月夜の魚 (中公文庫 よ 13-7)

著者 :
  • 中央公論新社
3.76
  • (5)
  • (6)
  • (10)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 68
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122017399

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 吉村氏が好んで取り上げる「おとことおんな」情念編。少々、花に着くほどにドロッとしていて読んだ後何とも言えない粘着質の気分が漂う。おかま❔ゲイ?・・苦手なジャンル

  • 吉村昭氏には珍しい短編集。
    11編のうち、「蛍籠」「弱兵」「干潟」の3つは私小説、それ以外はフィクションとのこと。
    「弱兵」が彼らしい描写が多くて好きなのと、「月夜の魚」「指輪」はダーク吉村が垣間見れて面白かった。
    なんだかぬるっとした作品が多かったです。寒い日の朝方に読むといい。

  • 人間模様が楽しいし、怖い。

  • どれも死に関係する話だが、メロドラマ性がていねいに排除されていて読みやすい。情景描写が秀逸。

  • 最終編の「改札口」について
    男の暗い嫉妬が全編に漂う。
    愛されていない妻という名の女は、心を犯されることもなく、玩具のまま道端に置き去りにされるだけ。
    愛を共有することを知らない哀れな男と女は、悪意の共有でだけ繋がる。その悪意は改札口から吐き出される疲労のように下水道に流れ込む男と女の汚水。
    吉村昭の真実を持たない男女の不毛を垣間見る1篇。

  • 私小説入りの短編集。離婚と死がテーマの作品ばかりで少し重かったな。
    やや説教くささを感じるものの衒いなく描かれる死に清々しさをかんじた。
    「行列」「黒い蝶」「改札口」がよかった。

  • 吉村昭さんがマイブームなので。
    短編集。生と死を考えさせられる。なんというのか、読んでいて心に染み入る文章。

  • 吉村昭は長編よりも短編小説を好むという。この短編集は私小説やフィクションを含めた11話が載る。彼の作品は細かい描写もあるけれど、盛り上がりより退き際が光るなぁという感じ

  • 2011.7.8(金)¥231。
    2011.8.3(水)。

    短編集
    行列(月刊ペン s44.2)、蛍籠([蛍]を改題、月刊ペン s45.6)、夜の海(婦人の友 s46.4)、黒い蝶(小説サンデー毎日 s49.5)、月夜の魚(野生時代 s49.8)、弱兵(風景 s50.1)、雪の夜(野生時代 s51.1)、位牌(野生時代 s51.11)、干潮(野生時代 s52.5)、指輪(野生時代 s53.1)、改札口(野生時代 s53.6)、あとがき。解説.奥野健男。

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉村昭の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×