犬が星見た: ロシア旅行 (中公文庫 た 15-4)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122008946

感想・レビュー・書評

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  • 百合子ファンとして、この本ももう何度めかの通読。
    じつに百合子さんらしい、ならではの旅の記録。
    こんな表現をするひとって当時、ほかにいなかった
    んじゃないかと思われる。
    銭高老人なんて、作られたキャラクターのよう。
    百合子さんにかかるとこうなるのだなぁ。

  • ウクライナ旅行を思い出した。

  • 淡々としてるのに、なんて素敵。自分がすきな女友達はこんなかんじだなと思った。昭和44年、夫婦と竹内さんのロシア旅行記。端々の場面や言葉がいくつも心に残った。私もこんな旅行記が書けたらいいな。日記は、基本だな。
    いろんなところでよくお酒も飲む。ちょこちょこ絵葉書を買う。さりげないが夫には歯がない。
    添えられたあとがきで、読んでる間はリアルタイムで体感してる気持ちになるけど、本は後から振り返る存在だって気がつく。
    銭高老人もすてきだった。きりとり方がすてきなのか、百合子さんが好きな人が好きになる。
    いってきたところがでてくると40年前でも懐かしくてうれしい。中央アジアにわくわく。

  • 読むのに少し時間がかかったけど、読んでよかった。武田百合子は物事をじっと見ている。それをそのまま書いているのに、それだけなのになんでこんなに楽しいんだろう。清廉潔白かと思いきやガイドの女に対する陰口を聞いているのが楽しい、とか正しいだけの人でないのが面白い。帰りの飛行機で武田泰淳と竹内さんが時々、「スパシーバ」「パジャールスタ」と言い合ったというのがなんだか深く胸にきた、銭高老人も元気であの世にいるだろうか。

  • 読みながら、同い年の友達が来年から夫婦で世界一周旅行することに思いを馳せて、なぜかわたしがすごいワクワクした気持ちになった。

  • なんて魅力的な文章。この人は作家になろうとしたなった人ではないかもしれないけれど、書かなくても作家だったんだとおもう。それを見抜いていただろう武田泰淳はエライなぁ。
    富士日記も今さらだけど読む!2013/2/26

  • 1960年代にロシアを旅する、ってどんな雰囲気だったのだろう。ロシアから、コペンハーゲンに移った途端、豊かさの温度差をみせつけられて驚いた。ロシア=社会主義国って、貧しい…理想倒れ…という解釈でいいの?
    まぁ、それよりも百合子さんが素敵すぎて泰淳がかすむ、なんて。うそ、かわいいただの男になってます。銭高老人のキャラもよいです(p.82「銭高さんの言葉は大坂漫才の言葉です」)。今度は泰淳を読んでみたいな。
    (なんで百合子さんは泰淳の子を4度までも堕胎しなくてはいけなかったの?)

  • 昭和40年代、ロシアの旅行記。やたら食べて酒を飲んでいる。さして楽しそうでもない博物館を見たり、町を歩いたり…。ただそれだけ。
    単調で大きな事件もない。なのに最後に行くにつれ、それぞれの人柄が際立ってきて、私まで彼らを大好きになる。
    そして最後に、あとがきを読んで涙が出てしまう。
    なんて不思議な本なんだろう。

  • 友人が「冬に読む本」と言っていたから本棚からひっぱり出した。

  • 2013/11/22読了。
    武田百合子らしく素直な旅行記。
    飾らない言葉で語られてるが、何とも味わい深い。

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著者プロフィール

武田百合子
一九二五(大正一四)年、神奈川県横浜市生まれ。旧制高女卒業。五一年、作家の武田泰淳と結婚。取材旅行の運転や口述筆記など、夫の仕事を助けた。七七年、夫の没後に発表した『富士日記』により、田村俊子賞を、七九年、『犬が星見た――ロシア旅行』で、読売文学賞を受賞。他の作品に、『ことばの食卓』『遊覧日記』『日日雑記』『あの頃――単行本未収録エッセイ集』がある。九三(平成五)年死去。

「2023年 『日日雑記 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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