エッシャー宇宙の殺人 (中公文庫)

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著者 : 荒巻義雄
  • 中央公論社 (1986年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122013629

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エッシャー宇宙の殺人 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 『カストロバルバ~エッシャー宇宙の探偵局』改題文庫版。
    現実世界では平凡な人間である万治陀羅男(まんじ・だらお)が
    夢という別世界で名探偵ぶりを発揮する物語。
    舞台となる海港都市カストロバルバはM.C.エッシャーの作品が実体化された街で、
    エッシャーが創造した「新しい遠近法」や「不可能な図形」を応用した建築物で
    成り立っており、その名はエッシャー1930年制作の風景画に由来。
    街の空気が地中海性気候らしく描かれているのが、エッシャー作品に相応しい印象、
    だが――殺人事件を探偵が捜査して犯人を指摘するミステリの形式を取っているものの、
    そもそも舞台が夢の中であり、
    しかも、建築物がエッシャー作品を立体化した造形(!)なので、
    トリックなど、ああそうですか、としか言いようがない(笑)
    精神分析的解釈で動機を言い当てるのはいいとしても、
    結局、夢の中の話だし……。
    作者が心理学×建築学を修めた人だから、そういう筋立てになるんだろうか。
    確か、昔読んだ『聖シュテファン寺院の鐘の音は』も、
    建築家のアニマがどうとかいう話だったっけなぁ。
    そもそもミステリとして読むべきではないのかもしれないが、
    かと言って、SFとしても幻想文学としてもパンチが足りないというか、
    中途半端な気がして、よく出来た作品だと思うが今一つ好きになれない、といったところ。

  • 是非エッシャーの絵を隣に置いて読みたい。

  • 騙し絵で有名な画家エッシャーの絵が具現化された街カストロバルバ。
    そこで起こる様々な殺人事件を夢探偵、万治陀羅男が解決していきます。
    ちなみに夢探偵とは夢の中での探偵という事です。
    夢の中での殺人事件なのですが、けっして荒唐無稽な内容ではありません。
    世界観は妙ですし、事件もこの世界ならではのものばかりですが、必ず順を追って事件は解体されていきます。
    捜査は現実と同じに現地の警察がきちんと行いますし、陀羅男の推理方法もオーソドックスです。
    しかし、それだけでは事件は解けないところが非常に面白いです。
    実は事件には登場人物の持つ様々な心の中の感情、不安や嫉妬等が密接に関わってくるのです。
    一連の事件に精神分析学的な解釈を与えて、関係する人物に当てはめていく事でようやく全貌が明らかにされる仕組みなのです。
    精神分析学の説明も解りやすく、カストロバルバの世界観もとても楽しかったです。
    最高の連作短編集だと思います。

  • 物見の塔、無窮の滝、版画画廊、球形住宅…天才画家エッシャーの描き出した超建築の街カストロバルバの不可解な連続殺人、幻想の都市を訪れた夢探偵万治陀羅男はこの白日夢的世界に事件の謎を追うが。

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