細雪 (中公文庫)

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著者 : 谷崎潤一郎
  • 中央公論新社 (1983年1月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (936ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122009912

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細雪 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「細雪」は本当に面白い。何せ女の4人姉妹ですよ。色々出来事がこじれないはずがありません。彼女らの生き方の物語としても面白いっちゃ面白いのですが、私は昭和初期の着物や風俗を読むのが楽しいです。

    何せ上品だし、文章は馴染みやすいし、話の展開もわかりやすいし、心情描写も細やかだし、登場人物には共感できるし、良い人しか出てこないし、誰が読んでもきっとその人なりの楽しみを見つけてもらえる小説だと思います。

  • この長い長い小説の面白さは一体どこにあるのだろうと考えてみる。
    よく言われる船場言葉の艶やかさ、戦前の阪神間富裕層の生活文化の洒脱さなどがこの小説の魅力であることは間違いないのだが、現代の目から見ると、小説の世界に読者を引き込んで離さないのは雪子と妙子のかなり極端なキャラクター、そして雪子の縁談と妙子の巻き起す事件が織りなす巧みなプロット構成が「小説としての面白さ」の土台であるのではないかと思われる。
    これは見方の分かれる所とは思うけれど、微に入り細に入り描写される着物の柄やら舞の所作やらは、教養のない私のような現代の一読者からすれば、文豪谷崎の筆力をもってしても必ずしもディテールが目の当り浮かぶほどの想像力を喚起できないのだ。これはある種時間的な断絶のなせる技であり、同時代小説とはそのような宿命を持つものだろう。
    しかし「旧家の家風」の価値観をベースに展開される物語は、そのような価値観が歴史的遺物となった現代から見ても小説内のルールとして受け入れることができる。これは時代小説で武士が簡単に切腹して死んでいくのをおかしいとは思わないのと同じようなものだろう。物語は旧家の家風に抗う者(妙子)と本家には反撥しながらも形勢に身を委ねる者(雪子)、両者を慈しみながらも何かと板挟みになり手を焼く次姉夫婦らの感情の交錯が読みどころであり、時に同情し、時にハラハラし、時に「何だそれは⁉︎」と呆れ果てながら、彼女たちの巻き起す事件の先を読み進めずにはいられない、これぞ文豪の傑作と讃えられるところだと思う。粗筋といってまとめ難く、結末という結末もないので、詰まる所小事件の連鎖であり、NHKの朝の連続ドラマにも似た趣とでもいうべきか。とにかく魔法にかかったように読み始めたら止まらないのである。
    「何分で読める何々」とかの要約本も流行っているようだが、本書や『吾輩は猫である』のような小説は要約のしようがないのではないか。
    それにしても実名でここまでクサされた奈良ホテルは一体谷崎に何をしでかしたのだろうか?

  • 一度は読むべき書物だと思う。日本語の美しさと、大衆文学の醍醐味を味わえるこんな小説初めて読みました。実は読んだのは数年前だけどなんとなくまた読みたくなる衝動にかられています。卍や陰翳礼讃も大好きな作品。日本人なら一度は読むべき。オススメです。

  • およそ930ページ。すごい達成感だ。11月をかけてゆっくり読もうと思ってたけど、もう手首がしんどいのでさっさと読み終えてしまった。文字小さいし改行少ないしページは多いしで大変だったけど、いざ読み終えるとその空気が恋しくもある。とある先輩が、「読み終えると親戚が増える、それが細雪なのです」なんて言っていたけど、確かにこの一ヶ月、蒔岡家にホームステイしていたような気分だ。作中では、何年もの月日が流れるのだけど。

    こういう小説を、現代の日本で書ける人がいるんだろうか。清潔で、高貴で、それでいてどこか庶民的。たとえば、暦の上に生きて、この時季にはこれをする、春には平安神宮にお花見に行くとか、秋には月を観るとか、そういう、四季があることが当たり前なんだけど、それを有り難く享受する「日本人」の生活がやらしくなく描かれる。それは時代のせいもあるかもしれない(今そんなもの書いてもわざとらしくてきな臭い)けど、谷崎にしかできない、というか、谷崎の書くそれが、なんとも言えず風流であって、それを一行一行、すするように読んでいくのがこの小説の醍醐味でありました。

    田辺聖子も解説で書いていたけど、一番印象的だったのはこいさんが雪子の足の爪を切っているのを、貞之助が垣間見る場面、だと僕も思う。足の爪を切る、という行為は、まるで主と従の関係みたいだけど、切られる方も切る方を信頼していないとなかなかできないことで、それが姉妹、しかもお互い思うところはいろいろあるはずの二人の間で行われているところに、中姉幸子の夫が出くわして、雪子が足を隠す、というのが、妖艶で(←言葉選び最悪。僕は絶対谷崎にはなれない)閉鎖的な姉妹間の特別な信頼関係と、その家の主人なんだけど、その間には決して入れない男の気まずさ、みたいなものがまざまざと浮かび上がってきてとにかくすごい。また僕は日本語が下手なので、こう書くとあたかも谷崎がドヤ顔でそう書いてるみたいに思われるかもしれないけど、するっとこの場面を流して次にいっちゃう潤一郎まじ男前。

    ラスト50ページ、幸子と雪子が本家の長姉鶴子のもとにほんの僅かな時間だけ挨拶に行く場面。その別れ際で鶴子はぼろぼろと泣いているんだけど、幸子たちは逃げるように乗り込んだ車内で「芝居に誘うて欲しかったんと違うんかしらん」(p.872)と勝手に納得する。……って、いや、そんなわけねーだろ!と、ツッコむところで(自分の中での)大どんでん返し。谷崎はんはいつものようにその場面も流してどんどん話は次へ進んでいくんだけど、一方読み手である自分の中ではこんな疑問が生まれて膨らんでいるのだ、え、え? こんなわかりやすいすれ違いも放っとくの? もしかして今までもこういうのあったんかな、だとしたら今まで読んできたおれの『細雪』何だったの? ……とまあこういう具合で、もう一度読まなければいけない気にさせる、これはなかなか普通に出逢えるものじゃないと思うんですよね、僕はちなみに『本格小説』以来の感覚を味わいました。ああ、読書ってすばらしい(月並み)。

    個人的に裏表紙のあらすじが完全にネタバレなのが気にくわない。

  • 夏の長編読書.初の谷崎潤一郎である.長い長い文章で文字のぎっしり詰まった900ページ超の文庫に書かれているのは,端的にいえば,旧家の姉妹におこる恋愛,結婚話である.それが徹底的に女性の視線,女性の思考回路で描かれている(ように私には思えると言った方が正確か).家庭の中の出来事を描いた小説であるにも関わらず,ここには不思議なことに,とんでもないスケールを感じさせるものがある.その根源が上方に脈々とつたわる女性の文化なのであろう.とんでもなく懐の深い小説.これだから読書はやめられない.

    あとは雑感.
    多分この小説は高校生が読んでも面白くないだろう.これを楽しむにはある程度,年を取ることも必要なのかなとも思った.
    もう一つ.幸子の夫の貞之助の余裕がすばらしい.こういう夫になりたいが私には無理だろう.

  •  そうとうな長さですが、話が面白かったのでページを気にせずに読み終わりました。しかし、挫折する人も多数いる模様。エピソードにおもしろさを感じられればはまるかと。
     雪子がウサギの耳を片足でひょいと持ち上げたことを作文に書かれちゃう話がすごく好きです。

  • 雪子の左目の目尻に浮かぶシミ。あれは完全なシーニュで、当初からそれとしての価値しかない。川端の『千羽鶴』に出てくるやり手ババァ(主人公の父親の愛人の一人だったかな)の胸にあったアザはもっと肉感的だった。

    ところで、この小説では「戦争」(時局、ナチズム)あるいは「死」(木下の死、妙子の伝染病)は常に底流にあるが隠されていて、いずれもある日突然に(まさに「洪水」の後から)湧き出す。普段はシーニュでしか現れないものが、やがてシーニュではすまされなくなってゆく。そういうものの代表が雪子のシミで、最初は「ほうっておくか、結婚すれば治ってしまうもの」であったが、結局「体の一部として身についてしまった」当のシミなのである。

    中村真一郎によれば谷崎はプルーストを読んでいたらしい。本当なら興味深い。いずれにせよ、いらぬ「批評の誘惑」を喚起する小説。

  • 生活劇。
    昭和11年秋から昭和16年春までの大阪旧家の4姉妹物語。

  • 貞之助は、なんてよくできた婿なんだ。

  • 大阪船場の旧家にいた美女4姉妹の日常生活が、船場言葉で絢爛に描かれた小説。昭和10年代のありようが、徐々に落ち行く上流階級の4姉妹各々の生き様を通して伝わってくる。物語はとりわけ、芯は強いが当世風に馴染まず内気な三女の雪子を軸に進む。ぐずぐずと煮え切らない面には幾度も苛立ったけれど、そのゆったりとした時間感覚で四季折々の行事を楽しめる。何より一貫して爽やかな印象なのは、意見が異でも仲違いはしない、上品な血の繋がりが根底にあるからだろう。だからこそ、終わり方に衝撃を受けた。

  • 細雪上中下巻。上巻は昭和18年、中間は昭和22年、下巻が昭和24年と戦争を挟んで執筆、出版された。(文庫本で929ページの長編。)小説の時代設定は日本が先の大戦に突入する直前くらいの何かと先が怪しくなってきた時代。それでも世の中はそんなに深刻になるとはつゆ思わず淡々と回っていく。大阪の旧家蒔岡(まきおか)家は大層な羽振りであった先代当主がなくなり女ばかりの四人姉妹が後に残った。長女、次女は先代が存命中に縁談をまとめてもらい本家と分家をそれぞれ構えることになる。家には昔日の勢いは失われているものの、庶民とくらべると数段上質の生活を送りプライドも高い。それぞれ当主である長女・次女はかなり格式にも縛られている。でも次女幸子の方は縛られ方も少し緩やかではある。そういうところに居心地の良さを感じている三女雪子四女妙子は幸子の家での生活が気に入っている。三女雪子は美人だが内気なため婚期が遅れている。四女妙子は外向的で自分の手で稼ぎ自由に恋愛もする。そういう姉妹がそれぞれの性格を見せながらポリフォニーが織りなされていく。縁談、花見、芝居見物、お稽古毎、恋愛、病気、災害、外国人との交流などのイベントが走馬灯のように次から次へと現れては消えていく。特に大層な筋書きがある訳ではない。が、結構浸れる。

  • 世界にどっぷり入ってしまって、「ねー、こいさんがさぁ・・・」と話しかけそうになる。本の登場人物だった。
    図書館で借りたので手元に置きたい。
    何度か読み返すことになってしまうだろう。
    このユーモア・・・だれもウケなどねらっていない(はず、な)のだが・・・ものすごくおかしみがあるなぁ。。

  • 四姉妹が生き生きとして描かれていたことと、男性作家の割には女性の心理が事細かに描写してあって、嫌らしくもなく偏ってもなく、その筆力にさすが大谷崎と思わせられました。
    そして物語にはっきりと雅を出しているのが舟場言葉では無いでしょうか。太宰治の斜陽もそうですが、滅んでいく時が一番美しい、その様を見事に描き切っていると思います。
    最後、雪子のお腹の不調を感じさせながら終わる、というのをどう解釈したらいいのかわからないので再読したいけど、この量だと再読にも体力が要りそうです。

    物語の舞台では戦争の気配しかありませんが、この四姉妹は果たしてどう戦火を生き延びたのでしょう。(鶴子の子供は上の子らは召集されてそう)物語のその後を色々想像して楽しめる作品というのもなかなかないですね。

    (全)で買いましたがそれだと重いので寝ながら読む時腕が怠くなります。買うなら上中下での方が良いと思います。

  • 失われた時代を美しく、時にコミカルに、そして哀しさもまじえて映し出す傑作。

  • 本がでかすぎ。新潮文庫のほうが読者のことを考えている。

  • 上中下3冊分が、1冊にまとまった、中公文庫版。
    読むのに時間がかかってしまったので、毎日持ち歩いてすごく重かったけど
    その重さが、私は今、純文学を読んでいる、と満足感を与えてくれる。
    たまに現れる昭和の雰囲気の挿絵もよい。

    文章の美しさは、読んでいるときは私は取り立てて感じなかったが
    この後他の人の本を読むと、すごく拙い日本語で書かれているように感じてしまう。

    戦時下に書かれたと言う。
    どんなに貧しい時代でも、言葉は自由だと思った。

  • 映画観たさに読み始める。厚さの割にすいすい読めた。

  • 上方の姉妹の目線で描かれた戦前の風景や人物、空気感が体に染み入るような文体、楽しめた一冊

  • 大阪船場に古いのれんを誇る蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子が織りなす人間模様のなかに、昭和十年代の関西の上流社会の生活のありさまを四季折々に描き込んだ絢爛たる小説絵巻。三女の雪子は姉妹のうちで一番の美人なのだが、縁談がまとまらず、三十をすぎていまだに独身でいる。幸子夫婦は心配して奔走するが、無口な雪子はどの男にも賛成せず、月日がたってゆく。(Amazon)
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    これまでに、何度も何度も映画化・舞台化された名作。
    私が今回そんな文学を読んでみようと思ったのは、「海街diary」がきっかけです。

    ...と言っても、原作を読んだわけでも映画を見たわけでもないけどね!(笑

    いやでも、女4兄弟って昔からよく作品になりますよね。
    古くは若草物語、そして細雪、海街diary。

    同じ両親から生まれた女性でも、それぞれの個性がとても面白い。

    本作品も、興味深く読みました。

    舞台は神戸、芦屋、大阪。
    基本的には次女・幸子の家で物語が動きます。
    と言うのも、結婚した長女以外の三女・四女ともに
    次女の家にほとんど入り浸っているから(´ω`*)

    姉妹のうち長女だけが後半で東京に引っ越します。
    それに伴い、三女も東京へ行くのですが、東京が嫌さにしょっちゅう口実を設けては次女の家に入り浸る(ノ´∀`*)

    お嬢さん育ちですからね。
    東京の狭い家より地元の広い家の方がいいのね。

    で、この三女雪子さんが美人にも関わらずぜーんぜんお嫁の貰い手がなく、周りの心配もなんのその。

    貰い手がない、と言うよりはあれですよ、
    選り好みしてたらいつの間にか選ばれる立場になってたやつ。

    でも自分に自信があるのか?
    嫁に行く気がないのか?
    当時としては三十路過ぎておひとり様って、かなり異質だったのでは...
    (当時は、ですよ。当時は>強調)

    で、けっこうこの三女、くせ者。
    私はちょっと苦手なタイプだと思うw

    なんかけっこう頑固で、外では何も言わないくせに
    家族の中では割と勝手なことばっかり言って
    人に説教ばっかりして自分のことは棚上げ、な感じヽ(´Д`ヽ)

    これは...
    結婚してもうまくやれなそう...
    と、人ごとながら無駄な心配をしたりして。

    途中で水害の場面が出てくるのですね。
    最近、関東でも甚大な被害がありました。
    そのせいかそのシーンがすごい臨場感があって...

    被害に遭われた皆様の傷が一日も早く癒えますように、
    とこの場を借りて言わせていただきます。

    今現代の感覚だと、やっぱり四女が一番好感度高そう。
    自分の道を自分で切り開こうとする女性は、いつだって人気ですよね。
    (若草物語だとジョーかな?)

    にしても、すごーく朝ドラ向きの作品ですよね!
    もうすでになってるとは思うんですが、またやればいいのに~。
    ちょっと食要素を足せば絶対いい>「ごちそうさん」かw

    と言うか、第二次大戦前のこの時代って、
    世界的にはともかく庶民としては
    意外と一番いい時代だったのかも知れない...

    懐古趣味なのでまた昭和の作品を読みたくなりました♡

  • 京極夏彦なみにぶ厚いけれど文章は読みやすく内容も面白いのでなんの苦もなく読み進め、あと残り何ページとわかるようになると淋しくすらなった。
    私は元々これの映画(1983年)が好きでおおまかな内容は知っているつもりでいたのだけど、読み始めると人物の性格が随分違っていて驚きました。
    特に映画では浮気者の貞之助兄さんが、原作では実に誠実で情深い人柄であるのがよかった。
    理想の夫婦を絵に描いたような蒔岡夫妻。
    末っ子の妙子も、映画の何か云えば引っかかれそうな攻撃的な雰囲気と違って、中巻までは筋の通った、あくまで育ちのいいお嬢さんらしいのが興味深かったのだけども、下巻に入るなりその株が一気に転落、ギャップのせいでむしろ映画よりタチ悪く感じられた。(笑)
    この小説を盛り上げるいちばんの立役者は彼女でありましょう。
    全編とおして呆れたのは幸子の妹らに対するベタベタの甘さ。
    雪子の幼稚園児並みの凄まじいコミュ障は「雪子ちゃんはこういうひとやから」と謎の前向きさで教育放棄してきた周囲のせいに間違いない。
    最初のうちは雪子本人に引いてたけど、橋寺さんの一件以降はもう、三十過ぎまでそんな情けない状態で放置された彼女に同情心しか湧かなくなった。
    妙子に対しても、常に顔色を伺って「昔からこういうとこのあるひとやから」と端から許してしまっていて、これは舐められてうまく利用されてしまっても仕方ないんでないのと思う。
    決して叱ったり強制したりせず、あくまで優しくお願いするスタンス。
    どうしてピシャンと云ってやらないのか、せめて映画みたいに肩掴んで揺さぶって怒りを表現すればいいのにと、地味にフラストレーション溜めながら読んでました。
    それがお上品ということなのか、直接的にものを云わない上方文化なのか。
    そういえば、この小説の魅力のひとつは彼女たちの使う上品な関西弁(船場ことば)が醸す情緒で、私も映画でそれを聞くのがとても好きなのだけれど、長編小説で延々それを読んでいるとそれがどんどんもったりと重苦しく感じられてきて、たまに出てきた人物がすっきりした東京弁で話しだすと異様に爽快感、開放感を覚えるので、やはり自分は関東者だと自覚させられました。
    東京弁の引っかからずすらすら進む媚びのないリズムが好き。
    しかし話を戻して、苛々させられるから幸子が嫌いかといえばまったくそんなことはなく、映画でも小説でも、姉妹の中でいちばん好きなのは幸子さん。
    鈍感さも詰めの甘さもお嬢さん育ちの世間知らずと愛情深さ故、妹ふたりにさんざ振り回されて泣く彼女を、まったく人がいいんだからと呆れつつ激励してやりたい気持ちだった。
    特に妙子があんなになっても見捨てないのには心底感心したわ、私ならとっくの昔に愛想尽かしてる。
    最後に、この作品でいちばん好きな場面は洪水時のお春どんの大活躍でした。
    激流の中どうにかして小学校へ行こうと頑張って、お嬢さんご無事でと悦子に飛びついたところでは思いがけず目頭が熱くなったし、その後悦子をおぶって行く貞之助を水流からかばって誘導するところもかっこよかった。
    お優雅風流も結構だけど、いざってときは野蛮なまでに闘える女が、やっぱり私は好みみたい。
    ちなみに登場人物でいちばん好きなのは井谷さんでございます。
    云いたいことをストレートに云う嫌味と遠慮のない性格と、映画のぺらぺらぺらぺら立て板に水で喋り続ける独特の調子が好き。(笑)

  • <閲覧スタッフより>
    大手前大学 交流文化研究所主催 文芸講演会
    村上春樹と『阪神間文化』の周辺-私がめぐりあった作家たち-
    講師:ノンフィクション作家 小玉武 先生

    文芸講演会記念 特集展示本
    --------------------------------------
    所在記号:文庫||913.6||タニ
    資料番号:10229575
    --------------------------------------

  • これだけのボリュームがあるから惜しみなく読んでしまったけど、言葉遣いや雰囲気が美しくて、進めるのがもったいなく感じられた。
    姉妹のうち末二人の年齢が自分と近いからか、人生の進路について、また結婚観に強く興味を引かれた。
    周囲がどんなに気を揉もうと、お膳立てしようと、結局は収まるところに収まる、のだろうか…
    貞之助さんが、中立的で進歩的で人間味もあって心が広く、さらに行動力まであってとても魅力的に思えた。
    また読みたい。

    2014/3/8

  •  
    ── 谷崎 潤一郎《細雪 1942-1948‥‥ 19830110 中公文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/412200991X
     
    ── 谷崎 潤一郎《細雪 194301‥-194710‥ 中央公論/講談社・新潮・角川文庫》19400429*皇紀2600
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19741210 板坂文庫(上) ~ 日本文学三六五日 ~
     
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%BD%E1%B0%EC%CF%BA
    ── 市川 崑・監督《細雪 19830521 東宝》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%BA%D9%C0%E3
     
     谷崎 潤一郎 作家 18860724 東京 湯河原 19650730 79 /~《痴人の愛 192403‥-192507‥》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%C3%D4%BF%CD%A4%CE%B0%A6
     
    (20150108)
     

  • 没落した関西の上流階級の四姉妹の物語。
    なんとも言えず、非常に美しいです。

    日本人がどこかに持ち合わせている、奥ゆかしさ。
    そして、家族であることの絆。

    1人1人の登場人物の、心の微妙な揺れ動き方が
    実に見事に描かれています。

    900ページを超える長編のせいか
    読み終えると、この家族と知り合いのような
    感覚になってしまいます。

  • 1950年(昭和25年)ベストセラー
    請求記号:Fタニザ 資料番号:011212180

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