エコロジー的思考のすすめ―思考の技術 (中公文庫)

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著者 : 立花隆
  • 中央公論社 (1990年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122017641

エコロジー的思考のすすめ―思考の技術 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • p20 シュールレアリスム
    p208 不純物

  • 結果に至るまでには必ず原因があるといった事を学問とした生態学を解りやすく解説した内容。それをもとに現在の状況が引き起こすだろう未来の環境破壊を切々と説いたもの。

    まるでインクレディブルマシーン。

  • ■生態学の教え

    A.複雑でチャネルの多い自然のシステムに比べて、人工システムは単純である。それゆえ、どこかに狂いが生じると、故障したチャネルの機能を他のチャネルがすぐに引き継ぐことができず、システム全体が破壊される。

    B.生物は、その時、そのところでの環境に最も適応したものが栄えるが、ある生物が繁栄すると、その生物の繁栄自体が別の環境を作り出し、別の生物が繁栄しやすくなる。こうして繁栄する生物が移り変わる現象を「遷移」という。

    C.人間は、人間に害を与える生物を「害虫」と呼び、撲滅の対象とするが、害虫からすれば、人間こそ「害獣」となる。このように、自然界における善悪は相対的である。

  • ・遷移:占有種は移り変わる。それは占有種によって環境が変わるからである(ビジネスも生態学でとらえられるか?)
    ・「害虫」にとって人間は「害獣」である。生態学は双方向的である
    ・人間の次は「昆虫」の時代
    ・包丁さばきの極意と生態学的思考の類似点。自然にしたがって、自然の組織を利用して料理すること。
    ・生態学とは、生物と環境及び共に生活する者との関係を論ずる科学である
    ・学が人間に与える最大のものは無知の知である
    ・無知のうちにとどまっている人間は驚くほど無謀なことをやってのける
    ・全体が部分から構成されていることに間違いはないが、部分において真であることがすなわち全体においても真であるとは限らない。また、部分のすべてを知ったとしても、全体を知ったことにはならない
    ・自然は単純なシステムではなく、複合システムになっている
    ・サブシステム内では有効に働く技術が、トータルシステム内では弊害をもたらすことがある
    ・自然には開放システムと閉鎖システムがある。人間社会は自然に対して部分的に開放されているが、自然自体はつまるところ閉鎖システムでもあるため、人間の自然利用には限界がある
    ・エントロピー増大の法則とは、自然界のものは放っておくと無秩序さが増すという法則である。自然をとどめておくにはなんらかのエネルギーを消費する
    ・チャネルは多いほどシステムの安定性を支える。ニューヨーク大停電はなぜ起こったか?それは配電システムが単純すぎたから。
    ・自然は我々の想像を超えるほど複雑なものである。自然を畏敬する必要がある。自然科学も、つまるところ人間が理解できる程度にまで単純化されたものであり、自然の複雑さを正確に表現できたものではない。
    ・そういった意味で、自然科学も人間が作り出した一種のフィクションであるといえる
    ・進歩は即自的な善ではない。進歩とはあくまでも1つのベクトルであり、そのベクトルの方向と速度が正しいときにはじめて善となるのである

  • 様々なデータをもとにエコロジー論を展開。
    科学をベースにしつつ、人間社会の在り方を論理的に提示するというアプローチは、さすが。

  • 生態学的視点による人間文明の見直し
    ■1971年に日本経済新聞社にて出版されたのが一番最初であり
     1990年に中公文庫にて改題、一部補足的加筆が加えられ版を重ねている。

    ■著書の他の作品に比べて専門用語が少なく分りやすく感じるのは、ミクロにも話が及びやすい個別題材と異なり、生態学というマクロの全体的視野に基づく全体の関係性による分野が題材となっているためであると思われる。

    ■自然のエコシステムの複雑な関係性の視点を、人間の社会、経済のシステムを分析するためのベースにおき、はや1970年からアンバランスになっている人間文明
     について警鐘を鳴らしている。後の文明の逆説、宇宙からの帰還、そのほかの作品にもつながりが感じられ、かつ時代をへても色あせない作品だと感じる。

  • ちょっと昔の本であるが、震災で津波や原発が大変なこの時期に読むのに意味のある内容だった。人間は自然に対し驕り高ぶってはいけないということがよく理解できる。
    本としてもエコロジー思考を軸に、環境問題を大局的につかむ内容から入って、人間の社会システムの有り様にまで言及していて読みやすかった。

  • 立花隆さんの実質的な処女作らしいです。今でこそエコロジーの考え方は常識ですが、この時代にこの思想をもっていた筆者には頭が下がります。
    内容は同じ結論が繰り返し書かれていて少々読みづらいです。今でこそ当たり前のことしか書いていないので、新しく得られた情報や「なるほどな」と改めて考えさせられた点はありませんでした。

  • 非常に読みやすい本、世の中の仕組みが少し分かった気になるかも

  • 同書は1970年に発刊されたものを1990年に文庫版として刊行したもの。
    それを2010年に読んでいるので、初出から40年経つ。

    驚かされる点は多々あるが、その中でもふたつ。
    ひとつは、極限まで文系的思考で理系的考察を繰り広げている点。
    その整理・体系力は感嘆に値する。

    もうひとつは、これを書いた立花隆は当時30歳ということ。
    もちろん、洞察力はそれなりだが、認識違いを恐れず、堂々と提言する姿勢にはたまげる。

  • 1971年出版された著者の処女作にして、今に通ずる普遍的本質に富む。

    ・エコロジー生態学=関係性
    ・生物学の両極:分子生物学、生態学
    ・科学の条件:論理性、客観性、実証性、定量性 を満たさない、観察によるチエ。
    ・人間は、最低エントロピー生物:情報の集積
    ・人間は広食性雑食動物:繁栄の条件
    ・人工資源採掘システム
     →■資源性の評価に、時間軸、閉鎖系か否かを取り入れる。
    ・食物は1/10に縮減→食物連鎖は5段階程度が限界
    ・生かさず殺さずの自然の管理 cf.マタギ
    ・人工システムは、自然システムの模倣であり、非効率、無駄大(外部性など)
     →■廃棄物を発生プロセスにより分類・管理
    ・生物多様性=システム「全体」の安定性
     単純:効率、脆弱
     複雑:非効率、安定(but人工システムの保守コスト大)
    ・システムのエコロジー→フィードバック機構 cf.クラウド
    ・遷移と適応→最適条件から危機状態に 周辺から中心へ
    ・善悪の相対→撲滅の危険性
    ・自分の価値体系の相対性を学ぶ ■成長の律速か

    ○弱者は臆することなく卑劣に生き、強者は弱者の甘えと卑劣を許す
    ○人を使うにはなわばりを与える
    ○人間はむしろ、ムダがムダとしか見えず、ムラがムラとしか見えない自分を恥ずべき(全体の合理性は)

  • 「エコロジー」の
    そもそもの意味を
    考えさせられる本。

    資源の再利用は
    環境だけでなく
    思考にも云えることで
    インプットの少ない人は
    アウトプットも少ない・・・

    脳も再利用活動しているのだなぁ。

  • 多様性と循環を、思考とか生活に結びつけること。
    いや、ちがった。
    思考とか生活はそもそも多様性とか循環の中でまかり通るもので、特例的に多様性と循環を排除してしまったら、長続きはしないということ。

  • エコロジーといっても、いま流行りの「エコ」ではなく、生態学的思考のすすめです。

    「風が吹けば桶屋が儲かる」ではないけれども、環境問題に対して、
    局所的対応をしたところでどのような副作用がでるかわからない。

    それは人体も同じで、病気だから切除するとかクスリを飲むとか、
    そういう対応では一時的に治っても、機能を失い、死も近づきます。

    地球全体を1つのシステムととらえ、マクロ的、全体的、
    イコール生物学的な思考をすすめています。

  • 「風が吹けば 桶屋が儲かる」に象徴される、連想・想像を駆使することの大切さを語っている。
    昨今の想像力欠如気味な多くの事件を見るにつけ、この本(ばかりではないけどね)を読んでほしいなぁなんて思う。

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