宇宙からの帰還 (中公文庫)

  • 1040人登録
  • 3.94評価
    • (129)
    • (108)
    • (131)
    • (8)
    • (1)
  • 102レビュー
著者 : 立花隆
  • 中央公論新社 (1985年7月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122012325

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島 由紀夫
宮部 みゆき
レイチェル カー...
ヘルマン ヘッセ
フランツ・カフカ
有効な右矢印 無効な右矢印

宇宙からの帰還 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「宇宙に行った」というのは、いかなる体験なのか? というノンフィクション。
    文庫でも1985年の刊行なのでかなり古い本なのだが、宇宙に行ったということが宇宙飛行士の内的変化から書かれており、古さを感じさせない内容だった。
    「これは特筆すべきことだと思うんだが、宇宙体験の結果、無神論者になったという人間は一人もいないんだよ」というある宇宙飛行士の表現が、この本を一言で言い表しているかと思う。

    この言葉は正確には、宇宙体験をしてから神を信じるようになった、という意味ではない。しかし、宇宙に行って宇宙体験をした宇宙飛行士の多くが「超越的なものの存在を信じるようになった」と語っているのはとても興味深かった。
    これは、宇宙から地球を見ることによって、自分の存在が「個」を超えた存在――より大きな包括的のものの一部でしかない、という意識を持つためらしい。

    宗教を信じる、という感覚は、私はよくわからない。しかし、それでも彼らが宇宙へ行ったことによって、一種の神秘体験をしたのだな、ということは伝わってくる。彼らの世界が変わったのではなく、認識が変わったのだ。
    おそらく、一番違うのはやはりスケールだろう。より大きなものに触れることによって、宇宙飛行士たちは自分が精神的な存在であることに気づかされたのかもしれない。

    当時科学の最先端にいた宇宙飛行士が「超自然的なものを感じた」と語るインタビューは、読んでいてとてもワクワクした。
    そしてこれは著者の立花さんも言ってあることだが、自分も純粋にその体験をしてみたい、と思った。彼らの言う感覚を、ぜひとも自分も味わってみたい!
    一般人でも宇宙に行けるようになるのは……いったい何年後、何十年後、あるいは何百年後のことだろう?

  • 『火星の人』の次に読むと決めていた。宇宙飛行士の精神世界に踏み込んだルポは新鮮である、のに本書は自分が高校生の頃=昭和58年に刊行されていた。米ソのソ連も懐かしい響きだった。アポロ13号の緊迫感は映画のそれを上回った。後半での宗教に関する彼らの考えが素晴らしい。また現代の科学技術の限界に対しても「分からないものは分からない」という真摯な態度も好ましい。

  • すごく面白い。興味深い。30年くらい前の本だけど、職業として宇宙飛行士してる方が宇宙で体験する感覚(?)は、今も昔も根本的に同じなんじゃないかなぁ

    宗教的には「神がいる場所」とされる空(宇宙)に、いまは科学やら工学やらを叩き込まれたプロ宇宙飛行士しか行けなくて、内面の変化を伝える術を持たないっていう着眼すごいなーって思った。
    本の中で触れられていた、
    「哲学者や詩人が宇宙飛行できる世界になったら、彼らは宇宙体験をどのように表現し、どのように大衆に伝えるのか」
    ってとこ!とても興味あります。


    読んでいて思ったのは、自分の行動がどんなであったとしても、それが直感的に正しいと信じる事ができ、かつ振り返ってみてもその決断が間違っていない… そういう瞬間にひとは自分の行動に神を見るんだなぁって思います。
    あと、「神はパターンである」って考え方。初めて触れたので面白かった。
    古来より成功確率の高いパターンを「神」という存在に重ね合わせるっていう。
    これ成功パターンだよね→これが成功パターンって決めたのは誰?→神だよ!!
    って流れ…
    不可解だけどしっくりくるもの、そしてそれがなぜしっくりくるのか…

    読んでる最中も、読了後も、夜空に浮かぶ月を見つけると、なんかえもいわれぬ気分になります!
    郷愁のような…?
    わたしの故郷は地球なんですが

  • 初めて読んだときは、とにかく衝撃だった。
    宇宙から地球を見るという経験は、人間の精神をここまで変えるのか。

    ともに宇宙を体験した宇宙飛行士たちが、お互いに語り合ったことさえなかったという精神変化。それをここまで率直に引き出す著者のインタビュー手腕に感服。立花隆というジャーナリストのすごさを感じた一冊でもある。

  • 20年前の本だが、book offで発見し読んだ。
    宇宙に行った人の内面的な変化についてインタビューを中心にかかれている。特に重点が置かれているのは神について。神や精神的な事についてまじめに、宗教的・哲学的・科学的に宇宙飛行士が述べている。その中で、宇宙飛行士に共通する意識として、地球への愛情と国家の争いの馬鹿らしさというのが印象的。また神とは宇宙に満ちるスピリチュアルな宇宙生命のようなものという考えはもっとも自分にしっくり来るものであった。手塚治虫の火の鳥の世界観との類似を感じた。

  • このアカウントでのブクログ初登録作品。

  • この本は相当に面白かった。
    読みながら久しぶりに知的な興奮を味わった。

  • 1985(底本1983)年刊。◆アポロ等の宇宙計画に参画した米宇宙飛行士の体験を著者が聴取レビューしたもの。アポロ計画の内情・宇宙飛行士の隠れた私生活・帰還後のビジネス進出・宇宙飛行士の宗教観・地球観の変遷等、宇宙飛行士を定点として人間の宇宙進出の問題を多面的に切り取っており興味深い。特に月旅行した人達の宗教観が大きく変わった事実は、月面基地完成の暁には、発想の異なる人類が生まれることを期待させる。◆なお、スタンフォードのESP研究は「成果なし」ということで1994年に終了したよう。この点は話半分かな。

  • 宇宙を体験した飛行士たちの精神の変化。
    トラブル、環境の変化と順応性。宗教。
    映画みたい…

    0036-00159-4622
    昭和58年初版

  • 難しいことを、解りやすく書いてくれるので、立花隆好きです。この本は、地球を外から見る、宇宙から見るという普通に人にできない経験をした、過去の宇宙飛行士たちの宗教観が、宇宙に行く前と後でどのように変わったか、インタビュー形式で書いてあります。立花隆個人の宗教観は書いてありませんが、インタビューを掲載してる順序等に彼の宗教観が出ているような気もします。

  • 茂木健一郎 氏
    頭は「本の読み方」で磨かれる
    にて推奨

  • 必ずしも立花隆の本をしっかりと読みこなせた記憶が無いのだけれど、何かの本で「この本を読んで感動しない人はいない」とあったので、購入してみた。

    確かに、彼の他の本に比べて非常に読みやすいし、理解しやすい。

    宇宙飛行士という、地球から出た事のある人たちは、立花隆の質問に対して皆非常に理知的・論理的に答えており、好むと好まざると、その経験により内的変化が起こっているのは間違いなさそうである。

    当時に比べて、民間人が宇宙に出られる可能性は格段に高くなっている。

    ホリエモンが宇宙に行ってくるなどという発言を金持ちの戯言とバカにして聞いていた事もあったが、よく分かってなかったのは自分だったようだ…

  • また5つ星の本に出会った。
    評論家である立花隆の本は圧倒的な説得力と徹底的なリサーチ、筆力で読者をうならせる。いい意味で重厚で、こういう本は他の作家にはなかなか書けないだろう。
    本書は、スペースシャトル以前の初期のアメリカ人宇宙飛行士たちが、宇宙飛行の後に内面的にどんな変化があったのか、十数人へのインタビューを中心に構成されている。著者の感想のようなものはなく、硬派なノンフィクションだ。精神の話だから、自然科学系に弱い人でも十分楽しめる。
    地球に帰ってきた宇宙飛行士は神掛かっているという。神の存在を強く認識して引退後宗教活動をする人や、多くの人が企業の重役として全く違う分野に進む。宇宙から地球を観ると、その美しさは筆舌に尽くしがたいという。一方、暗黒の宇宙の中で生きられない人間という存在のむなしさも感じる。アポロで月に行った人と行かない人ではまた内面へのインパクトが違うという。
    科学者や軍隊出身が多い宇宙飛行士同士ではこういう内面の話はしないそうだが、それぞれの経験や感じたことがとても似通っているのが驚きである。
    宇宙飛行士がどうやって選抜されるのか、どういうトレーニングを受けるのか、飛行後どういう生活をするのかなど、興味深い内容が詰まっている。

  • 『アナと雪の女王』が話題ですね。同じく3Dアニメ映画として有名な『トイ・ストーリー』の主人公「バズ・ライトイヤー」の名前が宇宙飛行士バズ・オルドリンに由来することをご存知でしたか?(私はさっき知りました)
    本書はジェミニ計画やアポロ計画に携わった宇宙飛行士の内面に迫ったノンフィクションの名作です。宇宙体験によって人の心はどう変わるのか。立花隆の徹底した取材で「宇宙体験以後」の衝撃的な人生が明らかにされます(特にバズ・オルドリンのエピソードは必見)。
    じめじめした梅雨の時期、刺激的な一冊で宇宙に思いをはせてみてはいかがでしょう。

  • ・宇宙に出てみると人間の精神の段階が変わる
    ・国境などない、紛争が無意味、環境問題
    ・神との遭遇、一体化
    ・宇宙で生まれて宇宙で育つ
    ・人間にとって大きな転換点

  • 宇宙飛行士は、任務中は100%の酸素を吸い続ける事で、頭脳が明晰になるとか。 青い地球を見下ろす事で、神の存在を確信するとか…。1人の詩人も宇宙飛行士に採用されなかったが、詩人になった宇宙飛行士はいる。 画家も、宗教家、思想家、政治家も同様に。 ガンダムで言うニュータイプへの覚醒、あるのかも知れない。 また、アメリカとソ連の宇宙競争は、大国の国威発揚に留まらず、ガガーリンの無神論的発言『天上に神は居なかった』によるものとも言える、と。 アメリカのベースにあるキリスト教文化・思想も強く感じた。

  • 前から気になっていたところ、本屋で平積みされてたので購入。

    宇宙から帰還した宇宙飛行士の人生の、通常スポットライトが当たらない部分に鋭く切り込む。
    宗教観について単にキリスト教徒というだけでなく、細かい宗派を確認して分析するあたりに立花隆氏の圧倒的知識量を感じる。

    一言に宇宙飛行士といっても、地球の周回軌道上をグルグル回った人と月に向かい完全に地球と切り離された人の間に地球への印象の違いが生まれるのが面白い。
    後者はより宗教的になる、具体的にいえば人知を超えた神の存在を感じるのだという。

  • 途中まではかなりグッと引き込まれて読んだ。インタビューした宇宙飛行士がアメリカ人だったので全員キリスト教的世界観の人間だということを念頭に置いて読んだ方がよいと思う。立花隆の主張もわかるが、「宇宙に行って神の存在を実感した」という宇宙飛行士に共通する感覚というのがキリスト教者にもあるのだろうか。宇宙に限らず、特殊な環境を体験した人は「偉大なる第三者」的な何かの存在を感じたりするケースはあるかもな。だけどそれは実在するわけじゃなくて、ただ錯覚として感じるだけのものだが。

  • 何となく「アポロ13」を観た勢いで読み返してみた。

  • ★★★★宇宙飛行士が漆黒の闇、完全な静寂の宇宙空間に漂っている姿。月面から地球を眺める姿。それらになりきって、地球を眺める時間をいただけた。この共感は、想像上のものではあるが、かなり強いインパクトを与えてくれた。
    そして、宇宙飛行士たちが、宇宙空間で感じたこと、悟ったことを、宇宙空間に身を置いた自分が読んでいると、彼ら宇宙飛行士の言葉は、まさに、青い地球を見ている私が感じ語っているかのように思えてくる。
    こんな経験をしてみたい。こんな感覚を実際に味わってみたい。
    そんな欲望を抱かせる見事な作品です。
    2014/02/07

  • 人間は物質レベルでは個別的存在だが、精神レベルでは互いに結合されている。=スピリチュアルワンネス
    スピリチュアルになる切った人間は
    物理的手段に依らず外界とコミュニケイトできる。
    ---
    どうすればよいのですかと神に問う、するとすぐに答えが返ってくる。
    ---
    頭脳の明晰化・精神能力の拡充=酸素100%のせい?

  • 宇宙をNASAを代表とする科学技術的側面ではなく、宇宙飛行士の精神的側面から捉えた稀有な一冊。宇宙飛行士たちへのインタビューが興味深い。

    宇宙から美しき地球を見たときの精神的変化、宇宙飛行士たちが表現出来ぬ吐露した思いを著者の筆力を以て見事に代弁されているように感じる。本書のあとがきにあるように、宇宙を体験したものしか感じ得ない、筆舌に尽くし難い感情を体験したいと思わせられた。

  • 宇宙飛行士になる人はもちろんすっごい人達なわけですが、
    この本ではすっごく生々しく人間として描かれています。
    当たり前のことなはずなのに、衝撃を受けます。

    これが日本人宇宙飛行士相手のインタビューなら、
    ここまで生々しくならなかったと思います。
    ものすごくアメリカを感じます。

    この違いをありのまま受け止めることが大事なのではないでしょうか。
    宇宙飛行士たちは一様に地球は一つで国境などないのだといいます。
    だからといって、違う風土、違う文化で生きる私たちが
    みな同じであるはずはなく、同じになる必要もなく。
    といろいろ考えながら読みました。
    読み応え、めっちゃありました。

  • 米国の宇宙飛行士へのインタビューを元に、宇宙飛行士の宇宙体験がそれぞれの人生観や宗教観をどのように変えたのか、をまとめた書。本書は昭和58年1月刊行だから、インタビューは昭和57年頃か。今から30年以上前に書かれたのに、その内容は全く色あせていない。精神を病んでしまったオルドリンは別として(彼の場合は、宇宙体験そのものというよりは遺伝的要素やその性格、コミュニケーション能力の欠如しているのに男芸者のようにNASAに使われてしまったことなどが原因のようだ)、神を感じて伝道者になったアーウィンなど、宇宙体験を通じて宗教的になった者が多いようだ。

全102件中 1 - 25件を表示

宇宙からの帰還 (中公文庫)に関連するまとめ

宇宙からの帰還 (中公文庫)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

宇宙からの帰還 (中公文庫)の単行本

ツイートする