- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122018839
感想・レビュー・書評
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やっぱりあと書きの「つぐみは私です」には、ぎょっとしました。
つぐみは死んでしまうと思いながら読み進めていたので、生きていたかと(悪く言えば)拍子抜けしてしまった。手紙の署名「TUGUMI・Y」は昭和のかっこよさが21世紀には少し臭いなと笑った。こういう臭さは、吉本ばななの本にはよく感じる。数年前の自分の失態を思い出した時の恥ずかしさに似ている。だからとてもむずむずして、よく印象に残ってしまって、やっぱりしばらくはむずむずしている。一種のネタか御家芸みたいに思っている。
あらゆる海の感触とか、私の体験は昔すぎてすっかり覚えていないので、近い内に(せめて)浜に行きたい。砂の感触しか覚えていないし、それがグラウンドなのか庭なのか砂浜だったのかもさっぱりだ。もしかしたら、間違えて弟に履かれた砂まみれの靴下かもしれないし。
とにかく、次は「うたかた/サンクチュアリ」を読みます。 -
私の愛読書。
私の理想の美少女は、実はつぐみだったりする。
キッチンに並び、TUGUMIは私の精神安定剤。 -
やっと、やっと、最強に口が悪い女の子に会えました!
「よしもとばなな、好き」と言いながら、TUGUMIを読んだことが無いって何か間違っているで、、、、と思いつつ、積読状態のものが多すぎて後回しになっていました。やっと健全に「よしもとばなな、好き」って言えるような気がするわ。
以下まともなレビューというより、相変わらずの読み終えた後味のような、ゆるーい感想の垂れ流し。
病弱故に破天荒、という一見矛盾した、つぐみの特徴はどこか、私自身を彷彿させるものがあって、人間は内にいるときと外にいるときとで、ここまで大きく変わることが出来てしまうものだという点も私自身のことのようで、何だか厭になってしまいました。つぐみの馬鹿!と思いながら、自分も馬鹿だなーってずっと思いながら、読んでいました。そして、よしもとさん自身でもあるというから、尚一層なんだか厭になってしまいました。「外面のいいやつ」というのか、「二重人格」というのか、兎に角厭ーな人間とだけ思われがちなものですが、人間ってそんなものじゃないかと思うのです。意地っ張りにならずに、暴力性を開花させずに、全うに生きていける人ってそういないでしょう?と寧ろ信じたい部分もあるのです。理想としては、一貫して心穏やかに生きていたいものです。だけど、泣き叫びたい悲しいことはいくらでも起きるし、昔の美しい女優さんのような絵になる泣き方じゃ物足りないことの方が多いし、泣くだけじゃやりきれなくて怒鳴り倒したくなることだって多いものです。うっかりしていたら、それがエスカレートして、許されないところまで行きついてしまうかもしれないのが、人間の恐ろしいところであり、「人間らしさ」と隣り合わせにあるところだと思います。大人になるにつれて、「つぐみ」からちゃんと卒業しないといけないのかもしれません。だけど、感情って大事だなとも思うのです。つぐみを見ていると、他者の力に惑わされることなく、縛られることなく、やりたいことをやりたいようにやることの必要さ、尊さを思い出せられるし、眩しいと感じさせられます。しかも、つぐみはそれだけじゃないもんな。ただつぐみに関して言えば、「勝手」に生きているわけではないらしく、不器用なんだか器用なんだか、兎に角頭の中ではどうやら相当色んなことを考えて、しっかり生きていると見えます。相当なやり手です。「いい女」だと勝手に思っています。しかも美人と来た。困ったものです。個人的には、羽海野チカさんに、つぐみと、まりあと陽子ちゃんと、皆、書いて頂きたい、きっととっても上手に書いて下さると思うのです。あのお方、可愛らしい女の子がうっとりとしている表情を描くのがとってもお上手な方だから。だけどうっとりとした表情のつぐみが、放つ台詞は最強にめちゃくちゃで、まりあは愕然とするわけでしょう。絵にしても、とっても楽しいと思います。そういえば、羽海野せんせ代表「はぐみちゃん」と、名前も含めて対称的な女の子だなあ。
生きている年代こそ違うけれど、ちょうど私と同世代の女の子達の物語です。大人だけど子供、その位置づけの中での、もやもやーっとした、曖昧な世界の中に生きるやつのぐだぐだした感情が、よしもとさんにとってがっつり掴まれている作品です。たまらなく好きだなー。好きだなー。表紙も好き。夏の田舎の砂浜の懐かしい(ただし、私は嗅いだことの無いはずの)匂いを感じる素敵な本です。 -
つぐみが魅力的過ぎる。
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夫から借りた本。中学か高校の時に一度読みづらくて挫折した記憶があったんだけど、大人になってやっと読み切れた。
物語の最後に手紙、という構成が私が昔作った同人誌と同じで、先にこっちを読んだ人は私が真似たと思ったかな、と勝手に嫌な気持ちになった。知らなかったんだよ。 -
「熱がある時って、世の中が変に見えるだろう、楽しいよな」
私を含む大半の人たちは「長くダラダラとした人生」と「短く濃密な人生」どちらか選ぶことはできない。大概は成り行きであとどれくらいの人生が続くのかはわからない。
しかし「短い人生だ」と知っている人はどのように生きるのだろうか。「濃密であるように」自分で努力するのだろうか。
人々の記憶に残るような何かを残そうとするのだろうか。
そしてその何かを成し得えもう十分と思ってしまう日があるかも知れない。
命の炎を燃やすとはこういうことなのだろうなと思った。 -
つぐみが最高にかわいい。友達になりたい。情景描写が素敵で,宝物のようなキラキラした青春って感じがした。
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思春期のひと夏を覗き込んでいる感覚。
潮の匂いがする。