脳死 (中公文庫 M 274-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122015616

感想・レビュー・書評

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  • 「脳」という特別な存在の臓器を中心に、人間の身体のメカニズムを紐解き、そして人間が死ぬということはどういうことか、生死を正しく判断するにはどうすべきかを、本書は徹底的に追求して問題提起している。

    今から30年も前に書かれた作品なので、もしかしたら現在では既に事実と異なっていたり、取り上げている問題自体が時代遅れになっているかもしれない。

    それでも作品としては、科学的な部分を分かりやすく伝えてくれるので面白くは読める。
    ただ、文庫本にして500ページを超えるボリュームがあることと、文章の端々からどうも急いで執筆してのではないかという感じを受けたので、本書を強くはおすすめしない。

  • 2007

  • サイエンスをテーマにしたノンフィクション作品を数多く手がけている立花隆の代表作の一つです。脳死をめぐる問題に対して、まずは科学的事実を分かりやすく紹介することに務め、その上で従来の脳死判定基準が孕んでいる問題の指摘をおこなっています。

    厚生省の「脳死に関する研究班」が1985年にまとめた報告書の判定基準(いわゆる「竹内基準」)の根拠が薄弱であることを指摘し、また、イギリスのパリスに代表される脳幹死基準への反論を提出しています。

    著者の議論で、ときおり臨死体験が引き合いに出され、やや奇異な印象を持ってしまいますが、要は「内的意識」の停止を知ることはできず、できるのはせいぜい意識の発現が見られないことを確かめることしかできないのだから、脳機能停止ではなく脳の器質死を基準とするべきというものになるかと思います。

    死についての社会的・哲学的議論や、脳の働きについての専門的な議論のいずれにも偏ることなく、ニュートラルな立場からの批判的考察になっており、個人的には非常に説得力があるように感じました。

  • 2013.10.07 読了

    植物状態は脳死ではない。
    脳死とは何か。勉強になった。

  • 脳死についてほとんど知識がなくても理解はできる本。かなり詳しく書かれている。初心者以外の読者層も想定しているためか、理詰めで隙のない文章。言いたいことだけ抽出すると、最後の章でまとまっているような。なので、脳死について何が問題なのかなど興味を持っていないと、全ページ読破するのは辛いように思う。

    これを読んでいて、段々生と死の境がわからなくなってきた。脳死ではなく心臓死でも、内的な意識の有無までは測定できないしなぁ…火葬こわい。

  • 帰宅途中のブックオフで目にとまったので購入。労作であることは間違いなく、丁寧に読ませていただこうと思う次第。積ん読中

  • 未読

著者プロフィール

評論家、ジャーナリスト、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授

「2012年 『「こころ」とのつきあい方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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