺りをきっと睥睨しているような厳しさと奔放さのギャップ。
     滲み出るような日本への思い。まるで自分が日本を背負っているかのような気概は、今の日本人には滑稽に映るかもしれない。
     でも、私はカッコイイと思う。思うから何度も何度も読み返す。

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著者プロフィール

1921-2017。評論家、エッセイスト、難民支援活動家。著書に、『聖書を旅する』(全10巻)、『お嬢さん放浪記』『こころの座標軸』など。難民支援活動の一環に〈犬養道子基金〉を創設した。

「2021年 『やさしい新約聖書物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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