目まいのする散歩 (中公文庫 た 13-3)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122005341

感想・レビュー・書評

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  • 再読。

    武田氏の筆(百合子女史の協力による口述筆記)と思考は目眩と共に時を超え場所を替え散歩する。
    鬼姫こと百合子さんのファンなのだが、百合子さんの随筆とは別視点での旅行記も楽しく、そして中々の癖の強さも見えてくる。


  • 作者晩年の随筆、回想。
    本人が狙っているわけではないユーモアが面白い。
    口述筆記だが、積年の重みがあって一篇ずつドシンと来る。

  • 小説というよりはエッセイである。8つの散歩であるが、一続きのものである。自分の住所の変遷、ロシアへの旅行など、住まいを変えたところのアパートや寺などを書いているので、都心に住んでいる人にとっては面白みがあるであろう。
    高橋源一郎の小説家になるために、という本で推薦されている1冊である。

  • 笑えるポイントはほとんど百合子さんの話だったな
    幼い花さんのうんこに纏わる話も笑った
    ロシアに行った時の話を、泰淳の言葉を通して見る百合子さんの姿として書かれてあってなんか面白かった
    百合子さんが筆記してるから、文を読んでると、泰淳と百合子さんの2人の声が聞こえるみたいでいいなと思った(病気だったからよかないだろうけど)

  • 散歩の視点が変わってゆく。
    泰淳からみた百合子さんの視点。
    奥さんの視点で奥さんの日記の記憶から書いている記録がなんだかよい。

  • 8篇の随筆というか私小説というか、なんともいえない不思議な短編集。
    脳血栓で倒れてからのふらふらゆっくりした明治神宮や靖国神社の散歩が始まったかと思うと、いつの間にか幼少時の回想や、終戦直後に酒房の二階に住んでいた時分の生活に引き込まれている。散歩はいつも「女房」と一緒だが、本書はその百合子さんが口述筆記したものである。特に「鬼姫の散歩」では百合子さんの武勇伝が語られているので本人はさぞ面映かろう。
    後半の2編は例のロシア(ソ連)旅行の話である。

  • 共感する作家
    もっと読みたい

  • 持病持ちの男の病弱な日常

  • 自分も散歩が好きなので、なんとなく話に共感が持てた。
    様々な散歩が紹介されていたが、自分も、年を重ねても、穏やかに散歩をしていたいものだと感じた。

  • 優しい人。

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著者プロフィール

武田泰淳
一九一二(明治四十五)年、東京・本郷の潮泉寺住職大島泰信の息子として生まれる。旧制浦和高校を経て東大支那文学科を中退。僧侶としての体験、左翼運動、戦時下における中国体験が、思想的重量感を持つ作品群の起動点となった。四三(昭和十八)年『司馬遷』を刊行、四六年以後、戦後文学の代表的旗手としてかずかずの創作を発表し、不滅の足跡を残した。七六(昭和五十一)年十月没。七三年『快楽』により日本文学大賞、七六年『目まいのする散歩』により野間文芸賞を受賞。『武田泰淳全集』全十八巻、別巻三巻の他、絶筆『上海の蛍』がある。

「2022年 『貴族の階段』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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