脳死再論 (中公文庫 た 20-4)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122018112

感想・レビュー・書評

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  • 「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり」と兼好法師も述べているように、わたしたちは基本的に自分がよく知らないことについては、専門家の知見に頼ろうとするのが普通の態度である。しかし、その専門家の知見が、こと人間の生死の判定に関わることとなると、しかもその死が臓器提供とも関わってくるとなると、安易に専門家の意見に耳を傾けているだけでいいのかということも考えなければならない。
    ともすれば「シロートに何がわかる」とあしらわれようとも、筆者はそんな権威主義的態度に敢然と立ち向かう。こういうジャーナリストが、いま日本には何人いるだろう?

  • 『脳死』(中公文庫)の続編です。

    「竹内基準」がそのまま日本医師会の生命倫理懇談会に認められた動向を受けて、改めてその問題点を指摘するとともに、前著『脳死』に対する医師からの批判に対する反論がおこなわれています。

    著者の立場は前著と同じですが、より明確にされているように感じました。自分なりにまとめると、竹内基準ないし脳機能停止基準は、「蘇生限界点判定基準」としては有効であり、患者の尊厳死のためには生命維持装置の停止をおこなうことも認められてよいが、だからといって内的意識がなおも働いているという根拠はないのだから、その患者から心臓を摘出するべきではないということになるかと思います。

    また、1968年におこなわれた和田心臓移植の実態についての詳しいレポートもあり、移植をめぐる社会的合意がなされないままに、医師たちによって移植手術が認められることの危険性を指摘しています。

  • 共同図書 490.15/Ta13

  • 立花隆の脳死関係三部作のうち二作目。

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著者プロフィール

評論家、ジャーナリスト、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授

「2012年 『「こころ」とのつきあい方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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