お嬢さん放浪記 (中公文庫 M 7-5)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122005310

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  • 2021年1月期の展示本です。
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  • もともとは昭和33年に発行されたものの文庫。犬養宰相の孫娘による昭和23年から足かけ10年くらいのヨーロッパを中心とした外国生活の様子を綴ったもの。見聞録を超え、しっかりのその地に足をつけ根を張り、さまざまな人々と交際し活動していたみたい。いろんなことを企画したりする大胆さ、もの怖じのなさはすごいし読んでいて痛快。現実にあったことだろうかと思うほど。
    ただ、どうしても恵まれた境遇にある人だからこういうことができたんじゃないのという拗ねた心が消えない。昭和23年に遊学的な留学に出ることができたのも、海外でのもの怖じしない行動力も。

  • 佐高 現代の古典

  • 県図書

  • 時代の壁を感じさせない、すごい決断力、すごい行動力、すごい交渉力。

  • 犬養道子さんの処女作。

  • 学生時代に衝撃を受けた本。
    メロンと生ハムもこの本で初めて知った。

  • 犬養道子さんのエッセー。昭和23年に一留学生としてボストンに行った犬養さんのアメリカ&ヨーロッパの10年間の波乱万丈記録。本当に、かっこいい。たくましすぎです。素敵!商売は始めちゃうは、警察沙汰になるわ、でも色々問題が起きちゃっても犬養さんの人間的な魅力で乗り切っちゃうわ、もう、息をつく暇もないほど楽しい本

    犬養さんの色んな場面(修羅場を含む)での知的でユーモアのある一言一言にノックアウトされそうです。
    多くの人に会う犬養さんの、人を見る洞察力や、温かい目で人を見ている感じや、それが感じられる描写など、とても趣深いエッセーです。

    とっても印象に残っているエピソードの一つに、寝台列車(?)に乗った時の話があります。確か、空いてるコンパートメントに入ったら皆が怖そうなイタリアの労働者の男性ばかり、と言うシチュエーション。更にご飯を食べようとしたら邪魔されちゃう。「なんだその食いモンは!」「アフリカ人か?」「え、日本ってのはそんな黒いパン食うのか」とか言われて、せっかくの夜食を奪われてしまう。で、そこからが面白い。その数人の男達は、「パン論争」を始めたのだ。(この論争もとても素敵だけど省略。)犬養さんがその論争を感心して聞いていると、論争の結論は「このパンはオランダのパンだ」と言う事に。それは正解で、論理も当たっていると知るとこの男達は喜んで、自分達のパンを差し出す。もっと美味しいパンだ。犬養さんがパンの美味しさに感激すると「イタリアのパンじゃなくて残念だ!」「ぜひイタリアのパンを食べてください、うちに来てください」と温かい言葉をもらった。

    犬養さんは、その人たちとの交流を持った事で、世間一般のうわさを信じて「シシリー人なら気をつけよ」と思い込んでいた事を恥ずかしく思い、オランダのパンを取り出したことからこんなに楽しい夜食の仲間入りをする事ができた事を幸せに思ったと言う。

    そのやりとり、その感性にとても心を打たれました。私もいつもこんな柔軟な感性を持っていたいと思いました。

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著者プロフィール

1921-2017。評論家、エッセイスト、難民支援活動家。著書に、『聖書を旅する』(全10巻)、『お嬢さん放浪記』『こころの座標軸』など。難民支援活動の一環に〈犬養道子基金〉を創設した。

「2021年 『やさしい新約聖書物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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