- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122018839
感想・レビュー・書評
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つぐみが最高にかわいい。友達になりたい。情景描写が素敵で,宝物のようなキラキラした青春って感じがした。
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思春期のひと夏を覗き込んでいる感覚。
潮の匂いがする。 -
あなたがどうしても嫌いなのに
見下しているのに
怖くて
思ってもないことが口から走る
あなたはとてもかわいそうな人だ
わたしはもっと曲がって粗末な人だ
寂しいことを言うな
見放すもんか
それでも去ってくれ、一度も現れてくれるな、
友よ -
面白い小説だった。吉本ばななさん好きだな。
自分が生まれる前の作品と知り驚き。そんな前の作品を手に取り出会えたことに感謝。 -
ちょうど夏に読めてよかった。
内容を全く知らなかったのでこの偶然はラッキー。
話の内容ももちろん楽しみなのだが、吉本ばななさんを読むときは素敵な文章に出会いたくて読んでいる気がする。今回もたくさんあった。
『空にはいくつかの星がまたたきはじめ、空気は幾枚もの青い布を刻一刻と重ねていった。』
とか、
『恭一はちょっと見どころがありますが、恋愛はバトルですから、最後まで弱みを見せてはなりません。』
とか。
あと登場人物好きになれるから好き。 -
2023/08/19読了
2日に分けて読み終わった。夏休みのなかほどのこと。
一度、ほんとうに昔に読んだことがあり、病院の公衆電話で電話をしているシーンだけをおぼえていた。だから母から借りたとき「夏に読みたくなるよね」と言われ、適当に相槌を打ちながら、そうだったっけ、と思っていた。
思っていたより夏の話だった。夏の、わかい人たちの話で、人の悪意ももちろん登場するけれど、それらも柔らかく適度な距離で書かれていて、この小説全体を包む雰囲気そのものを不思議に思った。それが夏とか海とか、「なにもなさ」が生むものなのかもしれない。 -
吉本ばななさんの小説をきちんと読むのは実は初めて。
読み始めて最初に思ったのが、文章が美しい!ということ。風景やそこに宿る感情みたいなものの描写の仕方がすごく好きで。
お気に入りのフレーズをメモしだすと、全て書くことになるんじゃないかというくらい。
さて。ストーリーはというと。
つぐみが、そしてまりあも、成長して、新しい自分を生きていくという決意や感覚をつかむところ、しびれました。
とても読みやすいのですが、私は、結構心の中えぐられました。
海の潮の匂いがしてくるような、心地いいような、ザラザラしたような、そんな感覚の小説でした。 -
吉本ばななと河合隼雄の対談を読んで、読みたくなった本のひとつ。
一気に読んでしまったけど、一気に読むのがもったいない感じのする、優しくて丁寧なお話だった。
主人公はあんなに口が悪いのに…あらすじだけ考えると全然明るい話じゃないはずなのに…、柔らかくてほのかに明るい雰囲気が出ているのが不思議。
また、じっくり読み直したい。