- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122013377
感想・レビュー・書評
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戦争経験がない自分には、心が痛い内容だった。
世界平和を心から祈ります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
藤原ていさんの自伝?戦前の頃から満州引き揚げの苦労と帰国後、夫の死までを綴った作品。
生き抜く力がみなぎっている本。 -
「流れる星は生きている」を読んで、その続編というか、補足というか、とにかく、セットで読むとより、過酷さがわかります。今、仕事が忙しく、毎日ヘトヘトなのですが、この本を読んだら、今の状態なんてどうってことありません。
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凄まじい小説に出会った。
ていさんの私小説。「流れる星… を先に読みたかったが、図書館にあったのはこちらで手にとった。
満州からの引き上げの描写が凄まじく、そしてていさんの子どもを何としても守る、誰一人欠く事なく日本へ連れて帰る、という強い母親の心意気に惹かれる。
若い頃、音楽の先生に好かれる話も、日本へ戻ってきて、全身衰弱で寝込んでしまったことも、夫を支える献身的な妻の姿も全ての生き様が、全てに立ち向かう苦闘の姿が、現代の女性にも力強く感じられると思う。一気読み。 -
藤原ていさんの代表作、「流れる星は生きている」は私の人生のバイブル…と言っても良いほど大切な本ですが、この「旅路」は、「流れる星は~」がいかにして生まれたのかもわかる、ていさんの半世紀。なので、とっても読む価値がありました。
「流れる星は~」でもていさんの精神的な強さ、美しさに心を打たれるが、女性が自分の夢や希望を抱き続けるのが難しかった少女時代に、なんとなく安易な道を選ぶ(たとえば結婚とか)のではなく、夢を持っていたこと、・・・でも結局一目ぼれ的に新田次郎氏と結婚したいきさつなども面白い。
そして「流れる星は~」に詳しく書かれている引き揚げ時の記録は、そこには書かれなかったことをちょっと入れつつ、端折った感じで書いてあるのかな?それでも十分に読み応えがありました。とにかく、「絶対に生きて、子どもたちを守って日本へ帰りつくのだ」という意志がすごい。なんの理屈も抜きに、ただ「生きる」「生き続ける」ことの尊さがずっしりと重く心に訴えかけてくる。そして、どんな状況下で、どんな思いで「流れる星は~」を書いたのかも書かれていて、本当に感動した。
私は平和な時代に生きて、ぬくぬくとごく普通に年をとってきたけど、自分の人生を振り返ったときに、「私の人生をかけて、このことを子どもたちに絶対に伝えたい」という熱いものを持っていたいと思った。そうなれるように一生懸命に、人に恥じない生き方をしよう。 -
一応小説ということになっているらしいけど、読む限り藤原ていさんの半生を綴ったもの。満州からの引き上げの内容が一番多いが、女学校時代、『流れる星は生きている』を出版した後も綴られている。引き上げの場面がやっぱり強烈だけど、それ以外での家族との出来事が新鮮だった。特に全身衰弱の時期の夫の働きぶりは、もし自分が同じ境遇になったらできるだろうかと思った。
「必ず子供を日本に連れて帰る」「子供を立派に育て上げる「もう原稿は書かない」などと、一度決めたことを必ずやり通す意志の強さが凄い。 -
『流れる星は生きている』の裏話や後日談などがわかるので、合わせて読むのがおすすめ。
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当たり前だけど、どの時代にも、一人一人のドラマがある。
その大方は歴史の闇に埋没していってしまっているけど。
「戦争」を経験したことのない私は、
ただただ藤原さんの強さに驚くばかり。
人間、案外何だってできるって、前向きな気持ちになれる。