渋江抽斎 (中公文庫)

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著者 : 森鴎外
  • 中央公論社 (1988年11月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122015630

渋江抽斎 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 引用の「老驥櫪に伏すれども、志千里に在り」の個所は巻末に「有為の人は不遇の一生を送ってまさに死せんとするときでも、なお遠大の志を失わない」という注解があって、それで確かに意味は分かるのだけれども、「驥も伯楽に逢わずば槽櫪の中に老いるのみ」ということわざを知って読むのとそうでないのとでは味わいの深さがだいぶ変わってくると思う。そう考えれば、他にも知らないがために味わいきれていない個所がまだまだあるのではないかという気がしてくる。

  • とにかく読みにくかった。内容は渋江抽斎という人の伝記なのだけれど、渋江抽斎って誰?という気持ちのまま事細かに来歴が語られていくような。そういう点ではどこに注目しながら読めばよいかわかるように、あとがきから読んだ方が良いと思う。読後感は良い。

    内容をもう少し言うと著者の森鴎外は武鑑を集めるのが趣味。武鑑というのは野球で言う武士の選手名鑑のようなもので職制や給料など事実のみが載っているため時代考証に有用。その集めた武鑑に抽斎の蔵書印が多く押されていて、さらに渋江抽斎が医者であったことから自分と重なるとこが多いので興味を持つ。渋江抽斎は維新の数年前に没し、著者と時代も近いことから、抽斎と係わる人を探したり、直接話を聞いたりしながら抽斎の人となりやなんかを書き連ねている。

  • 渋江抽斎の伝記なのに、渋江抽斎が半分位のところで死んでしまって呆然とすることになるが、本書の面白さはむしろ抽斎死後にあると言えるかも。幕末明治の変革期に抽斎周辺の人物が見せる世渡りに人生の機微を感じる。

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渋江抽斎 (中公文庫)の作品紹介

明治維新前後の転変が、一家一族の上に及ぼした影響も描かれて、総体として、行きとどいた家族年代記、もしくは時代的展望を内にふくむ屈曲に富むグループ・バイオグラフィ。つまり、一個人の生涯と業績という枠をはるかに踏みこえた、いわば大河伝記の試みであり、この点での『渋江抽斎』のユニークさと斬新さは、今日の時点から改めて大きく積極的に再評価されるに足る。

渋江抽斎 (中公文庫)はこんな本です

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