私の文章作法 (中公文庫 し 23-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122024113

感想・レビュー・書評

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  • 「文章を書くという行為は設計と加工を緻密に施していく作業プロセスである」という持論を著者の執筆経験を通して語っている。

    正しい文章の鋳型に独自の経験を流し込んでいくという鋳造作業の果てに、独自の読みやすい文章が形成されていくという件は印象的で「基本」って大事だなーと思った。

    感覚で文章らしい言葉の連結を捻り出している身としては、アプローチというか姿勢自体を改めないとなーと思った次第。

    ちなみに、とても読み易かった。

    • げんえいさん
      素晴らしいレビューですね
      素晴らしいレビューですね
      2017/04/18
  • 「真似ることから始める。」
    この考えが正しいと思うようになったのはつい最近のことである。個性個性と言われる時代のせいか、何をするにしろ「自分らしく」という概念が根底にあり、真似ることは私にとってよくないこと、そう思っていた。

    しかしそれでは、基礎がないから成長しない。
    ピカソのような絵なら誰でも描けると思っているうちは、描けているようで描けていない。あの絵があの絵であるのはピカソ自身の基礎があってこそ。簡単に描かれていそうな絵ほど難しく、簡単に書かれていそうな文章ほど、じつは緻密につくられた文章なのかも知れない。
    基礎の大切さは、個性をもつためにも必要不可欠なのである。残念なことに、私は今までそのことに気づかないまま生きてきたらしい。
    (2006年4月18日読書日記より)

著者プロフィール

清水幾太郎

一九〇七(明治四〇)年、東京生まれ。社会学者。東京帝国大学文学部社会学科卒業。文学博士。二十世紀研究所所長などを経て、学習院大学教授、清水研究室主宰。主な著書に『愛国心』『流言蜚語』などのほか、『清水幾太郎著作集』がある。訳書にヴェーバー『社会学の根本概念』、カー『歴史とは何か』などがある。八八(昭和六三)年没。

「2022年 『日本語の技術 私の文章作法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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