古書彷徨 (中公文庫 て 1-3)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 49
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122022010

感想・レビュー・書評

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  • 好きな作家の一人。古本綺譚に衝撃を受けこれも再読。

    一編収録されているフィクションの出来はイマイチだが、古本をめぐるエッセイはやはりいい。
    作っている部分もあるのではと疑いたくなるくらい、いろんな人が登場する。

    平成の今の世では考えにくく、味気ないブックオフが幅を利かせている古本業界。作者の世界観に同調出来る人が、若者にいるのだろうか。

  • 毒薬の本を探す人、毎年一度同じ日に現われる客…古本愛好家はちょっと変わった人ばかり。古本をめぐる人間模様のさまざまを掬い取った軽妙達意のエッセイ五十余篇に、稀覯本のいかがわしい悪徳商法を描いた短篇「聖紙魚」を加える。(裏表紙)

    本編は短編も含めてちょい微妙。あとがきのような『古本屋さんの身辺雑記』を求めてました。

  • 本に対する想いと云うのは、当たり前だけど人其々で、こんなに真剣に向き合う人もいるんだなぁ、と。

  • 古書エッセイ!

  • 古本屋を営む筆者が出会う面白い客を描いたエッセイ+古本屋と悪質な古本業者との関係を描いた小説+過去の通人について書かれたエッセイ。

    筆者の書く古書好きと私の思う古書好きは違うようで、古書を一種の骨董品のようにとらえている人が多いようです。

    私にとって本は中身が重要で、本に物質的価値を見出すことはあまり無いです。だから新書、古本の区別なく本ならばなんでも良いという考えです。だからこそ、新書よりも安い古本ばかり買っちゃうのでしょう。
    まぁ私は年代の古い本が置いてあるような古本屋に行ったことはあまりないのだけど。

    本が家計を圧迫することもあるんだなぁーと思うと不思議です。

    エッセイの中にあった大みそかになるとやってくる客の話しが印象にのこっています。
    あと「紙魚(しみ)」という存在とか。一度だけ見てみたいかも。

  • 偏屈な古本屋の親父や変わり者の客たちの、書物に対するフェティッシュな執念の見え隠れするエッセイ集。暗く湿り気を帯びた内容や描写はそのまま古本屋のたたずまいのようだ。他に歴史上の通人、道楽人を紹介した軽妙な文章などを収める。

  • 古書に関係あったりなかったりするエッセイ。
    短編と通人云々はともかく他は面白かった。
    固い本の息抜きに読むのに丁度いい。

  • エッセイ50余編に『聖紙魚』という短編ひとつにより構成される。
    前作『古本綺譚』に比べると雑多な感じでストーリー的な面白みには少し欠けるかもしれない、が、作者氏の、本に対する愛情はいっそう精彩を加えており、読書通の読書欲を刺激する内容になっています。

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著者プロフィール

出久根達郎(でくね・たつろう):1944年茨城県生まれ。中学卒業後、上京、古書店に勤務する。73年から古書店・芳雅堂(現在は閉店)を営む傍ら、文筆活動に入る。92年『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞、93年『佃島ふたり書房』で直木賞を受賞する。2015年には『短篇集半分コ』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。著書に『おんな飛脚人』『安政大変』『作家の値段』など多数がある。

「2023年 『出久根達郎の古本屋小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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