- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122023116
感想・レビュー・書評
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16/10/26読了
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いつも思うことだが、司馬遼太郎の短編は実によい。どちらかというと、数々読んだ長編作品よりもすばらしいと感じ入る。何がそれほどすばらしいのか、描かれる時代背景それぞれの人物像が生身の人間として伝わることである。
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戦国時代の短編集(6作品収録)である。短編集は気軽に読めていい。
先日、やはり戦国時代が舞台の女性メインの短編集「戦国の女たち」を読了したばかりなので、その流れで読んでみた。が、「戦国の女たち」で収録されていた「一夜官女」「女は遊べ物語」「侍大将の胸毛」が本書にも収録されており、結果、3作品のみ初見ということに。
初見分だけ、それぞれ感想を書いていこうか。
「雨おんな」
関ヶ原の戦い直前、厄払いを稼業とする"歩き巫女"のおなんが、東軍(福島正則の家来:尾花京兵衛)・西軍(宇喜多秀家の家来:稲目左馬蔵)それぞれの侍と肉体関係を持ち、その2人の侍が戦場で敵対し、のちにおなんは2人と再会…というありそうでなさそうなお話。ま、肩の力を抜いて読める。
「京の剣客」
吉岡一門と宮本武蔵にまつわるお話。吉川英治作品の「宮本武蔵」など他作品に異論を唱えるアンチテーゼ的な内容。これもあって、司馬遼太郎は「真説 宮本武蔵」を書いたのだろうか。まずは吉川作品を読んでから、「真説・・・」を読んでみようかな。
「伊賀の四鬼」
忍者モノではあるが、2013年08月27日に読了した「最後の伊賀者」には入っていなかったのが不思議。入りきらず漏れてしまったのだろうか。
戦国時代の伊賀忍者4人のうちの、湯舟の耳無と岩尾の愛染明王の対決を、豊臣秀吉VS柴田勝家の戦いである賤ヶ岳の戦いの前哨戦として描く。司馬作品の忍者モノは躍動感があって楽しませてくれる。 -
5月14日読了。華々しい合戦などの表裏で生きる、侍武者や忍者、市井の人々を描く短編集。娯楽がなかったであろう古代日本、男女が「寝る」ことは今よりもっと身近な楽しみであり、かつ「生きること・死ぬこと」について考えたり体験することももっと身近だったのでは・・・と想像する。肩の力の抜けたような短編集であり、軽く読めて息抜きによい。
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肩の力抜いて読める司馬遼太郎の短編集。立派な恋愛小説、として読んでしまうところがわたしの甘さ。