二条院ノ讃岐 (中公文庫 す 3-9)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122012691

感想・レビュー・書評

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  • 父が良かったというので読んでみた。平家が隆盛を極める前後の時代において、二条院讃岐という女性について、4人の女声が語るという王朝物語。歴史の素養があると楽しめるのかなと思うが、私にはあんまり面白くなかった。

  • 歌の名手、源頼政の家に纏わる物語。四人の女によって、日陰に生きた人間の暗さが静かに語られる。
    能の「頼政」を見たくなる。

  • 二条院ノ讃岐の物語というより、父の源頼政を中心として語られている。

  •  平安末期の保元・平治の争乱に絡む、骨肉相食む権力闘争、複雑な人間模様が、多角的かつ平易な語り口で綴られる。
     語り部となる四人の女達は、立場も個性も視点も解釈も異なる。
     顔立ちが想像できそうな描き分けと歴史的背景の読み易い説明が、作品を単なる年表事項の羅列に落とさない。
     表には出ない彼女達の人生は、著名人との関わりが深く折り込まれ、歴史を舞台裏から眺める心地。
     二条院に仕えた女房・讃岐と、その父である源頼政は、語られる焦点ではあっても主人公でも中心人物でもない。
     それでも、讃岐の希薄な不気味さ、頼政の寡黙な鬱屈は、その時代の底流を成す人間の生々しい謎を想起させる。

  • 二条帝と讃岐のSMにびっくりした…。仲綱のこと好きすぎておかしい。ほんとは同母兄妹だよね…

  • 二条院の讃岐は、百人一首でしか知らなかった。謎の生涯について、関わった人からの証言、というスタイルを取っているのが面白い。

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著者プロフィール

杉本苑子

大正十四(一九二五)年、東京に生まれる。昭和二十四年、文化学院文科を卒業。昭和二十七年より吉川英治に師事する。昭和三十八年、『孤愁の岸』で第四十八回直木賞を受賞。昭和五十三年『滝沢馬琴』で第十二回吉川英治文学賞、昭和六十一年『穢土荘厳』で第二十五回女流文学賞を受賞。平成十四年、菊池寛賞を受賞、文化勲章を受勲。そのほかの著書に『埋み火』『散華』『悲華水滸伝』などがある。平成二十九(二〇一七)年没。

「2021年 『竹ノ御所鞠子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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