宇宙からの帰還 (中公文庫)

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著者 : 立花隆
  • 中央公論新社 (1985年7月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122012325

宇宙からの帰還 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「宇宙に行った」というのは、いかなる体験なのか? というノンフィクション。
    文庫でも1985年の刊行なのでかなり古い本なのだが、宇宙に行ったということが宇宙飛行士の内的変化から書かれており、古さを感じさせない内容だった。
    「これは特筆すべきことだと思うんだが、宇宙体験の結果、無神論者になったという人間は一人もいないんだよ」というある宇宙飛行士の表現が、この本を一言で言い表しているかと思う。

    この言葉は正確には、宇宙体験をしてから神を信じるようになった、という意味ではない。しかし、宇宙に行って宇宙体験をした宇宙飛行士の多くが「超越的なものの存在を信じるようになった」と語っているのはとても興味深かった。
    これは、宇宙から地球を見ることによって、自分の存在が「個」を超えた存在――より大きな包括的のものの一部でしかない、という意識を持つためらしい。

    宗教を信じる、という感覚は、私はよくわからない。しかし、それでも彼らが宇宙へ行ったことによって、一種の神秘体験をしたのだな、ということは伝わってくる。彼らの世界が変わったのではなく、認識が変わったのだ。
    おそらく、一番違うのはやはりスケールだろう。より大きなものに触れることによって、宇宙飛行士たちは自分が精神的な存在であることに気づかされたのかもしれない。

    当時科学の最先端にいた宇宙飛行士が「超自然的なものを感じた」と語るインタビューは、読んでいてとてもワクワクした。
    そしてこれは著者の立花さんも言ってあることだが、自分も純粋にその体験をしてみたい、と思った。彼らの言う感覚を、ぜひとも自分も味わってみたい!
    一般人でも宇宙に行けるようになるのは……いったい何年後、何十年後、あるいは何百年後のことだろう?

  • 『火星の人』の次に読むと決めていた。宇宙飛行士の精神世界に踏み込んだルポは新鮮である、のに本書は自分が高校生の頃=昭和58年に刊行されていた。米ソのソ連も懐かしい響きだった。アポロ13号の緊迫感は映画のそれを上回った。後半での宗教に関する彼らの考えが素晴らしい。また現代の科学技術の限界に対しても「分からないものは分からない」という真摯な態度も好ましい。

  • すごく面白い。興味深い。30年くらい前の本だけど、職業として宇宙飛行士してる方が宇宙で体験する感覚(?)は、今も昔も根本的に同じなんじゃないかなぁ

    宗教的には「神がいる場所」とされる空(宇宙)に、いまは科学やら工学やらを叩き込まれたプロ宇宙飛行士しか行けなくて、内面の変化を伝える術を持たないっていう着眼すごいなーって思った。
    本の中で触れられていた、
    「哲学者や詩人が宇宙飛行できる世界になったら、彼らは宇宙体験をどのように表現し、どのように大衆に伝えるのか」
    ってとこ!とても興味あります。


    読んでいて思ったのは、自分の行動がどんなであったとしても、それが直感的に正しいと信じる事ができ、かつ振り返ってみてもその決断が間違っていない… そういう瞬間にひとは自分の行動に神を見るんだなぁって思います。
    あと、「神はパターンである」って考え方。初めて触れたので面白かった。
    古来より成功確率の高いパターンを「神」という存在に重ね合わせるっていう。
    これ成功パターンだよね→これが成功パターンって決めたのは誰?→神だよ!!
    って流れ…
    不可解だけどしっくりくるもの、そしてそれがなぜしっくりくるのか…

    読んでる最中も、読了後も、夜空に浮かぶ月を見つけると、なんかえもいわれぬ気分になります!
    郷愁のような…?
    わたしの故郷は地球なんですが

  • 初めて読んだときは、とにかく衝撃だった。
    宇宙から地球を見るという経験は、人間の精神をここまで変えるのか。

    ともに宇宙を体験した宇宙飛行士たちが、お互いに語り合ったことさえなかったという精神変化。それをここまで率直に引き出す著者のインタビュー手腕に感服。立花隆というジャーナリストのすごさを感じた一冊でもある。

  • 20年前の本だが、book offで発見し読んだ。
    宇宙に行った人の内面的な変化についてインタビューを中心にかかれている。特に重点が置かれているのは神について。神や精神的な事についてまじめに、宗教的・哲学的・科学的に宇宙飛行士が述べている。その中で、宇宙飛行士に共通する意識として、地球への愛情と国家の争いの馬鹿らしさというのが印象的。また神とは宇宙に満ちるスピリチュアルな宇宙生命のようなものという考えはもっとも自分にしっくり来るものであった。手塚治虫の火の鳥の世界観との類似を感じた。

  • こんなにもワクワクした本は何年ぶり!知的興奮ってこれこれ!

    信じられないくらい興味深く、さすが立花隆。宇宙体験がそのひとの精神世界/宗教観にどういったインパクトを与えるかを紐解くというが、それを語れるのは宇宙飛行士だけである、故に本書は彼らへのインタビューが基調で進む。地球を"個体"として目視したことで、地球のローカル性をリアルに体感した唯一の人々。地球とは宇宙的ローカルでしかない。

  • このアカウントでのブクログ初登録作品。

  • この本は相当に面白かった。
    読みながら久しぶりに知的な興奮を味わった。

  • 1985(底本1983)年刊。◆アポロ等の宇宙計画に参画した米宇宙飛行士の体験を著者が聴取レビューしたもの。アポロ計画の内情・宇宙飛行士の隠れた私生活・帰還後のビジネス進出・宇宙飛行士の宗教観・地球観の変遷等、宇宙飛行士を定点として人間の宇宙進出の問題を多面的に切り取っており興味深い。特に月旅行した人達の宗教観が大きく変わった事実は、月面基地完成の暁には、発想の異なる人類が生まれることを期待させる。◆なお、スタンフォードのESP研究は「成果なし」ということで1994年に終了したよう。この点は話半分かな。

  • 宇宙を体験した飛行士たちの精神の変化。
    トラブル、環境の変化と順応性。宗教。
    映画みたい…

    0036-00159-4622
    昭和58年初版

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