醒めた炎―木戸孝允〈3〉 (中公文庫)

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著者 : 村松剛
  • 中央公論社 (1990年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (516ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122017528

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醒めた炎―木戸孝允〈3〉 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • (2015.09.30読了)(1990.11.02購入)
    副題「木戸孝允」
    木戸孝允(桂小五郎)の評伝、第3巻です。
    大政奉還のあと、王政復古により新政権が発足し、幕府討伐へと突き進みます。
    京都では、新しい政治をやりにくいので、天皇を江戸に移してしまい、江戸を東の京、東京として、政治の中心を東京に移してしまいます。
    江戸、東北、北海道と抵抗勢力を排除した後は、政治を一元化するために、版籍奉還、徴兵制、実施し、武士階級の役割終了となります。
    殿様もお役御免とし、廃藩置県を行い、県のトップを政府派遣の役人に替えます。
    政府の政策の多くに木戸孝允がかかわっていることがわかります。
    とはいえ、明治維新についての本を読みなおす必要があるとは思いますが。

    【目次】
    王政復古
    狂瀾
    神戸事件
    御誓文
    東京
    「会津猪、米沢狸」
    版籍奉還
    兵制一条
    諸隊叛乱
    民部省
    廃藩置県

    ●勤王討幕(125頁)
    勤王討幕の思想は、そもそも攘夷論によってつちかわれてきた。ペリイの恫喝外交が攘夷のナショナリズムを激発させ、ナショナリズムは幕府にかわる伝統的権威を求める求心運動としての尊王思想を、全国に燃えひろがせることになる。
    ●アメリカ・南北戦争(134頁)
    南北戦争による戦死者は、双方あわせて六十一万七千。
    ●大坂遷都(141頁)
    無能力な公卿たちから幼帝をひきはなさなければ、王政復古は成功しないと大久保は思っていた。彼は大坂遷都論を木戸がまだ岡山にいた十七日に有栖川宮に上申し、二十三日にはこれを書面にして岩倉の手許に提出していたのである。
    ●刑法(151頁)
    外国人との交渉に関する細則を一刻もはやく制定せよと、木戸は熱心に主張した。彼はアーネスト・サトウと会ったあと、新しい刑法の制定を求める建白書を太政官代に提出しているのである。
    諸侯の行列に外国人が出会ったさいには、彼らにどのくらい離れていることを要求するべきか。また外国人が一般の民家に乱暴を働いたとき、取締りはどのように行ったらよいか。
    諸外国の代表団と相談して刑法を定め、天下にこれを公布しておいて、先方が法に違反した場合には「天平をもって」討つ。
    ●御誓文(192頁)
    一、旧来の弊習を破り天地の公道に基くべし
    第四条の「旧来の弊習を破り」の項は、木戸の発案だった。当初は「宇内の通義に従うべし」としていたのを、彼は最終稿で「天地の公道に基づくべし」と変えた。
    ●踏絵(219頁)
    幕府が諸外国の圧力によって踏絵の制度を廃止したとき、吉田松陰が憤激して「神州は必ず夷狄の有となるべく」と書いた
    ●江戸の人口(250頁)
    江戸の人口は幕末でざっと百五十万だったと、勝麟太郎が後年その『氷川清話』でいっている。そのうち約五十四万が―僧侶、神官、吉原遊郭の住民などをべつとして―慶応三年現在の町人の数だった。
    ●東京(252頁)
    遷都の計画の大筋は木戸が江戸にいた六月末の四日間のあいだに、三條、木戸、大久保と大村益次郎、大木喬任の五人の密談によってとり決められた。木戸はこの間、江戸城中に宿泊していた。
    ●西洋派遣(328頁)
    封建制の支持者は、むろん長州にもいる。そのなかの有力者である山縣狂介と御堀耕助(太田市之進)とを、やはり保守的な薩摩の西郷信吾(従道)とともに、木戸はヨオロッパに送り出していた。
    ●無口(346頁)
    「もげじん」と、前原一誠は萩で呼ばれていた。
    およそ無口で、ひとが何をはなしかけてもたいていは「はい」とこたえることしかしない。「もげじん」とは、無口のひとの意味である。
    ●木戸と大久保(350頁)
    木戸と大久保とを評して大隈は、「木戸は創業の人なり、大久保は守成の人なり」といっている。
    「木戸は自動的の人なり... 続きを読む

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