- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122020474
感想・レビュー・書評
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再読。1990年刊行。
やさしい夜の殺意 / それぞれの顚末 / チルチルの丘 / 青いドレス / 未亡人は二度生まれる
ミステリ要素が強い短編集。
「やさしい夜の殺意」は途中で予測はつくが最も謎解き要素が強く面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「久美は親友の麗子に伴われて十三年ぶりに兄に再会した。美しくもの静かな妻、郊外の小さいながらも瀟洒な家―。落ちついて幸福そうな兄の家庭に、久美も自然に溶けこんでいった。しかしある晩麗子が謎の死を遂げた時から、この家にかすかに疑惑と死の気配が漂うことに気づいた―。日常生活にひそむ殺意の意外な結末を描く、サスペンス・ミステリー五篇」――またおばあちゃんの本棚の中から拝借して参りました。やさしい夜の殺意・・・?小池真理子さんの小説が読みたくなって漁ってたらこのタイトルが目にとまりまして。短編集はやっぱり読みやすいですね。一つ一つ違うから飽きる事なく読めるし。・やさしい夜の殺意・・・表題作。ちょっと長めでミステリー色がとても濃い作品です。曲がりくねった愛情は全くあらぬ方向へ・・・。こええ。昼ドラにできそう。小池真理子さんのイメージにぴったり当てはまる作品です。・それぞれの顚末・・・これ好きです。ラストが痛快で、ちょっと虚しくて。エゴの報復ですね。自己中はいけません。気をつけよう( ̄〜 ̄;)・チルチルの丘・・・大人の恋愛色強いお話だけど、ミステリーです。車中の二人の対話の中で、様々な事が明らかになる。幻想的な雰囲気が一変して張り詰めた空気に変わる。人間の心情とリンクして周りの環境って変わって見えるものなんですね〜。・青いドレス・・・うわあ。悲惨だ。まさかそうなるとは。予測できない危ないことは実行しちゃだめですね。・未亡人は二度生まれる・・・本作最長の作品。タイトルからして小池ワールドを予感させます。ちょっと表題作と似てるかな。それにしても頼れるお母さんですね。いたらいたで嫌だけど。親子で仕組んだ芝居で事を安全に着地させる事が出来るのか・・・。なんだか全部皮肉なラストです。そこがまた魅力であり、最大の見せ場なんでしょうけど。ラストまで全く予想不可能の展開です。だって伏線が何も無いんですもん。予想しようがない。けれどその物語の構成以上に、やっぱり心情描写が素晴らしいと思う。て言っても普通な、正常な人間の心ではありません。異常者の心です笑。完全に心が屈折しちゃってます。だからこそ引き込まれたりして。全部面白くて、満足です――
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サスペンス短編集。全5話。