蛍 (中公文庫)

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著者 : 吉村昭
  • 中央公論社 (1989年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122015784

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蛍 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 死のにおい。
    普通に死がそこにある。そういう匂いのする小説はあまり見たことがない。あっても、作った感じがして(笑)

  • 2014.5.16(金)¥100。
    2014.6.1(日)。

  • やはり死をテーマにした、吉村昭の短編集。『眼』『蛍』『時間』が私的にはポイント高かった。解説に書かれている、吉村昭は視線の作家、という旨の記述にはすごく納得がいった。

  • いずれも死者にまつわる短編集。晩婚の死刑執行人が最期に立会った重い気持ちを引き摺りつつ子連れ新婚旅行に行く心の描写、角膜献体の執刀を行う医師がいろいろな遺族に接した複雑な心理、甥の事故死に、兄たちに負担をかける自らの厄介者としての人生を重ねる肺病の主人公、そして同じく肺病の主人公の家の女中が肺病にかかった物語。肺病の三男坊は著者自身の若い頃を想像させます。いずれも暗いテーマにならざるを得ませんが、誰にも潜む暗い、淋しい心理を描き、共感を感じさせます。

  • 2012/06/24完讀

    九篇的主人公都在一種不正常的狀態和處境下,凝視死亡及死亡的周邊。
    吉村一向採取一種紀錄、旁觀的角度,小說裡面不太寫主人公的內心與掙扎,也很少有主觀的部分跳出來,只是一種觀看,與記錄,我覺得好像在寫一個切片,極其細緻地,甚至是「執拗」地觀察。
    這種觀察的感覺,尤其是「橋」那篇寫得很明顯…那篇寫得非常好。「休暇」那篇我也覺得很棒。

    卷末最後那篇小笠原賢二的「行動する視線」已經把該說的都說完了:

    ・視覺性-徹頭徹尾凝視的作家
    ・現実を、人間を凝視しようとする感性の働きは、時々ほとんどファナティックであり、暴力的ですらある。
    ・主人公多為對目前的進行事態無力的旁觀者(諸如「休暇」、「霧の坂」、「光る雨」’「蛍」等等),每個人都被置於異樣的環境,自由一開始就被束縛(死刑執行人、肺結核患者、囚犯、老人)、失去生活根基的人:周圍出現諸如自殺、死刑、病死、災難等等死亡,這些人都凝視這些異樣的事態,絕不轉頭不看,並且「それどころか、憑かれたようにいよいよ貪欲に凝視しつづけている。行動が奪われた分だけ
    視線、視覚が異様に活性化されるのだ。あたかもそのことによって、自分を閉め出している世界との確かな通路を見つけ出そうとしているかのような印象を受けるのである。」(諸如「橋」的主人公用了很多視覺的動詞「見つめる」「目を向ける」「見回す」「見下す」「目に移る」「見送る」,並且使用大量的比況助動詞「ように」、「ような」)
    ・ついで言えば、比況の助動詞の多用は、幼少期に戦争の苛酷な現実をみつめ、敗戦による価値観の大転換にも遭遇した昭和一桁世代の作家に目立つ特徵である。言語を絕する現実や体験によってあえて言語化しようとするとき、「ように」、「ような」への依存となって現われるらしい。
    ・卓也+私→「行き場を失ったような気分」→蛍のイメージにさりげなく結び付けられている(つまり吉村はここで、頼りなげでありながらも青白い光を出して人目をひきつける蛍を仮託しながら、現実とのスタンスを計り自己の文学的感性のありかを巧みに暗示しているかに見えるのだ)
    ・可參見前期作品「鉄橋」「少女架刑」
    ・こうした過激な視線・視覚が、現実の歴史や事件に向かったとき、そこに多くの優れた記録文学が誕生したのは見やすい道理である。「歴史そのまま」を探り多角的に凝視する徹底した姿勢がついに「歴史離れ」を帰結し、深い文学感動を喚起するのである。
    ・破獄、仮釈放、冷たい夏、熱い夏→拘束状態に置かれた人間の生存の根拠と自由の問題ほかならない。

    是因為讀了他這篇解說,其實我也才發覺,原來吉村那種客觀的、終究是觀察,並且以觀察為中心的文學堅持和終極關懷,產生他紀錄文學這個文體是很自然的。這種「觀察」,和強迫性的凝視,是一種從困境、難以說明的、人類諸多超乎想像的愚行中,他所能獲得救贖的一種方式。而且,「記錄」,也是一種救贖。因此,這產生他的風格。我覺得讀了這本書,非常有助於了解這一個作家!或許這正是閱讀吉村文學的鑰匙之一,是一本很導覽性的書。

  • 表題『蛍』と含む、短編9編を収めている。生と隣り合わせの死、あるいは死と隣り合わせの生を描いている。と思う。
    茫漠とした思いを言葉にすることは、なんて難しいんだろう。況やそれを他人に伝えることにおいてをや。

  • 表題作。連れ子のある再婚相手の肉感が伝わってくる。そこをもっと書いて欲しかった。

  • 死にまつわる短編集。なんだろう、ちょっと読みにくかった。

  • 映画「休暇」を見て、なんとも切なくて。その原作を読んでみたくなったという。読後、改めて感想を加筆。

  • 視線がひとつのテーマになっているのではないでしょうか。
    「光る雨」のエピソードはただ腹が立つだけでしたが。

  • 読んで、
    静謐なひと時を過ごした。

    死にまつわる話がほとんどで
    暗いようで、その様子を
    淡々と描いている。
    文章の巧さに惹き付けられる。

  • 人間の体の闇に刻まれる振り払おうとも拭うことのできない陰の感情を描いた文章が、読んでいて惹かれるものでもあり目を背けたいものでもあった。
    何か特別に残酷なことを描いているわけでもなく、人生を生きていれば誰にでも起こりうる題材を使って書かれている。そのことがさらに骨の芯から冷えるような思いにさせた。
    ただ、そこにはただ単なる狡猾な部分のみが書かれているわけではなく、葛藤することの一因になっている優しさや、義理や、そんな人間の体の光の部分に刻まれた感情が織り交ぜられている。そのために一層闇の部分がくっきりと生々しく読めるのだと思った。
    特別な悪ではなく、人間というどの生命体の中にも潜んでいるだろう部分で描かれていることが読み手の胸を突くのだと思う。
    短編で構成されているが、やんわりとそれぞれの章で関係のある人物が出てきたりするのが、わかりやすい連動した短編小説と比べて不思議な読み心地だった。
    私は「休暇」「霧の坂」「橋」「欠伸」が好きでした。
    ただ、この作品は全体的に女性に対しての表現が冷たい印象を受けた。女性という男性とは違う生き物を酷薄に書いていると思う。

  • 行間を読めない自分の感性が悔しい。もっと想像力があったり、人の気持ちがわかる人間だったら静かに感動できる名作だと思うんです。なんだけど今の自分では分からない・・・。もっと大人になってから読み返したいです。

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